08/05/17 07:26:00 IOMcWt3X0
「気をつけろ……千早。まだ妨害工作があるかもしれない。俺も警戒するけど……」
「いいじゃありませんか。やらせておきましょう」
「え……いや、しかし……それはあまりに無防備じゃ……」
「もし向こうが本気なら、怪我を負わせるくらいはしたでしょう。ジュースをかけてテンションを落とす程度の
覚悟しかないなら、それ以上恐れる事はありません。逆に警戒したり怒ったりすると、向こうの思うツボですよ?」
千早の言葉はもっともで、ぐうの音も出ない。こんな時、何とかするのがプロデューサーの仕事なのに。
「ねえ、プロデューサー……」
「ん?」
「………絶対、勝てますよ。なーんて……ふふっ、プロデューサーの真似をしてみました♪」
「根拠に欠ける言葉だなぁ……我ながら」
「そんな事はありませんよ。少なくとも、わたしはいつもその根拠の無い自信に助けられてました。あと……」
審査員の号令が掛かる直前、千早は俺に向き直り……妨害工作なんて消し飛ぶような笑顔で、言った。
「……そこまで本気で怒ってくれる事、本当はちょっと……いえ、とても……嬉しい……です。
オーディションの指示に冷静さを欠いてほしくはありませんが……プロデューサーのそういうところ、好き……ですよ」
ちくしょう、なんて無理難題を言ってくれるんだうちの歌姫様は。
オーディション直前にそんな事いわれて……テンションピンクどころかヘブン状態一直線だよ!
結局その後、千早は何の問題も無く、一位でオーディションに合格した。
これからトップを目指すにあたって、こんな事は何度も経験するだろう。
千早がこんなに見事な対応をしたのに対して、今日の俺はただ慌て、怒るだけしかしてない……
もっと……もっと頑張ろう。千早を、必ずトップアイドルに育て上げるために。
大事なこの子を……必ず、必ず幸せにしてあげるために。
※最近ネタに走りすぎてるので、ちょっと真面目なのを一本。
千早はこういう悪意に比較的慣れてるけど、Pややよいが陥れられたら見境なしに怒ると思った……