08/07/24 19:12:23 hyctOAln0
「あ。言っておくけど小鳥さんって事務所ではあれで妄想をセーブしてるよ。休日でフリーになるともっと凄いんだってさ」
「え……えぇっ!?」
「彼女が言うにはさらに二段階の妄想モードがあって、彼氏でもできたら120,000,000くらいまで上がるってさ。
普段はほら……事務所の皆はアイドルだし、加減して530,000くらいに抑えてるって言ってた。
俺が千早に抱いてる妄想を20倍にしたところで、普段の小鳥さんには遠く及ばないんだぞ。
千早が今悩んでるレベルなんて、ラディッツを倒す前のピッコロ程度さ」
「あの……すみません。例え方がよく分からないのですが?」
「とにかく、千早は新たな試練を迎えてるって事さ。それを克服すれば、また一段階強くなれる。
人を好きになって、色々したいと思うのは……とても自然で素敵な事だと思うよ。
たとえそれが世間に言いづらい欲望でも、自分の感情として肯定すれば……それは表現力になる。
歌を邪魔されるどころか、歌を進化させるチャンスになる!!
千早は……そんなチャンスを目の前にして、どうしたい?」
「歌いたいです!!プロデューサーに対する気持ちを……歌に乗せてみたいです!!」
彼の言葉に釣られる様に、私は迷い無く言い放った。
プロデューサーが大好きで、仕事なんて放り出して彼と一緒にいたい……一瞬湧き出たその気持ちは否定しない。
でも、もっと幸せになる方法があるじゃない?
この気持ちを歌に乗せて、人を愛したくて仕方なくなるような、素敵な歌を世に出そう。
そして、プロデューサーにうんと褒めてもらおう。
765プロが潤ったら『プロデューサーのおかげです』と社長に言って、彼の手柄を作ろう。
それが出来た後で、プロデューサーとする祝福のキスは……
仕事から逃げて相手を求めるだけのキスより、絶対に幸せであり、気持ちいいはずだから。
「じゃ、行くか?今日は仕事上がったら一緒に帰ろうな。楽しみにしてくれるのは構わないけど、
そいつに気を取られて集中を乱さないこと!……これは俺にも言ってる事だけどな」
「ふふっ……そうですね。もう大丈夫です!目標を見据えた上で自制します」
「その意気だ千早!……でも、実はちょっと安心した。妄想しながら過ごしてるのは俺だけじゃないって」
「くっ……それはこっちの台詞ですっ!わたし一人で、はしたない妄想をしてしまってたと落ち込んでたのが
馬鹿みたいではありませんか!?」
「そうかもしれんが、俺はもう20を越えた大人なわけでして……俺が千早くらいの頃は、
好きな娘に対して、自制の一つも出来ないガキだったからなぁ。千早が出来すぎてるんだよ」
……自分の欲望を肯定した上で、自制して生きる。
それは、言ってみれば普段の生活そのものだと思いました。
極端な例かもしれませんが、己の心で人を憎むのは自由でも、現実の世界で危害を加えては犯罪です。
自分の大好きな事をしながらも、現実世界でキッチリ自制できる音無さんは……実は凄い人なのでは?
そう思うと、素直に彼女を尊敬できます。
だから……わたしも頑張ろう。プロデューサーへの想いを、歌に込めるために!
小鳥「……っくちゅん!!」
律子「小鳥さん……クーラー、効きすぎてるなら少し温度、下げますか?」
小鳥「うーん、寒いとかじゃないんだけどね……これはアレかな?誰かがわたしの噂をしてる!
最近ライブでアナウンスの仕事が多いし、こんなわたしにもファンの人が出来て、
ライブ会場の廊下でぶつかって、出会いが始まる……そして3ヵ月後には……キャー♪」
律子「……妄想にハマりながら手が動いてるこの技術だけは、真似できないわね……」
社長「真似しようとも思わんでくれたまえ!小鳥君がもう一人増えたらと思うと、夏でも背筋が凍るよ」
※妄想力を数値化してみると、小鳥さんがフリーザ並に他を圧倒してると思ったらこんな妄想が拡がった。
春香でもせいぜいギニュー隊長クラス?