07/11/06 18:54:32 NFqpx0NMO
>>191
俺は伊織を連れて近くの神社に来ていた。
祭り、と言うか縁日に行ったことがないと言っていた。まぁ、お嬢様だからな…。
ちょうど近くで祭りがあったし、スケジュールも詰まっていなかった。
「うーん、なんだか歩きにくいわねー」
「大丈夫か？ 浴衣じゃ靴は合わないと思ったんだけど…」
「だ、大丈夫よ！ 歩けるけど…ほら！」
差し出された手の意味が分からず、しばし伊織を見つめた。
「…エスコート。あんた、私を一人で歩かせる気？」
「これは失礼しました。さ、お手をどうぞ」わざと大仰な態度を取る。
握った手は小さく、温く、柔らかかった。
(そういえば、伊織と手をつないだことなんて無かったな)
「縁日と言えば、やっぱりアメリカンドッグだな」
「…これ、どうやって食べるのよ？ ナイフとかは？」
「そのまま齧り付くんだけど？ ほら、こう」
「えええっ！ あんたと違って、かわいーい伊織ちゃんが大口開けられるとでも思ってんの？」
「うーん、それじゃ焼きそばは？」
「なんだか知らないけど、それなら食べられそうね」
続く