08/08/09 04:45:47 +bVXVOpU0
■写真集撮影（ランクＢ）
「そう。そこで遠くを見つめて……ほんのちょっとだけこっちに目線！オッケー、いいわァ～」
夏休みに入ると海外ロケも可能になるので、ミッシングムーンチームは合同で写真集撮影に来ていた。
勿論、写真集はあずささん、律子とそれぞれ別に出すのだが、撮影スタッフが一緒なので予算を節約できるんだ。
そして今回は、全員にアドバイザーとして山崎審査員にも同行してもらってる。
売れる写真集を出すのために彼の助力は絶対に必要であり、ビジュアルに関しては完全な信頼を置ける存在だから。
……ただ、俺達プロデューサー陣が夜に一抹の不安を抱えながら寝なくてはいけないのだが。
そんなリスクを受けてなお、有り余る魅力的なビジュアルが撮れているのはさすがと言える。
千早の場合、セクシーを前面に押し出すのではなく、麦藁帽子+白のサマードレスという黄金の組み合わせで
完全なる【清楚な歌姫】を具現化したような至高の存在となる。
清楚なイメージで押し通しながらも、風になびくロングヘアから覗くうなじとか、
たなびくスカートから見える膝のうらとか、細い腕と一緒に横から見える、わきの下とか……
千早から見ると清楚で普通のイメージを装いながらも、その裏には男のフェチズムを存分に盛り込んだ
この写真集のプロデュース……やはりダテに毎週多くのアイドルを審査してるわけじゃない。
あの黄色い人のビジュアルセンスは、業界トップと言われるのも納得だ。俺としても大変勉強になる。
（ええと……次は【湖畔をバックに白い椅子に座って、テーブルの前に手を組みながら
ストロー二本挿しのトロピカルドリンクを飲む千早】のカットか……）
用意されたロケーションからは、ぬけるような青空が涼しげな空気感を醸し出している。
二本挿しのストローから、写真集を見ているファンがそこにいるかのような感じを出したいのだろう。
そして、アングル的に目線は、ノースリーブワンピを着てる千早のわきと胸元へ……
コンセプトから目線誘導までカンペキだな。小鳥さんもこういうのやらせたら、性別を間違えたくらい凄いけど、
律子がここにいる以上、唯一の事務員を海外に数日拘束したら、社長が泣くし……ゴメン小鳥さん。
お詫びに、おみやげは俺と千早とメンバーの皆で奮発しようと決めたから勘弁してください。
「はい、オッケー！バッチリよぉん♪じゃ、今日はここまで。スタッフ撤収～」
山崎アドバイザーのおかげで撮影は滞りなく進み、現地時間で午後3時には予定が消化された。
せっかくの海外だし、千早にも時間をあげて街をうろつくとかで羽を伸ばしてもらおう。
幸い、日本国内みたいに街を歩くだけでサイン攻めにされる事は無いはずだ。
「あの、プロデューサー……」
「おう、千早お疲れ様。この後はフリーだし、街に買い物でも自由に……」
「あ、はい……それはありがたいのですが、これ……」
千早が差し出したのは、フルーツがいっぱい乗ったトロピカルドリンクだ。
こうして改めて近くで見ると、けっこうデカいな……メロンとか、贅沢にささってるし。
「スタッフさんには、飲んでいいよと言われたのですが……この量は、さすがに……」
「まぁ、そうかもなぁ……腹を壊すのはＮＧだし、スタッフに差し入れる？」
「それもちょっと……せっかくわたしのためにと作ってくれたものですし、そのご好意は無駄にできません！！
ですから、その……ですね。あの……ストローも無駄にしないためにも、宜しければ……」
【歌の妖精・南国に降臨】写真集のオビには、もうそんなコピーまで決まっている。
白いサマードレスに包まれたその妖精は、頬を赤らめて俺にドリンクを差し出して……
いつか千早がメールで言ってた、海の妖精【セイレーン】
俺はまさにこの時、全ての職務を忘れて引き寄せられる船乗りのようだった……
※>>318の画から妄想を拡げてみました。麦わら+白ワンピ+ロングヘアは正義！
そして夜はＰの部屋に侵入しようとするＶi審査員と、阻止せんとする千早と、何故かいる小鳥さん。
……そこまで妄想できた貴方は、とてもよく訓練されたＰのはず。