【今夜私は】如月千早21【あなたのものよ】at GAMECHARA
【今夜私は】如月千早21【あなたのものよ】 - 暇つぶし2ch840:SS
08/01/13 23:09:59 joE2iKK40
「プロデューサー。そこに座ってくらしゃい」
「はい」
俺の目の前には真っ赤な顔をした千早がいた。
もっとも、彼女の赤面は羞恥や怒りに因るものではない。
原因は酒。とは言っても飲酒ではない。
洋菓子に使われていたブランデーで千早は見事なまでに酔っぱらってしまっていた。
とりあえず、確認もせずにこんな危険物を差し入れとして購入してきた同僚には後でお説教しておこうと思います。
「プロデューサーにお聞きしたいことがありましゅ」
「なんでしょう?」
酔っぱらいには逆らうだけ無駄。諦観の念を抱きながら、俺は素直に千早に応える。
「正直に答えてくらさいね」
「分かりました」
先程からなぜか敬語の俺。どうしてこんなにも低姿勢なんだろうか。
そんな益体も無いことを考えつつ俺は千早からの質問を待った。
「プロデューサー。プロデューサーは……私のこと愛してましゅか?」
「……」
俺は思わず言葉を詰まらせてしまう。
「愛している」多くの同僚たちの前で口にするには余りにも恥ずかしいセリフだった。
なんとなくだが「好き」よりも重みがある気がする。ワンランク上に思えるのだ。
そのような言葉を人前で堂々と発せられるほど俺は大胆ではなかった。
けれど、そんな機微を酔っぱらいが察してくれるわけがない。
「……答えてくれないんれしゅね。プロデューサー、ホントは私のこと嫌いなんれしゅね」
両目にいっぱいの涙を浮かべると、千早はクスンと鼻をすすり上げた。
千早の思考が極端になっている気がするが、酔っぱらいに理屈なんて通用しない。
とにもかくにも、千早の涙がとことん苦手な俺は慌てて言葉を紡いだ。
「嫌いなわけないじゃないか」
俺は千早の頬に手を添えると、彼女の瞳を見つめてハッキリと口にした。
「愛してるよ、千早」
「プロデューサー」
泣いたカラスがなんとやら。千早が輝かんばかりの笑顔を向けてきた。
可愛い。やっぱり千早はとんでもなく可愛い。
バカップルと呼ぶなら呼んでくれ。
後で恥ずかしさのあまり身悶えしたくなるかもしれないが、
今だけは開き直って俺の千早の愛らしさを堪能しようと心に決めた。
「大好きれす、プロデューサー。愛してましゅ」

この時の件についてのスタッフAさんの供述
「建物中にピンク色のオーラが充満したんだぜ。独り身には辛すぎたよ」

余談だが、どうやら酔っぱらったのは千早だけではなかったらしく、至る所で
「うるさいわね。あんたは伊織ちゃんに「好き」って言っときゃいいのよ」とか
「ミキ、プロデューサーさんのことがだーいすきなの」などといった発言が飛び交っていたとのこと。
この騒動の後、765プロのスタッフ一同がアルコールに関して細心の注意を払うようになったのは言うまでもない。


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