【小さな】儚き女魔法使いスレ【黒い瞳】at FF
【小さな】儚き女魔法使いスレ【黒い瞳】 - 暇つぶし2ch41:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/15 12:02:21 FOQCT/zQ0
wkwkしてまとうか鈴木

42:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 10:48:28 M6vKMXv40
「魔法使いサマンサ、ここに眠る」

アリアハン郊外の共同墓地の一角に、そう刻まれた石碑があった。
彼女は、平和になった世界を見ることもなく、急性アルコール中毒でこの世を去った。

女魔法使いは、ルイーダから受け取ったサマンサの形見である勲章を取りだした。

「魔族との戦いは終わった。これでもう、どんな職業も自らの弱みを嘆かずに済むようになった。
 だからもう、あなたも嘆かないで・・・」

女魔法使いは、サマンサの墓標に勲章を架けた。
その時、彼女の背後から声が聞こえた。

「ここにいたのか。」

43:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 11:02:19 M6vKMXv40
女魔法使いが振り向くと、そこには勇者がいた。

勇者「確かに魔族との戦いは終わった。
   元遊び人も元僧侶も、俺の元から去った。
   だが、俺の戦いはまだ終わっていない。」
女魔法使い「・・・・・・」

女魔法使いは、勇者の言葉を理解できなかった。

勇者「君はこれからどうするつもりだ?」

勇者の問いかけに対しても、女魔法使いは無言のままだった。
勇者もまた、彼女のことをほとんど理解できていなかった。
勇者にとって彼女は、仲間の中で最も頼りになる存在だったはずだ。
「最強の守りの要」であり、「最強の切り札」でもあった。
仲間の中で、彼女だけが転職を経験していないのも、勇者の彼女に対する信頼の表れだった。

なのに、いざ彼女に声をかけようとすると、かける言葉が思い浮かばない。

44:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 11:13:33 M6vKMXv40
勇者「もしかして、行く当てがないのか?」

勇者はやっとの思いで、絞り出すように言葉を発した。
女魔法使いは勇者を見た。勇者も彼女を見た。いつもと変わらぬ小さな黒い瞳、
しかしこのとき、勇者はあることに気づいた。

彼女の小さな黒い瞳には、勇者の姿が映っていた。

こんなことは、彼女と出会ってから今までに一度もなかったことだ。
彼は、容易に次の言葉を発することができた。

「泣いてるのか?」

彼女の顔に涙はなかった。しかし、彼女は無言で首を縦に振った。

45:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 11:40:27 M6vKMXv40
勇者「そうだよな、友人の死を目の当たりにして悲しまないわけないよな。」

勇者はそう考えて言った。そう考えるのが最も普通だったからだ。
その時、彼女がついに口を開いた。

「違う・・・」

勇者は立ちすくんだ。

「私にとっての戦いはすべて終わった。
 私が求めていた目的はすべて得られた。なのに・・・
 私は今の自分が全く分からない・・・」

勇者は、彼女の言葉の理由を探ろうとした。

勇者「君は、戦いの中でも常に仲間の安全のために最善を尽くそうと考える賢さと優しさ、
   そして、それを実行できるだけの強さを備えた優秀な魔法使い。それ以外にあるとでもいうのか?」

女魔法使いは、一息おいてから、彼に言葉を返した。

「それが何になるの?
 私の持つ力は、もうこの世界には必要にない物。
 そして、私自身がこの世界に不要な存在。
 そう割り切れれば楽になるはずなのに。」 

46:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 12:34:08 M6vKMXv40
勇者は、女魔法使いの言葉を反芻した。
そして、彼女の言葉を理解した。それも今までのように曖昧にではなく明確にだ。

勇者「無転職でも優秀な能力を保持しながらも、
   その能力が理解されずに敬遠される唯一の職業。
   それが魔法使い。
   俺には、君の嘆きが理解できる。」
女魔法使い「なっ、何を・・・」

勇者の明快かつ的確な言葉の前に、彼女は思わず声を上げた。しかし、彼はそれに構わず続けた。

勇者「能力が理解されないことが魔法使いの最大の欠点ならば、
   君の魔法使いとしての能力を流布するまでのことだ。
   これで魔法使いの最大の欠点は克服できる。」

先ほどとは打って変わった勇者の雄弁振りに、女魔法使いは圧倒されていた。

勇者「君にはまだ協力してもらわねばならない。
   俺に課せられた最後の使命を果たすために。
   そのためには、君の力、いや君自身が必要なのだ。」
女魔法使い「そっ、そんなこと勝手に決められても・・・」

勇者の圧力に対し、女魔法使いはささやかな抵抗を試みた。
しかし、勇者はすでに最後の使命の遂行に向けて動き出していた。

勇者「行く当てがないのは俺も同じだ。」

47:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 12:57:59 M6vKMXv40
女魔法使い「あなたの最後の使命って?」

勇者「俺の子孫、すなわち勇者の血筋を残すことだ。」

女魔法使い「!?」

揺るがぬ自信に満ちた勇者の表情と打って変わって、女魔法使いの表情には動揺が感じられた。
勇者が彼女に何を求めているかは、彼女も容易に理解できた。

勇者「俺は今まで、君の優れた能力だけしか見ていなかった。
   君の本当の姿なんて、俺にはほとんど分からない。
   だから見たいんだ。『優しさと強さに満ちた君の愛』というものを。」
女魔法使い「私の愛・・・」

彼女が昔読んだ古文書に、勇者に関する歴史が書かれていた。

「光ある所に闇あり、人々の心に再び闇が宿りし時、魔族は再び現れるであろう。
 しかし、魔族が再び現れし時、光の使徒である勇者もまた再び現れるであろう。」

目の前にいる光の使徒である勇者は、単なる人間と同じだった。
その勇者が、遠い未来に魔族が再び現れし時に備えて勇者の子孫を残すために、彼女を必要としたのだ。


48:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 13:32:05 M6vKMXv40
女魔法使い「遠い未来の人たちの平和を守るために、私自身を必要とするのなら、
      私はあなたを否定しない。だから・・・」

勇者「だから?」

女魔法使い「・・・あなたも、私を否定しないで。」

少し前の時と同じように、彼女の小さな黒い瞳には、勇者の姿が映っていた。
しかし、そこから感じられたものはあの時と違う。
今の彼女の表情に感じられるのは、勇者に対する信頼の感情だった。

彼女が勇者の要求を受け入れたことで、勇者の最後の使命は大きな一歩を踏み出した。

勇者「本当にいいのか?」

勇者は女魔法使いに問いかけた。それに対し、女魔法使いはさばけた感じで答えた。

女魔法使い「私自身の判断で決めたことだから。
      こんな感覚は何年ぶりかな・・・」

彼女の表情から自然な笑顔がこぼれた。出会ってから初めて見せる本当の笑顔だった。
瞳が小さい分、彼女は他の女の子より大人っぽく見えた。
そんな彼女の自然な笑顔は、とてもきれいだった。


49:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 14:04:37 M6vKMXv40
【あとがき】

勇者と女魔法使いは、2人で再び旅に出た。

勇者は、頼もしき仲間を連れて苛酷な旅を果たした武勇伝を残した。
これが俗に言う「ロト伝説」である。

そして、その勇者に従う女魔法使いの存在は、魔法使いの能力に関する庶民たちの理解度を大幅に上げた。
もし今、急に魔族が復活したら、能力を理解された魔法使いは、あの時の戦い以上に活躍できることだろう。

彼らは「勇者の子孫を残す」という最後の使命を無事に果たし、
「勇者と魔法使いの伝説」は、その後のドラクエ1・2でも名を馳せた。

彼らの子孫は、その後のドラクエ1の世界でもその実力を発揮し、世界に平和をもたらした。
その後、その勇者はローラというわがまま姫と交配したため、勇者の血筋は急激に薄まり、
その後のドラクエ2の世界では、勇者(ローレシア王子)が呪文能力を失なってしまったものの、
その勇者の仲間の1人であるムーンブルク王女は、先代の女魔法使いが持っていた強力な呪文能力と博愛精神の血筋を
しっかり引き継いでいたため、「勇者の末裔」としての使命を果たすことができた。

ロト伝説よ、永遠に・・・

50:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 14:07:38 M6vKMXv40
いつの間にか冗長な物語みたいなものを書いてしまいましたが、
何とか終わらせることができました。

今後は短いネタ話でも載せることにしようかと思います。
どこまでこのスレを存続させられるか分かりませんが。

51:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 17:50:50 2sL11DBC0
男女混合レスリングが始まると思ったのに…勇者なら金メダルも楽勝だぜ

52:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/16 19:00:02 hQSj1t2x0
乙!いい話だったよ >>49はエピローグかな
女魔法使いが主役だったり元僧侶が主役だったりしたが、
一番大変だったのはやっぱり勇者かもね

思えば俺も毎度魔法使いはパーティに入れてたなぁ 男女とも
DSかWiiでもまたやりたいな

53:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/25 07:53:10 /TB0Rycj0
ある若者は、真の勇者になるべく、勇者の修行をし、仲間を率いて旅をしていた。
彼の仲間は僧侶1人と魔法使い2人。彼の口癖はこうだった。

「自分のHPが高いだけでろくに味方もかばわない戦士を連れて行くよりは、
 防御呪文が充実している魔法使い(守りの要)を2人にした方が、安全に戦える。」

ある日、若者は久々にルイーダの酒場を訪れた。
酒場の賑わいは相変わらずだったが、とある扉に張り紙があった。

”勇僧魔魔パーティで挫折した勇者たちの会合”

若者はルイーダに問うた。

ルイーダ「読んで字のごとくよ。何を思ったか、呪文職ばかり連れて行って挫折した
     勇者たちの嘆きの間よ。」

若者は仲間を率いてその部屋に入った。

54:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/25 08:07:45 /TB0Rycj0
部屋の中では、若者と同じくして勇者を目指すものたちがわいわい騒いでいた。
挫折したという割には、部屋の雰囲気は普通だった。
若者は、ある1つのテーブルに腰掛けた。

勇者A「あんたも勇僧魔魔パーティーかい。調子はどうだい?」
若者「まあ、はっきり言って守備は鉄壁さ。
   魔法使いが2人もいれば、大抵の雑魚モンスターは1~2ターンで倒せるから、そんなにダメージも受けないし、
   呪文の効かない敵なら、スクルト2人がけ+僧侶のルカニで打撃戦も行ける。
   なぜこのパーティで挫折するのか、俺にはよく分からない。」
勇者A「なぜって、魔法使いは貧弱だから・・・ あっ、これは防御呪文で対処できるなww
    あと、攻撃呪文が効かなければ・・・ これも補助呪文でどうにかなるかww
    あれっ、何でだろうな?」

そのとき、周りからどよめきの声が上がった。
若者が振り向くと、一人の男が立っていた。

勇者A「彼(勇者B)はこの部屋の中で最も有力な勇者候補だ。」

勇者B「ここいいかな?」

勇者Bはそう言って、若者の真向かいのいすに腰掛けた。

55:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/08/25 21:35:58 xeOc4xn90
新章wktk

56:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/09/02 13:35:00 e0fXIcmmO
重複。↓に逝け

【DQ3】女武闘家・女魔法使い・女商人のスレ3
スレリンク(ff板)

57:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/09/02 21:11:14 de2cuKir0
重複じゃないよ

58:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/09/03 06:33:27 S+WNm8ow0
勇者B「確かに勇者Aの言うとおり、魔法使いの能力は高い。
    少なくとも、自分のHPが高いだけで、味方をかばう能力を持たない戦士よりはだ。
    そういったことから、勇僧魔魔は初期パーティの1つの定石としても通じる。
    だが、所詮は定石の1つに過ぎぬ。このパーティにも弱点はある。」
若者「ふっ、勇僧魔魔パーティのどこに弱点があるんだよ?」
勇者B「打撃力の弱い呪文職では、低レベル攻略ができないことだ。」
若者「なんだそんなことか。低レベル攻略しなきゃいいだけのことだろ?」
勇者B「いや、このことはドラクエ3本スレでも語られたことだ。
    戦士・武闘家といった打撃職は、武器を装備することで強くなれる上、武器装備にレベル制限はない。
    だから、レベル1でも武器を装備すれば強くなれる。
    だが、呪文職が修得する呪文には、修得するためにある程度のレベルを要する。
    魔法使いが守りの要としての役割を果たすためには、少なくともレベル9(スクルト)は必要。
    僧侶が回復の要としての役割を果たすためには、少なくともレベル14(ベホイミ)は必要。
    レベル1の魔法使い・僧侶など、ただの弱いキャラに過ぎぬ。」
若者「確かに、レベル1の稲妻の剣装備の戦士は強いな。」

59:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/09/03 06:45:07 S+WNm8ow0
勇者A「さすがは勇者Bだ。冷静にパーティの弱点を見極めているとは。
    俺なんか、ただ魔法使いをうまく使いこなせずに挫折しただけなのにな。」
勇者C「魔法使いはHPが低いから防御呪文で何とかしのぐ、なんて考え方ができる頭のいいプレイヤーなんてそんなにいないもんな。」
勇者D「所詮俺らはプレイヤーの分身でしかないということか。
    数少ない頭のいいプレイヤーに巡り会えば、俺たちも活躍できるが、
    大多数の普通の頭脳を持ったプレイヤーは、俺たちをあっさりと見捨てる。」

彼らとの会話を終えた若者は、部屋を出た。

若者「俺は、プレイヤーの顔を見ることはできない。
   本スレでも勇僧魔魔パーティに挑戦しようとする人を見かけるが、成功したという話は全く聞かない。
   おそらく物言わぬうちに挫折し、見捨てられた勇者がこの部屋の一員となるのだろう。
   
   魔法使いは賢い。だが、その魔法使いを使いこなすためには、プレイヤーの賢さも要求されると言うことだ。」

60:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/09/03 06:56:57 S+WNm8ow0
勇僧魔魔パーティの小ネタは終わりです。

ここから別の小ネタ。タイトルは「みにくいアヒルの子」

とある勇者(性格:のんきもの)は、性格通りにのんびりと攻略を進めていた。
ルイーダの酒場には、全ての職業の女キャラが1人ずつ登録されており、
勇者は頻繁に仲間を入れ替えながら旅を続けていた。
まさしくハーレム状態と言えば聞こえはいいが、その仲間同士では複雑な愛憎がもみあっていた。

ある日、勇者は全ての仲間をルイーダに預け、1人で実家に帰っていた。
この日は、8人の女の子全員がルイーダの酒場に集結したことになる。

61:名前が無い@ただの名無しのようだ
08/09/03 07:21:37 S+WNm8ow0
1つのテーブルでは、僧侶・商人・遊び人の3人が会話していた。

女商人「あっちのいすに座ってる子さ、いっつも1人で本ばかり読んでるよね。
    全然仲間の輪に入ろうとしないし。」
女遊び人「あの魔法使いの子だね。表情も暗いし、何かオカルト入ってるみたいな異様な雰囲気もするよね。
     あたしの友達が賢者に転職したけど、あっちは全然明るいね。美少女だし。」
女僧侶「美少女というレベルなら、私も賢者には負けないよ! 人気だけなら私の方がまだ上。
    魔法使い? 彼女は仕方ないんじゃないの?
    あんなに瞳も小さいんだし、女の子のかわいさを判定するにも、『瞳が小さい』ことは致命的なんだよ。」

別のテーブルでは、戦士・武闘家・盗賊が口論していた。

女戦士「最近あたいの出番が少なすぎる! 魔法使いと僧侶は呪文が使えるから出番が多くても仕方ないが、
    貧弱な彼女らを護衛するには、HPの高いあたいが最適なはずだっ!!」
女武闘家「何が護衛さ。女僧侶から聞いたけど、戦士は自分のHPが高いだけで全然かばってくれなかったって言ってたよ。
     勇者も、のろい戦士なんかよりも素早い君の方が役立つねって言ってくれた(はぁと)。」
女戦士「貴様ぁ!!」
女盗賊「2人ともけんかはやめようよ~」
女戦士・女武闘家「そういうあんたがこの3人の中で一番出番が多いって言うのは分かってるんだぞ!
         あたしらより打撃力が弱いくせに、絶対ひいきだ!」
女盗賊「だって、僕は一番素早いし、敵からアイテム盗めるし、キミたちと違って複数打撃武器も装備できるし。」
女戦士・女武闘家「ちょーwwwwww」


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