【もっとあなたを】如月千早 20【好きになる】at GAMECHARA
【もっとあなたを】如月千早 20【好きになる】 - 暇つぶし2ch203:SS
07/12/17 00:12:18 giaMNQpY0
気怠いまどろみを振りほどいた私の目に映ったのは事務所の天井。
あれ?ここは…仮眠室?
「気がついたか。千早。」
ベッドの傍らにいるあの人。額に絆創膏を貼ったプロデューサー。
!!!っっ!そうだっ!プロデューサー!!

−数時間前−
今日は音響さんを交えて打ち合わせ。別件で外出中だったプロデューサーが
音響さんと合流して戻ってくる手はずになっている。
待っていたところに電話が入った。
『すまん。千早。どうにもひどい渋滞だ。全く動かないよ。』
「わかりました。事務所でお待ちしています。」
『頼むよ。俺の机に書類…ゴンッ!ゴガガガ!ザザッ!……』
「っ!…プ、プロ………?」
『…』
「プロデューサー!」
『…』
理性を支えていた最後の柱が音を立てて崩れ去った。
あの記憶が白くはじけ、私の脳裏を真っ黒に染め上げていく。
携帯が私の手から滑り落ちる。
「…何でっ!イヤッ!またッ!私の!奪わないでぇッ!イヤァァァァァッ!」
「千早ちゃん!携帯まだつながってる!プロデューサーさん!」
音無さんの声に、はっと我に返った。
相当取り乱したのだろう。
あたりは物が散乱し、心配そうな顔の律子が私を支えてくれている。
ひったくるように音無さんの手から電話をとった。
『千早!おい!大丈夫か!?』
「プロ…デュ…サ……」
張りつめた緊張の糸が切れたとき私の意識も途切れた。

記憶のピースがぱちりとはまり、はじかれたように顔を上げた私。
プロデューサーと目が合った瞬間、安堵の涙があふれた。
「千早…ごめん……心配させちゃったね。
追突された時に携帯落としちゃったんだ。たいした怪我はないよ。」
「うっ…もう…ひっく…どこにも、どこにも行かないでください……
うえっ!うえええええええん…」
止めどもなく涙があふれた。
「ごめん……」
彼の腕が私の肩をやさしく包む。
彼の胸にしがみつきひとしきり泣いた。
私はこの幸せをもう絶対離したくない。
「俺は千早を離さないよ。絶対に。」
顔を上げた。
また目が合った。
同じ気持ちだと気付いた。
彼の胸に飛び込んだ。彼も答えて抱きしめてくれた。
ただただ、この瞬間を大事にしたかった。



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