08/07/27 12:49:30 rP7rlOtn0
「見慣れない場所に出ましたね、あずささん。
コンサート会場のコの字も見当たりません」」
「ふふ、そうね、千早ちゃん。何があるのか楽しみね。
あ、ビデオで周りの風景を撮っておかないと。千早ちゃんとの思い出に」
「あずささん、全然不安を感じないのですか? それとも実は知っている場所ですか?」
「いいえ、私も全然知らない場所よ」
「つまり私達は迷子になっていると言うことじゃないですか!?
落ち着いている場合じゃないですよ、あずさささん。
すぐにプロデューサーに連絡をして、迎えにきてもらわないと」
「千早ちゃん、落ち着いて。大丈夫、きっと何とかなるわ」
「ですが・・・・・・」
「千早ちゃん、知らない場所を歩くのは、人生と同じ事なのよ。
長い人生、時には迷うこともあるわ。千早ちゃんも迷ったことがあるでしょ?」
「格好良いことを言われますね、あずささん。確かにそうだと思います」
「迷うのは決して悪いことではないのよ。正確に目的地に行くだけでは見えない物もあるわ。
いいえ、人は迷った分だけ成長できるのよ」
「そこで胸を張るの止めてください、くっ」
「ふふ、大事なのは迷っても歩くのを止めないこと。
辛くても悲しくても歩き続けるのが大事なのよ。
と言うわけで向こうの方へ歩いてみましょう」
「あずささん、言っていることは間違っていないと思うのですが、そちらに歩くのは間違っています。
コンサート会場は横浜です。小笠原行きのフェリー乗り場ですよ、そっちは!!
ああ、もうチケット買っているし!? なんで、こんな時だけ歩くのが速いんですか!?」
「千早ちゃん、もう出港ですって。早く早く♪」
「待って下さ~い、あずささ~ん」
後に『三浦あずさと如月千早のぶらり日本一周船の旅』となる船旅の始まりであった。