【貴方が開く】如月千早22【心の扉】at GAMECHARA
【貴方が開く】如月千早22【心の扉】 - 暇つぶし2ch376:SS
08/01/22 02:51:45 ewGouQrL0
おまいらの、なんかティンときた

「初雪か…」
事務所の窓からパラパラと、街頭に反射する白い雪が降る。
外は寒そうだなと、そう思いながら残り少ない仕事を終わらせた。
事務所の階段を降りながら、
「さむっ…」
白い息を吐く。
階段を降り、事務所のビルから出ると一層寒さに震えた。
帰るかと、横を向く。そこには長い髪に雪を受け、手を顔の前で合わせて
息をかけている千早がビルに寄りかかっていた。
「千早っ?!一体どうしたんだ!?」
「あ、プロデューサーお疲れ様です」
「そんなことはいい!どうした?何かあったのか?!」
「いえ、その…プロデューサーを待ってました」
俺の声に怯えたのか、少し切ない表情を隠すように俯く。落ち着け俺。
「あ…ど、怒鳴って悪い…待ってたって、結構時間あったぞ?」
よく見ると、少し体を震わせていた。髪の毛にかかる雪を掃ってから思わず、
「あ…」
「ホラ…身体震えてるじゃないか…寒かっただろ…」
大き目のコートで小さな身体を包んだ。始めは驚いてた千早は、次第に身体を
俺に預ける。
「どうして、待ってたんだ?」
優しく問いかける。埋めていた顔を俺に見上げるように向けて、こう言った。
「プロデューサーと一緒に居たかったからです」
その表情は、何か悲しい思いをしているようだったから俺は、
「手、繋ごうか。まだ冷たいだろ?そうだ、今日は鍋にしよう」
「はい…」
「鍋、一緒に作ろうな?コタツもあるからあったまるぞ」
「はい…」
「温かくして、一緒に寝ような」
「はい…」
「さ、帰ろう…」
「はい…」
手を繋いで歩き出した。
どうやったら、こんな小さな身体で悲しみを受け止められるのだろうか…
「千早」
「何ですか、プロデューサー?」
「今日はどんなわがままでも、お願いでも聞いてやる」
「もう、聞いてもらってます…」
千早が泣くと、俺は心臓に刃物を刺された気分になる。
千早が悲しいと、俺は胸が苦しくなる。
これは決して、恋じゃないけれど大切にしていきたいと思う。
千早が幸せになるその時まで―

千早と一緒にベッドに入ってから、千早が少し頬を染めて、
「まだ、お願いは有効ですか?」
甘ったるい声でそう言う。
「ん…いいよ」
「プロデューサーは眠っています、何をされても起きません。
もちろん眠っているので、話も聞いてません」
「………」
俺はゆっくりと目を閉じた。
すると動く音がした後、小さい手で顔を触られたと思ったら唇に
やわらかい物が触れる。
俺は眠っている。それが千早のお願いだから。
もう一度触れた後、この距離でしか聞こえないぐらい小さな声で、
「好きです…プロデューサー」
きゅっと抱きつかれそのまま眠る千早。
俺は千早の幸せを願いながら眠りに付いた。


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