07/10/31 18:04:12 JBesGKDm0
都々逸なんぞに挑戦してみる。
「都々逸っていうのはね、７・７・７・５文字の四行詩なの。もともとは寄席やお座敷で節をつけて唄う遊びだったんだけど、笑える唄や恋愛ネタ、下ネタが多かったために楽器を使う漫談師や漫才師が一時期多用していたわ」
「伊織ちゃんすごいです！なんでそんなの知ってるのぉ？」
「今はむしろ見かけるほうが珍しいけど、言葉遊びが主目的だったのでお手本が多いことや、俳句と和歌の中間の文字数にあたるのでバリエーションの一つとして知っておくと便利よね」
「俳句が17文字、都々逸が26文字、短歌で31文字ってことか」
「四行詩って扱いだけど、多くの場合前半が『フリ』、後半が『サゲ』の二拍子のフレーズで使われてるわね。たぶん日本で一番有名なのは『カネも要らなきゃ女も要らぬ わたしゃも少しムネが欲しい』っていう―」
「い、今なにか言ったかしら？伊織」
「あらごめんなさい、噛んじゃったわ。『―わたしゃも少し背が欲しい』っていう唄よね。にひひっ♪」
「……くっ、どちらかっていうとこちら寄りのはずなのに！」
「さあこれが例題よ。みんな、なにか思いつかない？せっかく初めだし、おめでたいのがいいわよね。よかったら座布団あげるわよ」
「うっうー！伊織ちゃんわたしできましたー！」
「やよい？意外なところから来たわね」
「みんなでハッピーになれるやつですー。『富士の山ほどお金を積んで』ー」
「また大きく出たわね。いかにもあんたらしいけどスケールが大きいのが素敵よね、そんなにお金があったらみんなハッピーだと思うわ。ま、ウチにはもうあるけど。いいわよやよい、続けてちょうだい。『富士の山ほどお金を積んで』―？」
「『端から5円ずつ使いたい』ですぅ」
「みみっちいわよっ！」
「うぅ～、プロデューサーだめでしたぁ」
「プロデューサーの入れ知恵だったの？ロクでもないわねー」
「はいはーい！じゃあボク行きます」
「あら真、それじゃあ真らしいのをお願いするわね」
「まかせてよ伊織。『王子王子と呼ばれていても』」
「あら自虐ネタ？」
「『まことの気持ちは胸に秘め』」
「……『秘め』と『姫』？『まこと』もかかってるわよね？普通にきれいにまとまっててコメントに困るわ。ハイ座布団。他になんかないの？こう、私を褒め称えるとかそういうの」
「ハイなの」
「げ、あんたが？」
「『フタリの記憶にとどめたものは、強気涙の光る頬』」
「……え？」
「『高飛車娘の心の月を、抱いたうさぎが見て跳ねる』」
「う」
「うふふー。『頬の涙も心の月も』―」
「ええっ？ま、まだあるの？」
「―『おデコの光で見えません』なっのー♪おザブいっぱいちょーだいなのー」
「三段オチかーっ！」
どっとはらい。そうでもねえか。
※本気で都々逸嗜んでる人、野暮天の手すさびと笑って勘弁してくれ。