07/06/08 15:55:37 3VX3+5yH
そもそも、何故こんな事になったんだっけ?
五連装チェーンガンの弾幕をかわしつつ、俺はふと胸の内でつぶやく。
ソウルゲインは今日も、俺の反応にしっかりついて来てくれていた。
フットワークとスラスターのこまめな噴射で、前方のズングリムックリした機体との距離を少しずつ縮めていく。
その敵の名はアルトアイゼン・リーゼ。
ナンブ中尉の乗るアルトアイゼンの、強化型だ。
始まりは、朝の食堂での、ナンブ中尉との会話だった。
たまたま席が向かい同士になったのだ。
「機会があれば、一対一でお前と闘ってみたいものだな」
前振りもなしに、中尉はそう切り出した。
急に何です?
「昨日の、ラミアとの模擬戦を見させてもらった。アラドがリュウセイに頼まれて撮影した映像だが」
……何でアイツは、こういう事には手が回るんだか。
「お前の操るソウルゲインがどれほどのものか、この手で確かめてみたくなった」
相変わらずの仏頂面とは裏腹に、ナンブ中尉は熱のこもった声で言う。
ああ……この人も俺も、同じ穴の狢か……一種の職業病だな。
そんな風に考えてると、俺の背中にデカくて柔らかい感触が二つ、のしかかって来た。
エクセレンの姐さんだ。