【お茶と仕事は】萩原雪歩 深度13m【真剣です】at GAMECHARA
【お茶と仕事は】萩原雪歩 深度13m【真剣です】 - 暇つぶし2ch207:60行はキツイっす…('A`)
07/11/05 22:03:48 sfpJzYXn0
「…で、そんな時まで仕事頼むんだから、楽しい仕掛けにしてるんでせめてそれで気晴らししてくれ…って、向こうのディレクターから連絡あってさ」
「そ、そうですか…」
妙に歯切れの悪い雪歩の返事が返って来る

今や人気も人並みに出て来て、最近は結構コンスタントに仕事のオファーも多くなって居た。当然、先の話も仕事の話なのだが…

何の悪戯なのか、その日はイブなのである。しかも更に不幸な事にその日は雪歩の誕生日でも有るのだ
どんな人間でも『イブでしかも自分の誕生日に仕事』とくれば、天を仰ぎたくなるのも当然であろう
ましてや、幾らアイドルと言えども中身は普通の十代の女の子。その心中、正に押して知るべしな話で有る

「ホンとにゴメン! いや、先方が雪歩の事えらく気に入ってて、この先も色々考えてくれてるみたいだから、どうしても断りきれなくて…」
「そうですよね…。お仕事頂けるし…仕方ないですよね…」
顔の前で両手を合わせて拝み倒すPの姿を見て、ちょっと寂しそうに微笑む雪歩
次いで、ポツリと一言だけ彼女の口から台詞が毀れる
「イブ…かぁ…」


「ふーっ…お疲れ~。 いやー、しかし、あんなに盛り上がって…大当たりだったみたいだよ、向こうさんも喜んでたし」
「はい。皆も喜んでた様ですし、私もほっとしました…」
とは言いながらも、やはり雪歩の表情は沈みがちだ

その表情を見てか見ずか、不意にPが言う
「…っと、いけね! あんまり遅くなると、親父さんに叱られれちゃうな。 よし、急ごう!」

ふと雪歩が気付く
そう言えば聞いていた今日の終了予定よりも1時間ほど早い。だが、確かに時間構成はあれで十分だった
「え…? ど、どこ行くんですか…?」
「いいから、早く乗って! さ、行くぞ!」
慌てて雪歩が車に乗ると、何故か雪歩の家の方角とは違う方向に向かって走り出し始める


「さあて、到着…っと。 さ、出て見てご覧…」
とある場所で車を止め雪歩を促すP。首を傾げながらも素直に雪歩が出ると、思わず彼女から感嘆の声が上がる
「わぁ…」
「綺麗だろ?」
眼前に広がっていたのは、まるで星の海の様に輝く数多の街の明り

「あのさ……俺達の仕事って…どんな仕事だと思う?」
不意にPが尋ねた
「え? えーっとぉ…アイドル…ですか?」
「あはは、確かにそれはそうだけどね。 俺は、あそこに詰まってる色んな人の色んな想いを、応援して、勇気付け、励まして、夢を見せてあげる事が出来る ――そんな仕事をしてるって思うんだ
 あの輝きを、更に綺麗に輝かせてあげる事が出来る仕事なんだ…ってね」
「あ…」
「うん。 だから今日の雪歩の仕事も、きっとあの明りの幾つかを輝かせてあげてるんだなぁ…ってさ」
その言葉に、雪歩の表情は何時の間にか明るい物に変わっていた

「…で、そんな皆の為に今日も頑張ってる雪歩へ、サンタさんと俺からのプレゼントです!」
と何処から取り出したのか、何やら紙袋を彼女の眼前に差し出す
ポカンとした表情で受け取り、袋とPを交互に見る雪歩
その動作にPが頷き、雪歩が袋から中身を取り出すと…出てきたのは、可愛らしく暖かそうな手袋とマフラー

途端に表情が崩れ、瞳から見る見る涙が溢れ出す
「ご、ご、ゴメン! それ位しか用意出来なくて…。 あ、後で必ず今日の埋め合わせするからさ? な? だ、だから泣かないでくれよ、た、頼むよ!」
( いいえ…。 こんな…こんな、素敵なプレゼント、誰からも貰えません。 ありがとう、プロデューサー…。
  ありがとう……私だけのサンタさん…。 )

泣きじゃくりながら、しっかりと手袋とマフラーを抱きしめる雪歩を、街の灯りが何時までも優しく見守っていた


グッド・コミニュケーション(?)


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