07/12/24 21:08:48 oLKKAyPr0
「千早ちゃん、遅いわねえ……道にでも迷っているのかしらー。」
今日は事務所でパーティーをやることになっている、が、千早だけ未だに来ていない。
「千早お姉ちゃんだったら、今日なんかクリスマス用のお菓子買ってるの見たよ?」
「あ、ミキもね、千早さんがお花買ってるところ見たよ?」
「本当に?彼氏でもできたのかしら、あの子。」
「私……ちょっと千早ちゃんに電話してみます。」
「やめとけ。」
「プ、プロデューサーさん、だって……」
「来るさ、必ず。」
夕暮れの墓地に、澄んだ歌声が響き渡る。
墓地と言う場所にはおおよそ似合わない、子供向けのクリスマスソングの数々。
やがて歌が止むと、墓地から人の気配は完全に消えた。
ささやかな花と、長靴に入ったお菓子だけを残して。