【最高の】如月千早26【ステージを!】at GAMECHARA
【最高の】如月千早26【ステージを!】 - 暇つぶし2ch700:SS
08/03/07 22:32:33 SJSrIzb10
「お、千早がパンフレットを見ているとは珍しいな」
「あ、プロデューサー、実はヘッドホンを買い換えようかと思いまして。
 Cランクになって、お給料も増えましたから」
そう言って千早は微笑む。
低ランク時代の給料は雀の涙、自分へ投資したら消えてしまう。
その上、家にいるくらいなら外で食事を、としていると給料はあっと言う間に消える。
それでもDランクで多少は余裕が出来たがこちらで貯めたお金はコンポに消えた。
「ようやくヘッドホンに投資できるようになりました」
「そうか。でも、見ただけではよく分からないだろ?」
「ええ、お店に行ってみないと駄目ですね。価格の目処を付けようにも書いてありませんし」
千早としてはこう言ったのは感性の問題なので、ネットなどの評価は参考にしかしない。
「あ、これ、俺が持ってるヤツだな。そうだ、俺のでよければ、千早にしばらく貸そうか?
 細かい違いを知りたい場合、事務所で聞くから使ってない。俺ので嫌じゃなければ、だけど」
「いえ、大丈夫です。貸していただけますか?」
千早の言葉に彼は翌日、ヘッドホンを貸すことで答えてくれた。

「さて、これで今日の仕事は終わりだな。予定より早かったが何処か寄るか?」
「それでしたら、ヘッドホンを買いたいのですが・・・・・・」
「お、ついにどれを買うか決めたか、千早」
「いえ、まだそこまでは。ですがプロデューサーからお借りしてヘッドホンで分かりました。
 やはり値段によって差がありますね」
「ああ、あれもそれなりに高かったからな。よし、それなら寄っていこうか」
そう言ってプロデューサーが千早を連れてきたのは大手家電量販店。
「ここは品数が豊富だし、全種類試用できるからちょうどいいだろ?」
彼の言葉に千早は頷き、さっそく手近なヘッドホンを手に取る。
その後も千早はヘッドホンを取っ替え引っ替えして二つにまで候補を絞った。
「この二つのどちらかですね。お値段は似ていますし」
「ここまで絞ると好みの問題だからなぁ」
そう言って目を閉じ、音に集中している千早に彼は微笑む。
「ふう、自分では決められそうにないですね。そうだ、プロデューサーが決めて下さい」
「へ、俺が、か?」
戸惑う彼へ千早は候補に残ったヘッドホンを渡す。
「俺なら、これだな。こっちの方がちょっとだけ軽い。つまり首への負担が少ない」
「あ、そう言った観点もありますね。では、こっちにします」
そう言って千早は見本と同じ商品の札を選び、レジへと向かった。
「お待たせしました。プロデューサー、これをどうぞ」
そう言って千早は二つある紙袋の片方を渡した。
「え、これは?」
「私と同じものです。日頃のお礼代わりに」
そう言って千早は頭を下げる。
「今まで酷い言ったり、ご迷惑をおかけしまた。今後もご指導、よろしくお願いします」
「ちょ、ちょっと千早・・・・・・もう、頭を上げてくれ。じゃあ、これ、ありがたく使わせてもらうよ」
そう言って彼は千早の頭に手を置く。
「俺の方こそ、これからもよろしくな、千早」
「はい、ところでお借りしているヘッドホンですが・・・・・・」
「ああ、これからはこれを使うからなぁ」
「よろしければ、私の方で処分しておきますが?」
「じゃあ、悪いけど、お願いするよ。よし、帰ろう」
そう言って、歩き出す彼の後を千早も追いかけた。

「もらっちゃった。ふ、普段聞く分にはこっちの方で問題ないし」
そう言って千早は彼の物だったヘッドホンを耳に付けてみる。すると心が温かくなるのを感じた。
もし、これが他の男が使った物なら千早は使わないだろう。
「なんか近くにプロデューサーがいるみたい」
そう思うと不思議と落ち着き、自然と笑みがこぼれてくる。
「わ、私、どうしちゃったんだろ? で、でも別に悪い事じゃないわよね?」
そう言って千早は自分を納得させようとしたが、自分の気持ちを持てあまし、クッションに顔を伏せる。
千早が自分の気持ちに気付くのには、まだ時間と経験が必要だった。

>>659はこんな感じ? 実家でも週一で自分だけ晩ご飯がコンビニ弁当なのに誇りを感じる


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