08/04/29 03:27:33 wU53OTSEO
「うう……うううう……うー……」
机に突っ伏し、天海春香は呻いていた。
「ど、どうしたの？」
さすがに三十分も呻いていると、声をかけてくれるものだ。
親友である、如月千早の優しさに感謝し、春香は立ち上がって千早の両肩をがしっと掴む。
「ああっ、千早ちゃん、訊いてくれるのね！」
「え、ええ……」
肯定してきた千早の肩を揺すりながら、叫ぶ。
「プロデューサーさんがひどいのよおおぉぉぉぉっ！」
「あなたのプロデューサーが？ なにかあった？」
「ふ、ふふ……ふふふふふふふふ……あったの……たくさん……」
今度は、自分が体を震わせ、暗い笑い声を低く響かせて春香は続ける。
「プロデューサーさんに、今日のわたしとプロデューサーさんは恋愛運が最高で近くに幸運があるかもって言ったら、
今月のおれの恋愛運は最低で近くに不幸があるらしいから注意しないとなだって！
わたしが、ちょっと転んじゃったけど、プロデューサーさんが受けとめてくれるっぽかったのに、
なぜか、ここ以外にないってところでプロデューサーさんも転んで、お互いの頭をぶつけちゃったの！
せっかくお弁当を作っていっても、プロデューサーさんったら、
ロケをしたお店の店主さんと妙に意気投合しちゃって、特別に裏の注文の料理を食べさせられているの！
おやつの時間だったら一緒になれるかなって思ったら、
宣伝のお仕事をいただいた会社のお菓子を、ひたすら味見しなくちゃいけなかったわ！
レッスンをがんばっている姿を見てもらおうとすれば、
プロデューサーさんが、業界が注目する敏腕として雑誌の取材を受けているんだもの！」