08/01/07 19:07:34 pf+aQVIy0
>>264
「あずささん、福袋買ったんですか?」
あずささんの部屋の片隅に置いてある紅白の袋が気になって彼女に尋ねてみた。
「ええ、こういうの好きで、つい…でもまだ開けてないんです」
「ああ、買ったら満足しちゃうって言うやつですかね?せっかくだから出してみましょうよ」
福袋に詰め合わされた中身を出してみると、秋物の処分品である事が窺い知れた。
「このジャケットとブラウスの一式はなかなか素敵ですね~」
「あずささんに似合うと思いますよ?よかったら今試着してみるとか」
「ふふっ、そうしてみます~♪」
何気なく言ったつもりだが、彼女はすっかり乗り気で隣の部屋に着替えに行ってしまった。
新年からあずささんのファッションショーを見られるなんて眼福ものだな。
「あ、あの~…ちょっと合ってないかもしれません~」
そう言いながら猫背気味にあずささんが戻ってきた。
色もデザインも彼女にあったものだと思うが、何がいけないのだろうか。
「そんな事無いはずです、背筋伸ばしてくれないと分かりませんよ」
「は、はい~」
胸を張った彼女を見て言葉の意味を理解した。裾丈は合っているのだが、胸元のサイズが合っていないのだ。
ジャケットサイズも合わなかったのか、内側に収まるはずの胸に押し退けられてしまっている。
左右に引っ張られるブラウスの胸元のボタンが悲鳴を上げている気がした。
「や、やっぱり合っていないです!着替えてきますねっ!」
俺からの視線を逃れるようにあずささんが身を捻ろうとした瞬間、
ブツン!と言う音と共に胸のボタンが弾け飛んだ。
一瞬だけ白い肌が見えた気がしたが、ボタンの目潰しが早かったのか、よく見えないまま俺は崩れ落ちた。
禍福はあざなえる縄の如し。
[HAPPY COMMUNICATION]