【ふれ~!ふれ~!】音無小鳥スレッド5【えぶりでい!!】at GAMECHARA
【ふれ~!ふれ~!】音無小鳥スレッド5【えぶりでい!!】 - 暇つぶし2ch712:SS
08/01/26 10:07:24 ZWQ4MNQF0
私の住むマンションのお隣さんは年下で、しっかりしていて、好青年。
そして、765プロの新人プロデューサーだった。
事務員なので私は少し先に出社するが、稀に一緒になったりする。
その一緒の僅かな時が、私の幸せな時間だった。彼が引っ越してきて、
もうすぐ1年が経過する頃、隣の部屋が少し騒がしくなる。
「もしかして、引越しするとか?」
でも、そういう類の話はまったく聞いていない。もし、そうだとしたら
私の幸せの時間も終わってしまうのだろうか。少しイヤだった。
暫くして、インターホンが鳴る。
彼だった。
「すみません。うるさくなかったですか?」
「いえ、大丈夫です。引越しでもするんですか?」
「えっと、話しにくい事情なんですが―」
どうやら、トップアイドル目前の千早ちゃんを暫く預かるらしい。
事務員の私と、個人の私の意見が一致した。
「あまり、お勧めできませんね」
「そうですよね。でも、彼女の為に出来る事はやってあげたいんです!」
良くも悪くも、彼は優しい。そして、全身全霊に。
稀に切なくなったりするけれど、私は彼の事のそういう部分が好き。
私の何倍もの時間を共にする千早ちゃんに嫉妬するのはおかしいけれど、
そうしないと私は、このまま事務員を維持できなくなってしまう。
「…私も、お手伝いします。今、千早ちゃんは大事な時期です。いつ、
 何が起こるかわかりませんから」
「ありがとうございます…」
頭を下げる彼に、私は笑顔を向けた。
彼と千早ちゃんの同棲が始まる。
切ない日々が始まった。
事務所で見る二人の姿や、彼に恋をしている千早ちゃんの表情を
見る度に胸が苦しくなって泣いてしまう。
好きと叫んでも、届かないかもしれない。
一緒に居ても、気づかないかもしれない。
そんな事を考えながら、彼にお茶を作った。これは私の数少ない、彼との
触れる時間の一つ。
出来上がったお茶を、彼の元へ。
その時―
「どうぞ。ホットココアです」
「ありがとう。こんなことしなくてもいいのに」
「いえ、ついでです」
ゴト―
「あ…」
お茶を零してしまう。事務所の床に広がるお茶。
拭かないと、そう思いながら屈んだ時にまた床に零れた。
涙が―
「はは…と、とられちゃったぁ…」
そして小さな声が、嘆きが、零れる。
中々水気の取れない床を拭き終えて、冷たい水で顔を洗った。

「私は、765プロの事務員。プロデューサーさんは765プロのプロデューサー
 千早ちゃんは、765プロのアイドル」

鏡に向かってそう言い聞かせて事務所に戻る。
「千早ちゃん♪ファンレター、一杯届いたわよぉ。この前のライブで、更に増えたから
 覚悟してね♪」
「…はい!」
喜んでいた、幸せそうだった。二人とも。
私は、そうなれる日が来るのかな――

反応が良かったら続き書くよ
自分で書いてるのに泣きそうになったのはなんでだ?
それにしても緑茶×煎餅がうまいぜ…


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