08/06/28 05:38:17 O6iHdnpK0
>>777
「……お客さん、やめときなよ。相手が悪い」
「……だな。また今度にするわ。マスター、これ御代ね」
空気の読めないプレイボーイは姿を消し、再び緩やかな空気に包まれる。
どこへなりとも知れず、視線を泳がせる女。
カウンターとボトルラックを見回し、黙々と手元を動かす男。
その二人の視線が、ふと同じ焦点を結ぶ。
「……ふふっ、」
「何か喜ばしい事でもありましたかな?お客様」
さりげなく零れた微笑を受け流すかのように、カウンターの手元に
視線を落としたまま応えるマスター。
そんな反応にも構うことなく、いやむしろそれすら嬉しいと言わんばかりに、
女性は視線を向けたまま、目を細める。
「プロデューサー、私……幸せですよ?」
「……」
「そう呼ばれる事は、もう無いと思っていたんだけどね。千早」
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あまり説明的な文章を差し挟むのは野暮な気がしたので、投げっぱなし。
空気で感じてくれ。空気で感じられたら大勝利って事で。