07/12/30 20:22:28 hrqev0VH0
聖誕祭の時の出しそびれでも良いかい?…足しにならなかったら( ´・ω・`)スマソ
「雪歩。誕生日おめでとう。皆、お前の帰りをずっと待ってたんだぞ」
「うん。ありがとうお父さん。……私、ちょっとお部屋に行ってるね」
(…今頃みんなは事務所でパーティーやってるのかな…
お迎えを寄越してくれたお父さんの気持ちも嬉しいけど、
プロデューサーにクリスマスプレゼント渡したかったな…)
「……ああ、雪歩。先程怪しい輩が屋敷の周りをうろついてたそうだ。
一応事無きを得たらしいが、くれぐれも外に出たり、離れの小屋に近づいてはならんぞ」
***
「…うう…暗いよう…こんなことなら社長の言うこと聞いて大人しくしてれば良かった…」
「……誰かいますか?」
「―!―お、俺は別に泥棒なんかじゃありません!
屋敷の前で立ち止まっていたら、不審者扱いされて連れ込まれただけなんです!」
「…え?」
「コートのポケットを探ってたのは、プレゼントをどっかで落としたからなんです。
車から降りてきた道を戻って探していたら、
クリスマスの騒ぎに乗じた侵入者と思われたみたいで」
「……」
「俺をここから出してください。俺のことを知ってる子がこの屋敷にいます。
その子はきっと話を聞いてくれると思います。……たぶん」
「多分、ですか? どうして?」
「……プレゼントが手元にない以上、
俺がこの屋敷に来る理由を証明するものは無くなってしまったから」
―ガチャ
「ゆ、雪歩…!」
「行きましょう」
「え? あっ、一緒にお父さんに弁解しに行ってくれるのか?」
「いいえ。私はただ、煙突が見つからなくて捕まったサンタさんを連れ出したいだけです」
「……じゃあ何処へ?」
「もう少ししたら、私が居なくなったこともバレてしまうと思うけど。
でも、プロデューサーって知ってて教えてくれなかったお父さんも悪いからいいんです。
だから連れていってください。―綺麗なツリーと、ケーキと、皆が待ってるあの場所まで」
***
「雪歩はどうした?」
「…それが…部屋が空っぽで…」
「何だと!?……あっ、まさか! お前たち、急いで離れの小屋へ向かえ!」
屋敷の庭を走り抜けて、追っ手の声に耳をふさいで、先を走るPが伸ばす手を掴んで
伸ばされたPの腕には、来る時には無かった、キラキラした時計が填められていました
―先程までコートが置かれていた助手席の上で、プレゼントは貰い手を静かに待っていました