08/05/26 16:22:50 QHxtd7Xh
>>309
支分権というのが、わかりづらかったかな。
まず、JAS管理楽曲の「支分権」を列挙すると下記の通り。
・演奏 コンサート・カラオケ・映画上映など
・録音 CD・レコードなどへの録音
・出版 楽譜・歌集など
・貸与 CDレンタルなど
・ビデオ ビデオグラムなどへの録音
・映画 映画への録音
・CM コマーシャル送信用録音
・ゲーム ゲームソフトへの録音
・放送 放送・有線放送
・配信 インタラクティブ配信
・通カラ 業務用通信カラオケ
要するに、楽曲を使用する用途に応じて、演奏権、録音権、出版権といった具合に
著作権に関する各権利が細かく設定されているわけだ。
元々、これらの権利は著作権法に基づき、全て著作権者(作曲者など)が持っている。
つまり、誰かが無断で自分が作曲した曲を演奏したり、録音したり、
出版したりしていた場合、これに対して使用料を請求したり、
無断使用をやめるように必要な警告を発したりできるのは
本来は、権利を持っている著作権者だけなのだ。
しかし、著作権者がいちいち自分の曲が不正に使われていないか
くまなく監視するのは難しいし、大変な手間が掛かる。
そこで、著作権者は、その権利の一部又は全部の管理を他者に委託する事が出来るのだ。
JASのような組織とは、そうやって著作権者から権利の管理を委託される事によって、
その委託された権利の管理権に基づき、権利者に代わって
楽曲の使用料を請求したり、違法利用をやめるように警告したりするのが
仕事というわけだ。
という事は当然、権利が委託されていない楽曲について、
JASが勝手に警告を出したりする事は許されない。
あくまでJASは、著作権者からの権利の委託があって初めて行動できる組織なのだ。
で、ドラクエ曲の中には、この「支分権」のうち、
「ゲームソフトへの録音」という権利に関しては、権利者の
作曲者側がJASに管理を委託していない楽曲がある。
つまり、こういう楽曲の「ゲームソフトへの録音」という行為に関しては
JASは、何ら権利がない為、その件に関しては部外者となる。
当然、一切の手出しができないはず。
この場合、もしJASが警告を発したりすれば、それは明らかに
「越権行為」となり、違法になるはずなのだ。
TDQの件については詳しくないが、もしかしたら、JASが
越権行為を行っていた可能性はある。もしそうだとすれば、
その警告は当然無効だったという事になるわけだが、しかし、実際無効であろうと何だろうと、
いちクロゲ作者にとってみれば、JASから警告が届くというだけで
十分な脅し効果にはなるわな。そんな事で裁判を起こして戦う気なんて当然ないだろうし、
泣き寝入りするしかない。JASはそれをわかっていて、あえてやった可能性もある。
だが、もしこの一連の解釈が正しいとすると、JASの立場としては
越権行為になる可能性があるので、ゲームソフトについての対応は
消極的にならざるをえないはずだ。
クロゲがJASからほとんど警告を受けないのは、実はこういう背景が
ある為かもしれないと、ふと思ったわけだ。
これで大体理解してもらえたかな