【ありがとうと】如月千早25【言える日】at GAMECHARA
【ありがとうと】如月千早25【言える日】 - 暇つぶし2ch624:SS
08/02/25 22:29:42 aEhfJvgUO
 『祭りのあと』 その1
─ ・ ─
「小鳥さん。片付け、手伝います」
「いいのよ。今日の主役は千早ちゃんなんだから」
「そうそう、ゆっくりしてなさいって」
律子はそう言って千早を椅子に座らせた。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
今日は千早の誕生パーティー。
事務所総出の大イベントとなった。
「楽しかったな……」
千早はパーティーを思い返す。
春香の作ってくれた特大ケーキ。
その上にある16本のローソクの火を吹き消した時、拍手と歓声が湧き起こる。
「おめでとう!!」
「おめでとうございます」
「おめでとうなの!!」
皆が祝福してしてくれた。
そしてプレゼント。
「ふふっ」
視線を胸元へ移す。
小さく輝くそれをみて千早は微笑んだ。
─ ・ ─
「美希はね、究極の明太子おにぎりなの!」
「私は腕時計よ。千早に似合うと思って」
思い思いのプレゼントを受け取り、千早は実感する。
こんなにに素晴らしい仲間、スタッフに巡り会えた自分は幸せ者なんだと。
最後にPが小さな小箱を差し出した。
「プロデューサー、開けてもいいですか?」
「いいとも」
中には、鳥の翼を意匠化したブローチが入っていた。
水晶とアメジストをあしらった小さな翼。
「プロデューサー、これって……」
「ああ、約束の証だ。」
「約束の証?」
「前に約束したろ? 俺はお前の翼になる、プロデュースをずっと続けるって。だからその証だよ」

千早は胸元の輝きを見つめる。
なんだか幸せな気持ちが溢れてきて、顔がにやけてしまう。
「あらあら、そんなに幸せそうな顔しちゃって。お姉さん、妬けちゃうわー」
「こ、小鳥さん…」
顔を上げると小鳥がクスクスと笑っていた。
「やっぱり一番うれしいのはプロデューサーさんのプレゼントよね。」
「そ、それは…」
まるで胸の中を覗いたかの様な小鳥の言葉。
狼狽える千早に対し、さらに追い打ちをかける。
「プロデューサーさんの言葉、聞きようによっては、プロポーズよね。本人は全く気付いてないみたいだけど…」
そう言って小鳥は千早の顔を覗き込んだ。
千早は限界だった。
「あ、あの…」
「うふふ、なにかしら?」
「その……ちょっと夜風に当たってきます。」
顔を真っ赤にした千早は逃げるように屋上に向かった。


(続く)


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