【貴方が開く】如月千早22【心の扉】at GAMECHARA
【貴方が開く】如月千早22【心の扉】 - 暇つぶし2ch851:SS
08/01/28 22:32:25 wuUbRJBi0
>>813から勝手に考えてみた

「おはようございます・・・・・・誰もいない」
事務所に入った千早を出迎えたのは静寂。
ホワイトボードを見ると小鳥は法務局、プロデューサーは会議室で打ち合わせ。
「他の方も外出中、不用心ですね」
千早はそう言ってロッカーに荷物を置き、とりあえずプロデューサーの椅子に腰掛ける。
机の上に投げ出された背広、飲みかけで置かれたマグカップ、走り書きで書かれたメモ。
どれもが彼の多忙さを表している。
「新しい仕事が入ったみたいね」
最初は暗号と象形文字のように見えた彼の走り書きのメモも今は解読可能。
メモには来客の予定が書かれている。おそらくは今会っているのがその相手だろう。
「ふう、ちゃんとハンガーに掛けておかないと変な癖が付くと何度も言っているのに」
彼の背広を手に取り、愛用のエチケットブラシで埃をとっておく。
本来は自分用に持っているブラシだが最近は彼の服を手入れするのに使われている。
「こんなものかな? ほつれもないし、ボタンも大丈夫。調味料の染みもない。
 ポケットの中は・・・・・もう、あれほどポケットにレシートを溜め込まないように言ったのに」
そう言いつつポケットからレシートを取り出し、机の上に広げ、内容をチェックする。
「買ったのはガムと缶珈琲かぁ。ん、この雑誌は・・・・・・あ、今日はアイマスウォーカーの発売日ね。
 値段的のも間違いなしね。それに・・・・・・あ、また唐揚げ串を買ってる。揚げ物は控えて下さいと言っているのに」
とりあえず一部納得できないものの不審な物はないことに安堵する。
「って、何やっているのかしら、私」
経費ではないレシートをゴミ箱に捨てながら千早は苦笑する。
「ともかくプロデューサーはしばらく席を外しているみたいね」
鞄から教科書とノートを取り出し、数学の課題に取りかかる。
学校の成績が悪化し、親にアイドル活動について口出されるのは避けたい。
ようやく掴んだ自分の居場所、予習復習で親からの口出しを避けられるなら、お安い物だ。
「あ、思ったより少なかった」
千早の学力が高かったせいか課題自体は二〇分ほどで終わった。
「プロデューサーは・・・・・・まだ打ち合わせ中ね。何をして過ごそうかしら」
そう考えたところで彼の背広が目に入る。
「やっぱり大きいわね」
彼の背広を手に取り、自分の体に当ててみて苦笑する。
「あ、この香り」
背広に付いた残り香に千早は気付いた。いつも間近にあった香りに千早は目を瞑る。
「プロデューサー」
そう呟いてみる。一番身近で・・・・・・ある意味、一番遠い人物。自分の想いに千早は気付いていた。
そして、同時に思う。もし、この想いが叶わなければ・・・・・・おそらく次はない。
「プロデューサー、私に翼と勇気を下さい」
そう呟いて千早は背広を抱きしめた。

「あら、千早ちゃん」
「あ、音無さん」
背中からかけられた声に、千早は慌てて背広を机に戻す。
しかし、萌えを見逃す小鳥ではない。萌えを探し出す能力は猛禽類にも勝る。
「千早ちゃ~ん、切ない表情でプロデューサーさんの背広を抱きしめて、何を考えていたのかな?」
「いえ、別に、クリーニングに出す必要があるか確かめていただけです。
 前にクリーニングに出したのが一ヶ月前でしたから」
千早なりに咄嗟の回答として、上出来だと思ったのだが・・・・・・
「へぇ、千早ちゃん、プロデューサーさんの背広の管理までしているんだ。さすが新妻よね♪」
「くっ、不覚」
自分の失敗を悟り、千早は項垂れる。
「千早ちゃん、萌え萌えね。あ、そうだ、千早ちゃん、いいこと思いついたんだけど」
「私にとっては絶対にいいことではないと思います」
満面の笑みを浮かべる小鳥に千早は警戒レベルを最大にする。
「今度、写真集を出さない? 私の秘蔵の写真を提供するから」
「遠慮しておきます。出来れば、秘蔵の写真も処分して下さい」
そう答え、千早椅子に座り、自分は重度のプロデューサー中毒なんだとため息を付いた。

コンビニの揚げ物の美味しさを千早にも教えてあげたい


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