08/03/06 23:57:18 glF8jpV20
「つきましたよ、小鳥さん」
「送ってもらっちゃって、すいません」
疲れているにも関わらず送ってくれたプロデューサーに小鳥は頭を下げる。
「いいえ、それほど遠回りでもありませんし。
それに助手席に女性が乗っているのは嬉しいですよ」
「もう、お姉さんをからかったら駄目ですよ。
普段は若い子が座っている席に二十チョメチョメが座っていたら、
違和感があるじゃないですか」
「そうですね。
あいつらにはない華と言うか色気があるのでドキドキですね」
「ううぅ、やっぱりからかわれている」
彼の言葉に小鳥は思わずため息を付く。
自分の方が年上なのだがいいようにあしらわれている。
やはり普段から異性と接する機会が多い彼の方が慣れていると言うべきか。
「もう、あまりからかわないで下さいね。
でも、本当に送って下さってありがとうございます。
お茶でも飲んでいきますか?」
「いいえ、さすがにこれより遅くなると俺も大変ですから」
確かに彼の言うとおりだろう。既にシンデレラの帰宅時間は過ぎている。
「お茶は今度ご馳走になりますよ」
「ええ、その時は手料理を振る舞いますよ」
彼にそう言って小鳥はドアを開け、ちょっと考え、悪戯をすることにした。
これくらいの反撃は許されるはずだ。
「プロデューサーさん」
「はい、なにか忘れましたか?」
開いたドアから覗き込んできた彼女に彼は身を乗り出す。
「ちょっとしたプレゼントです」
そう言うと彼女は自分の唇に押しつけた人差し指と中指を
彼の唇に押し当てた。
「今日のお礼です。おやすみなさい」
そう言うと小鳥はドアを閉め、手を振る。
「小鳥さん、もらいすぎですよ」
彼はそう言うと小鳥に手を振り、車を走らせた。
「ちょっと大胆だったけど、いいですよね。今度はゆっくりしていって下さいね」
走っていく車に小鳥はそう呟いた。
なんか思い浮かんだのでコンビニ無しで書いてみた