07/11/13 14:59:03 1acpRQ/cO
>>50
そして次の日……。
外回りを終え、事務所のドアを開ける。
「プロデューサーさん、お疲れ様です」あずささんが迎えてくれた。
「あれ？ 今日はオフだったんじゃ……」
「ええ、でもあまり日にちもありませんし、他にすることも………」
「お嫁さんはだ～れかさんのことで頭がいっぱいらしいですよ～♪」
「や、やだ、音無さんたら～♪」
「というと、今日も……」
「二人のお弁当タ～イム♪ ですよ。あずささん、ダ・ン・ナ・さ・まがお待ちかねよっ」
「小鳥さん、もう勘弁して下さいよ～」
あずささんから手渡されたのは昨日と同じ包み。
(昨日はご飯の上にハートがあったんだよな……)
まずは上段のおかずを見てみよう。
ジャガイモ、ニンジン、豆のカレー炒め。
うずらのチーズ包み、アスパラベーコン巻、蓮根キンピラ、蒸し鶏のマヨネーズ和え、芽キャベツそぼろあんかけ。
そしてウサギに似せて切ったリンゴ。整然と盛付けられ、箸をつけるのがもったいないくらいだ。
「なんだか……昨日より手が掛かってません？ それに野菜が多いような」
「昨日、律子さんが健康のためにも野菜を多くした方がって。あと、昨日よりも時間は早く出来たんですよ」
「プロデューサに倒れられたら、困りますからね」メガネを直しながら律子が後を継いだ。
次は下段だ。そっと上段を持ち上げる。やはりピンクのハートが現れた。
ただ、昨日と違ったのは中に「LOVE」の文字がある点だ。
「うっわぁー、あずささんだいたーん！」春香が身を乗り出す。
「小鳥さん、そろそろみんなを連れ出して下さいよ」と耳打ちする。
「何言ってるんですか！ 食べさせっこして初めて完成なんですよ！ それを見届けるまでは一歩も動きませんから！」
ヤバい。千早まで異様に目を輝かせているようだ。もぅ、好きにしてくれ……。
「はい、プロデューサーさん。あ～ん」