07/06/17 19:29:46 InTpSRaU
優しさと月 厳しさと日(前編)
新人くんがチームに配属されてからの、今日は初めての合体演習。
正直に言うと、合体の度に私は、物凄い不安とプレッシャーに襲われてしまう。
私のR-3が合体の要となるのに、私のT-LINKコンタクトは未だに安定してるとは言い難い。
それでも、今までは何とか成功させて来れたけど、だからといって次も成功するなんて保証は、どこにもない。
演習場へ向かう輸送艦の中で、私はそんな不安から、つい暗い顔になりがちだった。
「大尉、大丈夫ですか?」
そんな私を心配したのか、新人くんが声を掛けてきた。
「今日の演習の事で、何か悩みでもあるんですか?」
はぁ……まだ出会って1ヶ月も経ってない彼にまで、見抜かれちゃうなんて……何だか自分が情けなくなっちゃう。
私は、自分の素直な気持ちを、新人くんに打ち明けた。
「……失礼ですが、そんな後ろ向きな気持ちじゃあ、出来るものも出来ませんよ。大尉自身が、前向きな強い気持ちでないといけません」
答える彼の口調には、相手を突き放すような、どことなく冷たいものがあった。