【もっとあなたを】如月千早 20【好きになる】at GAMECHARA
【もっとあなたを】如月千早 20【好きになる】 - 暇つぶし2ch289:SS
07/12/18 23:48:17 q+sL6+Sa0
「そうですね……あ、すみません。コハダお願いします」
「そういえば新子の季節だよな……すみません、俺もコハダ」

季節の仕事に季節の歌。寿司のネタだって旬がある。
大事なのは、ファンの人たちの笑顔であり、満足。
提供するものは違うけど、真心を込めると言う意味では同じだ。
この店は、回る寿司屋では出来ないレベルの仕事をしている。
「また一つ、決意が沸きましたね……プロデューサー」
「ああ、年越しライブのプラン、もう少し練り直そう。場合によってはもう一曲……」
「もちろんです!目標としては、横の音無さんくらいの満足感を味わって貰いましょう!!」

そう言われて横を見ると、人肌のイクラと特製の玉子を食べて、恍惚とした表情の小鳥さんがいた。
まるでその幸せっぷりは、たくさんのごはんを食べるやよいにも負けないほどだ。

「うにゃぁ……世の中こんなに美味しいものがあるんだぁ……」
「そうですよ音無さん。そして、世の中にはもっと素晴らしい歌がある……その領域を目指すのが私の使命」
そして、それを手伝うのは、俺の指名ってところだな。
俺を含めて全員のバックアップをしてくれる小鳥さんだって、楽しそうに仕事してるが
命懸けであることに変わりはない。
俺と千早がかなり親密な関係になっても、小鳥さんを含めて皆との関係が壊れないのは、
俺達全員が貧乏事務所の時代から、何度も死線を潜り抜けてきた【戦友】だからなんだろう。

「ねぇねぇ……プロデューサーさん?この大トロ、たっぷりのった脂があずささんみたいじゃない?」
「そうですかね……じゃ、反面この肉厚のマグロの赤みは真ってとこか?」
「律子さんは海老で、雪歩ちゃんは白魚かな……あ、すみませーん、ヒラメ2皿ください」
「美希は……変化球で海老天かな?うーん、伊織はゴージャスなウニかアワビか……」
「はい、プロデューサーさん。この千早ちゃんはわたしのオ・ゴ・リ♪」
そう言って彼女が差し出したのは、さっき注文したヒラメだった。ヒラメ、平……

背後に怖いオーラを感じたが、時すでに遅しで、その後はきっと皆の予想通り。
元はといえば小鳥さんが原因なんだが、3日ほど、俺達の夕食はきわめて侘しいメニューになった。

※千早と寿司食いに行きたいと思ったらこんなSSが出来た。
ちなみに小鳥さんの電波歌は10年位前のラジオから。分かる人が一人いればいい方かも。




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