07/06/16 20:42:48 T72OT2k+
>>178
……くそ、思い出したらまたムカついて来たぜ。
ゼンガー少佐は、斬艦刀を展開しなかった。
早い話が手加減してたって訳だ。
負けた事も充分ムカつくが、それもまた、俺を不機嫌にさせる理由だった。
全力で戦ったんならともかく、手加減してもらって、それでも負けるなんてな……。
「まだ気にしてるの?」
アヤが尋ねる。
当たり前だろ。
俺は愛想なく答える。
我ながらガキくせえ態度なのはわかってるが、それでもそういう態度になりたい気分だ。
「ゼンガー少佐に、手加減されたって思ってるんでしょう?」
他に何があるってんだ。最後まで斬艦刀を通常のままで使ってたんだぞ?
「ん……私もそう思って、あの後少佐に尋ねてみたの。何故手加減したのかって……何て答えたと思う?」
知るかよ。
「手加減なんかしてない……ですって」
―はぁ?
俺は間の抜けた声を上げる。
手加減してないだと?だったら何で……。
「斬艦刀を展開しなかったのは、取り回しを良くして、あなたの乗るヴァイサーガの、素早い攻撃に対応する為……そう言っていたわ」
……ホントかよ。
「あら、失礼ね。こんな時に嘘を言うような、そんな空気の読めない女ではないつもりよ?」
アヤはそう言ってクスクスと笑う。