【最高の】如月千早26【ステージを!】at GAMECHARA
【最高の】如月千早26【ステージを!】 - 暇つぶし2ch349:SS
08/03/03 22:33:08 Bj1yf74o0
「この会社の仕事は事務所としても初めてですね、プロデューサー」
「ああ、この会社自体が最近出来たからな」
通された会議室で彼は千早に説明しながら、再度書類のチェックをする。
「お待たせしました。今回の担当をする・・・・・・」
「お、お前が担当か」
部屋に入ってきた女性を見るなり彼は頭を抱える。入ってきた女性も天井を見上げた。
「久しぶりね。あなたが如月さんの担当プロデューサー?」
「まあね。お前、この会社の社長だったのか」
名刺を交換しながらお互いの肩書きに一頻り感想を言う。
「プロデューサー、お知り合いですか?」
「ああ、うちの隣人で小学校から高校まで一緒だった」
「まさか東京で再会するとは思わなかったわ」
彼の回答に彼女はため息を付きながら、千早にも名刺を渡す。
「確かに東京に出たとか聞いていたが社長をやっているとは思わなかった」
「ふふ、これでもそれなりに売り上げは好調なのよ」
そう言う彼女から千早は自信と誇りを感じた。
自分も歌に自信と誇りを持っているが・・・・・・それとは違うものを。
「それで今回の仕事だが・・・・・・」
「ええ、では説明するわね」
そう言って仕事モードに入った二人に気付き、千早も慌てて会話に集中する。
「・・・・・・と言う方針でキャンペーンをしようと思っているの」
「予算、日程的にも問題ないかな。千早は何か気付いたことがあるか?」
「いいえ、私の方は特に」
そう答えながら千早は心の中でため息を付く。
彼女から感じた自信と誇りが自分と違う理由に気付いた。
それは心の余裕。
おそらく彼女は仕事だけでなく、プライベートも充実しているだろう。
知識や情報が豊富で話題も幅が広い。それに比べ、自分はどうだ?
歌以外のことに興味を持ったのは最近になって。
それでも彼との会話の中心は歌や仕事が中心。
もし自分が彼なら一緒に仕事をする相手は彼女の方がいいだろう。
「この後、一緒に食事でもする? 確か竜田揚げ、好きだったでしょ?」
「あはは、よく覚えているな。でも、時間がないんだ。今度、よろしくと言うことで。さて、千早、お暇しよう」
「あら、もう帰るの、残念。でも、売れっ子だから仕方がないわね。如月さん、よろしくね」
「あ、はい、こちらこそ。それでは失礼します」
笑顔で頭を下げた彼女に千早も慌てて挨拶し、席を立つ。敵前逃亡の四文字を振り払いながら。
「はぁ、まさか、あいつが社長とは驚きだ」
「綺麗な方でしたね」
「ミスコンで優勝経験あるからな。成績優秀、運動神経抜群、趣味はクラシック音楽を聴くこと。学園のヒロインだったな」
彼の話に千早はため息を付く。何でも出来る人が世の中にはいるものだ。
「この後の仕事は事務所で私と打ち合わせするだけですから、お食事に行かれてもよかったのでは?
 お久しぶりに会ったようですし」
実際にそうなったら、落ち込むと分かっていてもつい千早は余計なことを言ってしまう。
言えば、絶対に自己嫌悪に陥ると分かっているのに。
「まあ、久しぶりだけど、今生の別れじゃないし。食事をして、交友を深め合う間柄でもないしな」
「向こうは仲良くしたそうでしたが? プロデューサーと相性が良さそうでしたよ」
「いくら俺が女性に縁がなくても人妻に手を出すほど、せっぱ詰まっていないぞ」
「あの人、結婚されているのですか!? だって、指輪をしてませんでしたよ」
「人妻が暇潰しにやっている仕事と思われるのが嫌なのが理由らしい。結婚式でそんなことを言っていたよ」
彼の言葉に千早はため息を付く。今までの全ての感情は何だったのだろう?
「最後に千早への伝言を預かったぞ。『女の嫉妬は見苦しいわよ』だって」
「あはは、そうですか」
彼の言葉に千早は頭を抱えたくなる。ばれている、完璧に。
「女の嫉妬って、何のことだろ? そんな話していないよな」
「プ、プロデューサーには関係ありません。さ、早く帰って、打ち合わせをしましょう」
そう言って、千早は彼の背中を押す。
嫉妬は見苦しいかもしれませんけど、本人が気付いてくれないと虚しいだけです、
と彼の鈍感さを強制してくれなかった彼女に愚痴をこぼしながら。

>>273から幼なじみの同級生ネタはもらった。三月なのにコンビニ豚まんが美味しくて困る


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