08/01/27 13:02:35 dSwwdi84O
ランクアップs
｢はあ……｣
おもわずため息が漏れてしまう
私如月千早は765プロに所属するアイドルで
つい先日Ｓランクに到達した自分で言うのもなんだがトップアイドルだ
そんな私が今見ているのは海外のアイドルたちがポーズを決めている写真集
それというのも数日前
プロデューサーが
｢こういうのも参考になるだろうから暇な時にでも読んでくれ｣
と言って私に渡した何冊かの写真集を渡したからだ
海外のアイドルは日本ではあまり見られないような刺激的なポーズをとっていたり
なかなか参考になることも多かったのだけれどそれよりも気になったのは
｢くっ……｣
胸が大きいのだ
さっき言ったような刺激的なポーズもあの胸があるから刺激的なのであって
自分がやってもなんの魅力も出ないだろうということがわかってしまうのが悲しい
そもそも私は胸が小さい
他の日本のアイドルと比べてもダントツに小さいだろう
しかしその他の日本のアイドルでさえ今見ている海外のアイドルに比べるとまだ小さいのだ
そうなると私と海外のアイドルの間には埋めようもない差が出てしまう
Ｓランクになり真剣に海外に活動の拠点を移そうと考えている私にはそれが大きな問題に思えてならない
そんなことを考えながらふと時計を見るともう9時になろうかという時間だ
そろそろプロデューサーが出社してくると思い写真集を鞄に入れプロデューサーが来るのを待つ
少し待っているとプロデューサーが出社してきた
｢おはよう千早｣
｢……おはようございますプロデューサー｣
写真集のことで少し落ち込んでいる私の挨拶は無意識のうちに暗いものになってしまっていた
｢どうした千早？疲れてるのか？｣
どうやらプロデューサーに心配させてしまったようだ
｢別に……そういうわけでは……｣
｢無理するなって、よし午前中はミーティングのつもりだったしちょっとマッサージしてやるよ｣
｢いや、だから別に疲れてるわけでは……｣
｢いいからいいから、遠慮するなって、担当アイドルの体調管理もプロデューサーの仕事だからな｣
押し切られてしまった
促されるままにソファに寝かされマッサージされる
｢千早だいぶこってるな、やっぱり疲れてるんじゃないか？｣
｢そうかもしれませんね｣
自分でも気付かないうちに疲れが溜まっていたのかもしれない
｢疲れで倒れたりしたら一大事だからな、無理せずに疲れたら疲れたって言えよ｣
｢はい｣
やっぱりプロデューサーは優しい
そういえばアイドルになりたての頃はプロデューサーに触れられるのも嫌だったはずなのに
今では心地よくさえ感じるのは私が変わったからだろうか