08/02/08 12:08:07 +0qm9mQOO
『ずるい人』 その２
女の子Ａ「サイン、ありがとうございましたー」
女の子Ｂ「あの、これからも応援してますから！」
二人は名残惜しげに去っていった。
千早「随分楽しそうにお話してましたね？」
それまでの営業スマイルを消し去り、
不機嫌そうな表情で千早はＰに問いかけた
Ｐ「えっ？」
千早「ああいう子が好みなんですか？」
Ｐ「ち、違うよ…ファンは大事にしなくちゃいけないし…」
千早「そうでしょうか？ その割には、全身を舐め回す様に見てたじゃないですか」
Ｐ「それは765プロに入りたいって言うから…
って千早、一体いつから見てた…？」
千早「やっぱり、プロデューサーは胸の大きい人が好きなんですね…」
Ｐ「そんな事ないよ！」千早「事務所ではあずささんや美希の方ばっかり見てるし、
この前の収録の時は、一緒になったグラビアアイドルばっかり見てるし、
その前も、またその前も、あの時だってそう」
Ｐ「…」
千早「芸能人水泳大会の時なんか、恥ずかしいの我慢して出演したのに
ちっともこっちを見てくれないじゃないですか。
プロデューサーの為に水着になったんだから、少しはこっちを見てくれたって…」
Ｐ「…」
千早「ちょっとプロデューサー、聞いてるんですか!?」
Ｐ「聞いてるよ」
Ｐは幸せそうに千早を見つめていた。
それを見た千早は自然と声が小さくなる。
千早「なんでそんな嬉しそうに…」
Ｐ「だって、それだけ千早が俺の事見ててくれたって事だろ？
それがうれしくて…」
千早「あ…」
千早の顔が見る間に赤く染まってゆく
Ｐ「ありがとうな、千早 それとイヤな思いさせてゴメン
他の女の子を見ていたのは、ライバルになりそうな子がいないか、
調べてただけなんだ、これだけは信じてくれ」
千早「…」
Ｐ「千早？」
千早「………い…」
Ｐ「えっ？」
千早「プロデューサーはずるいです…」
Ｐ「な、なんで？」
千早(あんな表情されちゃったら、あんな事いわれたら、
もう怒れないじゃない…)
(ほんとに…ずるい人…)
千早「楽屋にもどって着替えますから、
プロデューサーはここで待ってて下さい」Ｐ「あ、ああ、分かったよ」
つい緩んでしまう頬を押さえながら歩く千早
一つの事に考えが及ぶ
千早(私、一生あの笑顔で誤魔化されちゃうのかしら？)