08/03/08 01:30:28 YKZp8EuK
・・・ふと、思った。何で私はこのゲームをやっているのであろうか?
まるで上手く行かないこのゲームは、私のこれまでの人生そのものではないか。
安い給料でこき使われ、それでも会社にしがみつき頑張った結果が、新卒の女の子に
煙たがれ、独身だからか、ゲイの噂まで立っている始末。愛する者も愛してくれる者も
おらず、休日は一日家でゴロゴロとする。そんな人生なのに、ゲームでさえ上手く行かないのか。
せめて、せめてゲームの世界では強くありたい。可愛いヒロインと出会い、信頼出来る良い仲間と
冒険し、村を救い、悪を倒す。そして無敵の強さを誇り、さらなる悪を滅ぼす。
そう、それが私の求めるゲームではなかろうか?ゲームはストレスを発散する物であり、
逆にストレスを溜めるこのゲームは、私向きでは無いではなかろうか?
私はそう思い、レベル1に戻ったアスカを再び操作する。最後にコッパに別れを告げようと、
後ろをチョコチョコ付いてくるコッパに話掛ける。
「アスカ、しっかりやろうぜ。」
コッパにしてみれば、何気ない一言であろうか。
しかし、私は思わず心に響く一言であった。そうか、彼もまた、信頼出来る仲間で
あったのだ。ダンジョンでは頼りにならないが、一人では無く、仲間がいる心強さたるや
とても心強いのだ。そしてその一言は私自身にも投げかけられた物であるのだ。
「よしお、しっかりやろうぜ。」
私は投げかけた人生とこのゲームに、再び希望を抱き、また裏白蛇に挑んだ。