07/12/06 10:15:56 cY+xkd600
「どうしたの？やよい。レッスン室に電気もつけずに秘密特訓かしら？」
「あ……伊織ちゃん」
「ちょ、ちょっと？あんた泣いてたの？」
「あー、ううん、まだ平気ー。新曲のわたしのパートがうまくいかなくて。えへ、わたしの問題だよね、こんなの」
「真や千早の歌い方ってあんたや春香の個性と正反対だもんね。真のすぐ次に入るんだったわよね。えと、『願いは絶対叶うのー』？」
「『靴下の魔法～』。うん、そう」
「……『まはお』ってなによ、入れ歯になった小松政夫？」
「え？魔法って言ってるよ？」
「いいわソコは、今に始まったことじゃないし。ステップ入れてみてよ」
「んと、真さんがセンターで『願いは1234、1234』、わたしはここにいて、後半ににかぶせて34、1234って前に出て、12から『くーつしーたーの』」
「……カカトが抜けてるんじゃない。靴下だけに」
「―え？」
「真の『叶うのー』、で、あんたはここまで出て来てないといけないんでしょ？それがほんのちょっとだけ遅れてるのよ。私が真の位置に立ってるから、ゆっくりやってみて」
「ん、……『かーなう』『のー』、『くーつ』……あれぇ、ほんとだ」
「私すぐ判ったわ、やよいって体がリズムに乗ってないと必ず歌がズレるんだから」
「そんなのトレーナーさんだって気付いてなかったのに」
「真の空間把握能力はすごいからね、あの2本のアンテナはダテじゃないわよ。あんたがズレてる分自分の立ち位置調節してると思うわ、たぶん100％無意識で」
「アンテナだったんだ……」
「『ぜーったーい』の『たーい』で右足からステップインなんでしょ、その直前の左足、腰ひねってカカトをこう入れちゃいなさいよ」
「えと……こう？1234、1234、あっほんとだ、前に出れた！」
「私の曲のステップにもあるテクニックだし、トレーナーは文句つけない筈よ。これで体と口と合わせれば大丈夫でしょ」
「うん！ありがとう伊織ちゃん！」
「べ、べつにあんたのためとかじゃないわよ、たまたま今日ヒマだったから遊びに来てみたらあんたの様子がおかしいじゃない、タレントの調子が悪いと765プロの業績に響くわけだし……っ」
「あのね伊織ちゃん、もしよかったら、わたしの練習もうちょっと見ててくれない？なんか間違っちゃったら教えて欲しいし」
「え？ま、まああんたがそんなに頼むなら真のパートくらい踊ってやってもいいけど」
「ほんとに？うっう～、ありがとうっ！」
「ふん、まったく世話が焼けるんだから。にひひっ♪」
「あら、プロデューサーさん、ここでなにしてらっしゃるんですか？」
「ああ小鳥さん。伊織が遊びに来てたんだけど見えなくなったんで探してみたら、ほら」
「あらあら。そういえばやよいちゃんの自主レッスンが入っていたものね」
「仲のいいことで」
「んん～？プロデューサーさん、ちょっぴりジェラシー？」
「何をおっしゃるんですか。俺は彼らが汗をかいていると思って大阪名物ひやしあめを作ってきたところです」
＜ひやしあめ＞
水飴と水を1：3で煮立て、紅茶をひとたらし入れて薄～い茶色にする。砂糖、しょうがの絞り汁は味を見ながらお好みで。
冷やしてもぬくめても（ぬくいんは『あめゆ』ゆうねんで）おｋ！
「わあおいしそう。体が温まるし、のどにもいいんですよね。入ればいいじゃないですか、レッスン室」
「ま、レッスン中ですからね」
「なんだ、キッカケ待ちだったんですか。そのポットとコップ、お預かりしますね」
「え？あっはい」
「(すぅっ)プロデューサーさあん！なぁに覗いてるんですかあっ！？」
「えﾞ」
dadadaﾀﾞﾀﾞダダダタ” タ” タ” ッ
「伊織ちゃんキイイックッ！」
「ぐはあっ！」
「この変態大人ーっ！……あら小鳥だったの？よく教えてくれたわね、ありがと」
「いいええ。伊織ちゃんやよいちゃん、お疲れさま、これどうぞ。体動かしたあとには効くわよ」
「へー、ひやしあめっていうの？初めて見るわね、ありがとう。やよいー、一緒に飲みましょうか」
小鳥さんあんまりです。でもありがt(ry