08/06/01 12:36:26 WmEbia27O
執事服購入記念
「ふむ。これが新製品の執事服とやらか、リエル嬢?」
マジックアカデミーの従育科制服である執事服を着て、サンダースは満足そうにリエルを見る。
ネクタイなどが鬱陶しいとは思うが、それを除けば動きやすさは改造制服の非ではないし、なにより涼しくて着やすい。
「はい、大変お似合いですよ、サンダースくん」
「サンダースでよい。くん付けはアロエだけで腹一杯だ」
「そうですか?でも購買部員として、最低限の礼儀はありますから」
「む、そうか。ならば好きにしろ」
似合うと呼ばれたことが其ほど嬉しいのか―サンダースは、酷く上機嫌だ。
「執事をバトラーと呼ぶのは常識。しかしバトラーは闘うものとしての意味を持つ。闘うもの、まさに我輩のための服ではないか!!偉大なり執事服よッッ!」
大声で咆哮を一つ。
ぬははは、と笑いながら闊歩するサンダースを見ながら、リエルはどこか微笑ましい気持ちになる。
間もなく授業が始まるアカデミーの廊下に、サンダースの高笑いだけがいつまでも響いていた。