08/01/26 23:02:27 ZVuf3FHF0
■ある日の風景6.11
うん、ステップはもう大丈夫ね。あれだけ動けるようになれば、ダンスに呼吸を
とられても、歌に向ける息を十分に残せる。武道館は音の響きが今までのステージ
とは違ったし、もっと鍛えなければ、そんなことを考えながらOAフロアに入る。
いきなり目に入ったのは、音無さんに腕をとられたプロデューサーだった。
足元には雑多な書類が散らばっている。尋常じゃない雰囲気だけど。
「私に言えないって言うんですか、酷い―」
小鳥さんのトーンの低い難詰の声が届く。
私は近づいていく。自分の足音がいやによく聞こえる。
「男っていつも、都合が悪くなると誤魔化して―」
どきりと、胸がなる。内容がおかしい。プロデューサーが私に気づいた。
違う、違いますよね、プロデューサー?
「違うっていうのなら証明してください、でないと私―」
プロデューサー? 小鳥さんに、一体なにをしたんですか?
何か、誤解があるのですよね? まずは話を聞きます。昔の私ではありません。
小鳥さんも私に気づいた。その視線が彼からはずれて私に向く。プロデューサーが
私を見る、その目が何かを訴えていた。そう、この目を私は知っている。
(くるな、話がややこしくなる)、そう言っている。
彼がそう言っているのが解る。でも、その様子では看過できません。断じて。
「プロデューサー、戻りました。一体何の騒ぎですか、これは?」
「千早・・・お疲れ様。あー、その、なんだ」
プロデューサーの顔が、(やっちまった)の模様になる。
(だめだったか)も混じっている。その後の顔も、私は知っていた。
そう、(出来得る限り、とぼけろ)・・・ま、さか。
「千早ちゃん、お疲れ様。『ひみつの遊び』って何のことかしら」
・・・くっ!
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アクセルを踏む前にやはり待つべきだったw
これじゃあ風景6のメールを知ってる人にしか通じないぞ俺!