08/01/11 23:07:17 ih0PlsK60
美希の頬にそっと手を伸ばす。
手のひらにふんわりと伝わる美希の温もり。
もう片方の手で髪を撫でる。
ところどころ跳ねがちのくせ毛……でも、とても柔らかい。
こちらをじっと見ている大きな瞳。
目があって、そのまま見詰め合う。
一瞬の思考の空白。
「…大好き」
美希はそういって、微笑んだ。
まるで邪気の無い、目の前にいる人間を信頼仕切った無防備な笑顔。
純真無垢な子供そのものだった。
まいった。
俺の中で膨らみかけていた衝動は、あっという間にどこかへ消え去ってしまう。
結局、そうなんだよな。
俺たちにはまだまだ時間が必要なのだ。
カンケイは、一歩ずつ少しずつ、深めていけばいい。ふたりで。
期待いっぱいの様子でまぶたを閉じた美希。
俺は苦笑しつつ、その額にそっとキスをした。