08/01/29 18:42:09 FfcCSQxF0
札幌でライブの準備のため先乗りしてたら夜中、ホテルに凸ちゃんから電話。
「どうしたんだこんな時間に。睡眠不足はお肌の大敵だぞ」
「うるわいわね、あんたがいないもんだから気になっ―よく眠れるから大丈夫なのよ。そっちの首尾はどう?」
「順調だよ。きみが来る頃には最高のステージと満杯のファンを用意できる」
「そんならいいのよ。今なにしてたの?」
「明日は会場のえらいさんと会議なんだ。資料のデータを更新してたのさ」
「一杯やりながら?」
「と言いたいところだが今日はアルコールなし。寒いんでコンビニ行ってジンジャーオレンジティー作ったよ」
「なにそれ。紅茶?」
「ホットオレンジジュースとストレートの紅茶を半々。ショウガのすりおろし汁をティースプーンに1杯。あったまるよ」
「ふうん。ちょっと待っててよ」
「……って5分も電話口に待たせないでくれ」
「いいじゃない、私も作ってきたわ、それ。……こんなの飲んでるの。面白い味」
「ブランデーをたっぷり入れて飲むと暖房なしでも眠れるよ」
「これにお酒入れるの?」
「いや、別のグラスにブランデーをたっぷり入れてストレートで飲むんだよ」
「またふざけて!」
「ごめんごめん。なんか伊織が元気なさそうだったから」
「なっ、なに言ってるのよ元気一杯に決まってるじゃないだいたいあんたがいないだけでこっちは気が楽になるのよ毎日仕事が一杯であんたのことなんか1秒たりとも考えてるヒマないしケータイの待ちうけだってあんたの写真なんか使ってないしっっ」
「伊織伊織」
「なによっ!」
「これ携帯電話だな。きみの家には北東向きの窓があるかい?」
「へ?……えと、東側のゲストルームにテラスがあるから」
「そこへ回れるかい?」
「……来たわよ、こっち暖房入れてなかったから寒いのよね。なによ一体」
「いやね、このホテルの部屋、南西向きなんだよ」
「それが?」
「東京と北海道で、これでお互い向かい合って話してるってことになるな」
「あ」
「いま手を振ってるんだけど……見えない?」
「……」
「伊織?あれ、どうした?」
「い、いまちょっと目を凝らしてたのよ。ホントね、馬鹿ヅラしてぶんぶん手を振り回してるわね」
「ちょっと鼻声になってないか?」
「……寒いって言ってるじゃない」
「そうだった、ごめんごめん」
「ねえ。私が何してるか見える?」
「うーん……あかんべえ」
「どうしっ―は、ハズレよっ!」
「自信あったんだけどな。さっきの紅茶、持ってきてるか?乾杯しとこうぜ、ライブの成功を願って」
「気が早いわね。ま、この伊織ちゃんが失敗するわけなんかないけど」
「じゃあ『願って』じゃなく『祝って』にしよう。ちょっと前倒しだけどな」
「はいはい、乾杯」
「あとで会場の画像をメールするよ。イメージしやすいだろう」
「ん、わかったわ……あの」
「うん?」
「……なんでもないわよ。おやすみ」
「おやすみ、伊織」
んであとは日中用意しておいた『札幌でこ祭』という架空のイベント写真を送信、送信完了したかと思うとけたたましく鳴り始めた携帯電話は冷蔵庫にシュートして就寝。来札時にはすばらしいキックが期待できそうだ。
>>459
すんません実は毎日のように覗きに来てます。ただいま絶賛充電中。おもにレシピ。
ま、文章書く変態紳士も増えたしのんびりやらせていただきます。