08/08/10 20:26:25 IEtqeoW30
反省しつつ、勢いで。
（さて、レッスンも終わったし、すぐに帰ってもいいんだけど……。多分、今日も……）
「プロデューサー……、今日もお願いできますか？」
「ああ。俺が使ってないときだったら、気にせずにどんどん使ってくれよ」
「では、お言葉に甘えて……。隣、失礼します」
「千早が使いだしてから、パソコンの調子がよくなってさ、不思議なことに」
「そうなんですか？」
「多分、このパソコンも俺に使われるより、千早に使われて嬉しいんじゃないかなぁ」
「えっ……？ ふふっ。プロデューサー、お上手です」
「ははは……さてと、俺はこっちで資料を見てるから……。
あ、ごめん。もうちょっとパソコンを、そっちにやろうか？」
「い、いえ！ その、これくらいがちょうどいいかと……」
「ちょっと狭いかなって思ったんだけど、千早がいいなら、……じゃあこのままで」
「はい」
（それにしても、千早がこんなにパソコンに興味を持つなんて思わなかったな……。
でも、それならなんで自分で買わずに俺のパソコンばかり使うんだろう？ ……まあいいか、仕事仕事）
「……プロデューサー、よろしいでしょうか？」
「うん？ なにか困ったことでも？」
「困ったというか、その……これ、なんて読むのかわからなくて……」
「どれ……。お、掲示板じゃないか。これ、千早の？」
「はい、７６５プロのホームページに設置されている掲示板です。スタッフの方が
私の掲示板のことをほめていらして……」
「俺も見たけど、他のアイドルの掲示板に比べると、随分高尚な意見を戦わせているよな」
「そのようですね。私も初めて見たんですが、驚きました」
「結局、お互い千早の歌に対する想いが違うから、いつまでたっても結論はでないんだけどね。
……で、どの字が読めないんだ？」
「これです。おー、あーる、ぜっと？ ……なんのことでしょうか？」
「ああ、これはね『 』ってことなんだ。ほら、人ががっくりと落ち込んでいるように見えるだろう？」
「あ……すごい！ そう見えます！」
「違う掲示板でも見かけるよ。他にもこういった記号はいろいろあるから、探してみるのもいいかもな」
「見慣れた字をこんなふうに並び替えるだけで、まったく違う意味に読ませる……柔軟な思考が無ければ
とても思いつきません。……勉強になります」
「そ、そうか」
「これは『リアルＰ』って人が書き込んだようですね」
「……あっ！」
「プロデューサー？ なにか？」
「い、いや、なんでもないよ」
「考えたのは、この人が……？」
「ち、違うと思うけど……」
「そうですか……。この方の書き込みは、他にもあるようですね……えっ？ これは……」
「ど、どうした？」
「その……『千早かわいいよ千早』って……」
─どったーん
「あっ！ プロデューサー！だ、大丈夫ですか！？」
「だ、大丈夫、大丈夫。ちょっと椅子から落ちただけだ」
「それならいいんですが……この書き込み、言いたいことはわかります。でも。名前を連呼されても……
これもやはり別の意味あるんでしょうか？」
（まずいな……。昨日、徹夜でハイになってるときに、つい書き込んだ覚えがぼんやりと……。上手くごまかせるか？）
【千早がかわいい？ それは無いよ】
【俳句の技法かもな】 【ホントは嬉しい？】