08/01/21 06:17:01 LPJy8gYI0
■アフター５・自宅（ランクＳ）
２６階建ての高層マンション……会社の社長やお金持ち、芸能人などが住むこのビルは、
一件の間取りも広いが浴室も広く、大人二人が軽く入れてしまうほどのバスタブは見ていて圧巻だ。
勿論かかる水道代も２倍なのだが、ここはもはやそんな事を気にする人間が住む場所ではない。
それでもこの部屋の主である彼女、如月千早（正確には彼女の母親が契約上の主だが）は、いつもこの広い浴室を持て余していた。
勢い良く出るお湯の飛沫が、千早のスマートな身体を伝い、落ちてゆく。
日本女性の見本の如く美しい黒髪は、濡れたことで艶を増し白い肌とのコントラストを強調する。
ただシャワーを浴びるだけでも、そこで動く肢体は芸術品にもなりうるだろう。
泡と一緒に、汗と汚れと疲れまでもが落ちてゆくような錯覚に、千早はある種の安堵感を覚える。
爪先までを綺麗に洗い終えた千早は、シャワーを止めてその広くて浅い浴槽に身体を沈めていった。
「ふぅ……熱っ……でも、気持ちいい……」
実家の風呂とは違い、あまりに広いその浴槽は、千早が身体を広げても全然余裕がある。
頭だけを淵に乗せて、ぷかりと浮く事だって簡単だ。
そういえば、亜美真美が遊びに来た時は本気で泳ごうとしていた記憶が蘇る。
「あの時は、賑やか過ぎて焦ったなぁ……それでも広々と入れたけど」
改めて見回すと、一人で入るにはどう考えても広すぎる。脱衣場無しで六畳というスペースは、
一般レベルの常識を超えており、無性に寂しさを煽られるような気がした。
「あずささんや美希が来てくれたときは、楽しかったな……萩原さんや水瀬さんは広いお風呂に
慣れてるみたいで、落ち着いてたし……春香や高槻さんは、終始はしゃいでたわね。
律子や真は……ふふっ♪落ち着いているようで実はすごくキョロキョロしてた」
広い浴室に、765プロのアイドル達がいる様子を思い浮かべると、寂しさは感じなくなった。
「あとは……音無さんはどうなのかな？泊まりに来てくれた事はあるけど、一緒にお風呂には
入ってないのよね………………くっ、何だかあまり良くない事になりそう……申し訳ないけど。
あとは、やっぱり………うん、プロデューサーの身長がこれくらいで、身体は思ったより大きいから、
こんな感じで、わたしが入ると空きスペースが……うん、充分２人入れる…………え！？
や、やだっ！？わたしったら今、とんでもない事を……」
どこかの事務員ではあるまいし、と妄想から自分を引き戻し、気がつけば随分長いことお湯に浸かっていた。
充分に暖まった千早は、風呂を出て身体を拭き、冷蔵庫に常備してある牛乳を飲みながら、彼のリアクションを考えてみる。
『ぶはぁ……すっげぇ気持ちいい……千早の家の風呂は凄いなぁ』
一緒に入ったことなど勿論無いが、彼がこの風呂に入っている様子が、千早にははっきりと想像できた。
そう言えば、今日も彼の帰りは遅くなるし、ここに仕事を持ち込んで泊まっていく可能性が高い。
「あ……そうだ。今日は765プロの誰も来る予定が無いし……プロデューサーのシャンプー、出しておかなきゃ」
彼のシャンプーをいつも置いておけるようになれば、一人で風呂に入る寂しさもきっと紛れる……
そんな事を考え、テンションが上がる千早であった。
※入浴する千早に萌えるヤツは、このスレの住人だ！
この後酔った小鳥さんが『千早ちゃぁん♪今日泊めて～』と来るところまで妄想できたのは、よく訓練された住人だ！