08/02/20 00:23:11 TcsBOQQK0
>>870
見事としか言いようがないです。。。GJですよ。
自分は>>839の4番で!と意気込んでみたものの、こんなんしかできなかったorz
風に揺れる紫の花。
ラベンダーの絨毯の間にたなびく、千早の黒髪。
彼女は、どこか遠くを見たままだ。
音もなく、一雫の涙が、花の海に飲み込まれた。
麦わら帽子が、宙に舞いあがった。
それでも、千早は上の空だ。
空と大地の間には、心を映す花鏡があった。
彼女の視線の先に映るのは、幸せそうな家族。
家族の姿は、千早の指の隙間からこぼれ落ちた幸せ。帰らぬあの日の鏡像。
過去の幸せを見ているにすぎないという事実が、千早の心を締め上げた。
すっと彼女の上の、赤い日差しが遮られた。
千早が見上げた先には、プロデューサーが立っていた。
麦わら帽子が千早の頭に戻される。
プロデューサーは言葉もなく、千早に寄り添った。
預けあった二人の体は、花の間に間に。
安らぎの香りに、優しく包まれ、幾ばくかの穏やかな時間を過ごすのだった。