08/02/08 21:40:01 +0qm9mQOO
『千早とちひゃー』 その2
P「見つかったか?」
千早は首を横に振った
千早「事務所にも連絡してみましたが、まだ…」
P「そうか…よし、もう一度探しに行こう!」
千早「はい、一緒に行っても構いませんか?」
P「そうだな、一人だと見落としてる事があるかもしれない。千早、一緒に来てくれ」
Pは千早の手を握って走り出した
千早「あっ…」
千早の頬が真っ赤に染まるのを、Pが気付く事はなかった…
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歩く、歩く、歩く…
それでもちひゃーは見つからない
二人は事務所から離れた住宅地まで捜索範囲を広げていた
千早「どこに行っちゃったんでしょう?」
P「うーん、ホントにどこに行ったんだ?
おーい!!ちひゃー!!どこにいるんだー!?」
返事はない。日の落ち始めた空にPの声が虚しく響く
P「…って、こんなんで見つかったら苦労しないよな…」
千早「…」
P「千早?」
千早「静かに…、……聞こえます…
聞こえます、あの子の声が!!」
千早の耳を頼りに歩くと、一件の家の前にたどり着いた
「くっ♪くっ♪」
「はいはい、次はお手玉ね。」
「くっ♪」
声はその家の縁側から聞こえてきた
P・千早「ちひゃー!」ちひゃ「くっ?」
そのおばあさんは迷子になっていたちひゃーの面倒を見てくれていた
二人はそのおばあさんに何度もお礼を言うと、事務所に向けて歩き出した。
ちひゃーは遊び疲れたのか、Pの背中で寝息を立てていた。
Pと千早は一言も口を開かなかった、いや話すことが出来なかったのだ。
それは、帰り際のおばあさんの言葉が、あまりにも衝撃的だったから
「お父さんとお母さんが迎えにきてくれてよかったね」
「見た目はお母さん、優しいところはお父さんにそっくりね」
二人の顔は夕日に染まったかの様に赤かった。