08/02/24 05:47:57 m03oP7XO0
最近、ふと深夜に目が覚める時が有る
決まって静寂の中に聞こえて来るのは、傍らの彼女の寝息
隣に寝ているのは、日本でも指折りのアイドル
しかも、15の少女な上に自分とは何の血の繋がりも無い他人なのである
苦笑いと共に、随分とんでもない話だな…と、自分でもつくづく思う
初めは確かに、とても躊躇した
幾ら、プロデューサーの俺に全幅の信を置いてると言ってくれても、やはり男女の間
ましてや、俺は彼女の魅力に惹かれてプロデュースし始めたのだ
しかも、薄手のパジャマ一枚を隔てて、その下には直ぐ彼女の美しい裸身が隠されている
そんな娘が、隣で可愛らしい寝息を立てて寝ているのに、果たして俺は抗えるのか？
正直、自信は無かった
下手をすれば、そう遠くない内に一線を越えてしまうのではとも思った
だけど、ある日俺は気が付く
彼女は寂しかったのだ
眠る彼女の目に、涙が浮かんでいるのを俺は見てしまった
寂しそうで、悲しそうなその寝顔と共に
きっと、彼女は得る事が出来なかった何かを求めて居たのだろう
若しも…、若しもだが、それを俺と一緒に居る事で見つけたのだとしたら…？
俺の頬に、一滴の涙が伝う
家族との思い出は、弟との辛い別れ以外には何も無い、苦く悲しい思いのみ
暖かさとは無縁であった、今までの彼女の道
真っ直ぐで、繊細で、それが為に自分で壁を作り、自らを守るしか術が無かった彼女
俺以外に、誰が彼女の心を支える人間がいる？
俺以外に、誰が彼女に暖かさを与えてやれる？
心の底から、愛しいと思った
ここに眠って居るのは、あの華やかな歌姫では無い
長く辛い道を歩んで、やっと何かを見つけ、安息する唯の少女なのだ
この少女を安心させてやれるのは、俺だけなんだ…って
彼女の頬にそっと口付けをすると、俺は再び眠りに付く
心に、一つの思いを抱きながら
俺は、これからも間違い無く彼女のプロデューサーであり続けたい
それは俺の心からの願いで有り、同時に、彼女の心からの願いでも有るのだから