【961】四条貴音スレ【プロ】at GAMECHARA
【961】四条貴音スレ【プロ】 - 暇つぶし2ch786:SS もいっちょネタ
08/08/25 19:03:26 zii2lWM50
出会いは何時も突然にやって来る。
それがドラマチックな物だったりミステリアスな物なら、尚更心に残る出会いとなるもの。
『彼女との出会い』 ── それも、そんなお話の一つだ。

薄雲の切れ目から、月光が降り注ぐ様な夜。
宵闇の中から、浮かび上がる様に彼女は俺の前に姿を現した。

美しく整った顔立ち。純血とは考え難い、見事なまでのスタイル。
月明かりに照らされた、幽玄とも思える雰囲気を醸し出すシルバーブロンド。
そしてその瞳に湛えるは、世界で最も美しい宝石 ── 涙。

何かに心を奪われたかの様に、俺は自然に声を掛ける。
「…き、君は?」
その場に佇み、無言で静かに俺の方を見つめるだけの彼女
「君は…、君は、何者なんだ…?」
何故か俺の口を付いたのは、そんな疑問。
彼女は、相変わらず黙ったまま俺を見つめ続ける。
「何故、君は…涙を?」
「…」
「どうして、きm(ry」
「…………した…」
不意に、微かに彼女が何かを呟く様に言う。
「え?」
が、その言葉は俺の耳には届かない。
「…見…け…した…」
「? 何だって?」

ふと、言葉共に気配の様な物に気が付く。何時の間にか、両腕を俺の方に伸ばした彼女が眼前に。
い、何時の間に…!?
そして、反射的に彼女から身を離そうと思った時だった。
………な、何っ!? くっ、か、体がっ…。
体が、ピクリとも動かない。
ユックリと俺の首に廻されていく、彼女の両腕。

「お、おい! な、何を…ま…、んっ!?」
形の良い淑やかな唇が、俺のそれと重なる。
同時に、急速にぼやけて行く俺の意識。

再び唇を離す彼女。
「見つけました…。私の…、私の──」

遠くで聞こえる微かな美声。そして一瞬だけの僅かな痛み。
暗転する意識の中、最後に感じたのはその2つだった。


「さて…今日もこれで終了、っと。お疲れさん」
「はい。プロデューサー様も…」
穏やかな表情の彼女。

「ははは。 止してくれよ、そんな台詞」 ── ソウサ。俺ハ─
「だって──」 ── ダッテ
「──俺は、君の為のプロデューサーなんだぞ?」 ──俺ハ、貴音サマニ仕エル、忠実ナ僕ナンダカラ。


虚ろな瞳の彼に、彼女が一度だけ薄く微笑った。




次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch