07/02/21 23:31:02 ci+zFieZ0
クリフトとアリーナの行く末を語らうスレです。
職人さんによるSS投稿、常時募集!
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クリフトのアリーナへの想いはPart6
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クリフトとアリーナの想いは その2
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クリフトのアリーナへの想いは
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2:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/21 23:31:27 Lw+HCBqn0
■■ここまでのあらすじ■■
いままでアニメやギャルゲーの美少女にしか興味のなかった>>1。
しかし、正月番組で偶然見かけた芸能人らしき美女に一目ぼれしてしまう。
テレビの中とはいえ、生身の人間に恋をしたのは、これが初めてだった。
アニメヒロインならスリーサイズや食べ物の好みまで熟知している>>1であったが、
現実の美少女アイドルとなると、モーニング娘。が何人なのかも知らない程度だ。
そこで、自分の唯一の味方である愛機(パソコン)のキーを叩き、ここ「2ちゃんねる」の住人たちに
自分の惚れた絶世の美女の名前やプロフィールを探ってもらおうと、こうしてスレッドを立てた。
3:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/21 23:57:42 4uVaTLolO
>>1
乙!!
4:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/22 12:19:28 7HCirQzQ0
>>1
ありがとうございました~!
5:前前前スレ506
07/02/22 14:14:30 xHIb6KJK0
どうも。新スレおつです。
続き気になるレスいただいてたみたいなので
ちょっくら出てきてみました。
どうにも忙しくてなかなか時間がとれず…。
申し訳ないです。
時間を見つけて必ずや…。では。
6:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/22 14:39:43 7HCirQzQ0
あああああああ!!!
前前前スレ(すごいw)506さんだ!!!
…感涙…!
いつまででもお待ちしますとも!
お体にお気をつけくださいませ。
7:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/22 21:10:11 PfhOTqmkO
このスレではシンシアは生き返ってないのかな。エンディングは幻覚っていう解釈?
8:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/22 22:02:40 lSkU6cma0
>>1乙
アンソロすごい豪華メンバーだね
ここの職人さんの参加はないのか・・
9:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/22 22:17:13 bKkm6r+c0
>>1 乙!
>>5 気長に待ってます!
10:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/23 02:02:43 nFsVs9hg0
>>7
どっちでもいいんじゃない?
職人さん個人個人の考えでストーリー書いてくれればいいと思う。
11:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/23 10:27:10 KNeoT8qOO
>>1 乙&ありがと~!
>>5 おぉ~待ってます!
12:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/24 01:33:03 5fKIzMCk0
新スレ乙!
13:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/25 13:57:47 usMKNfkj0
保守
14:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/25 22:28:55 vfmlLvEPO
つお題【勝負】
15:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/25 23:33:04 Up1nNbCcO
お題は、「明日世界が終わるとしたら何をする?」
16:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/26 12:53:49 8pvwi7SxO
ミネアがクリフトに片思いしてる作品は、きのこの人?
あの人のSSも好きだぁ。
17:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/26 17:35:54 xYQDtkonO
伏兵ミネアのやつ?
あれはいろんな職人さんが書いてたね。
自分もきのこの人のSS好きだー。
18:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/26 19:45:44 DLTcpyWvO
自分はいろんな職人さんのSSが好きだあぁぁ!!
19:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:37:35 LUTvY6IV0
私もきのこの人のミネア→クリフト、大好きだー!
前、ミネアSS書いてみたら、きのこの人の影響を思い切りそのまま受けてて
自分で笑ってしまったことがあります。
お題【勝負】、チャレンジしてみました。
勝負、になってるかな…?
甘くはありません。例によって。
20:【勝負】1/6 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:39:03 LUTvY6IV0
旅の途中で魔物に遭遇した勇者一行は、勇者、ライアン、マーニャ、アリーナのパーティで応戦した。
しかし、魔物の中にデビルプラントがおり、マホトーンを唱えられてしまったため
マーニャは後手に回り、ライアンとアリーナが中心、勇者がサブとなって連携を組むことになった。
そして、魔物を全滅させた後、アリーナが晴れ晴れとした表情で言った言葉が事の発端となった。
「うーん、やっぱり、最後に信じられるのは自分の腕よね!」
アリーナに悪気はなかったのであるが、魔法を封じられて充分に攻撃に参加できず、
ストレスの溜まっていたらしいマーニャは、この言葉にムッとした顔をした。
これで済めばその場は適当に収まったのであろうが、これにライアンが余計な相槌を打ってしまった。
「うむ。やはり、鍛錬と汗によって身につけたものは、決して自分を裏切らないからの。」
ライアンとしては、「努力すれば報われる」程度の意味で言ったのであろうが、
選んだ言葉とタイミングが悪かった。
その場にいた全員が、マーニャのこめかみあたりで、ブチっと音がするのを聞いた。
「ちょっと何よ、その言い方!魔法は、信じられない役に立たずってわけ!?」
「い、いや、マーニャ殿の鉄扇は、魔法がなくても充分脅威であるぞ!」
ライアンが慌ててフォローしようとするが遅かった。しかも、
「ライアンさん、今の場合はそれじゃフォローになってないよ…。」
勇者は呟いた。
マーニャはアリーナとライアンにびしっと指を突きつけた。
「こうなったら、勝負よ!ライアン!アリーナ!魔法とあんたたちの武術と、
どっちが強いか試してみようじゃないの!!」
21:【勝負】2/6 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:40:27 LUTvY6IV0
「マーニャさん!困ります!姫様にそんなことけしかけないでください…!」
慌ててクリフトが前に出る。
「そうそう、マーニャさん、そんな、仲間内で勝負だなんて、やめましょうよ。」
トルネコがとりなし顔に頷いた。
しかし、アリーナは目をきらきらと光らせて、ガッツポーズを作った。
「面白そうじゃない!やるわよね!ライアン!」
ライアンも、困ったように髭をなでていたが、何しろ、勝負事は大好きな王宮戦士、
「しかし、そうだとすると、拙者達2人対マーニャ殿1人では、ちと不公平…。」
頭の中では既に段取りに入っているようだった。
「何言ってるのよ。あんた達の腰抜け武術なんか、あたし1人で充分よ!」
「なんですって!あたしだって、1人で充分よ!」
マーニャの言葉にアリーナが色めき立つ。
闘いが日常である勇者一行の間では、戦闘能力の向上は最大の関心事の一つであり、
互いの腕を競い合うこともないではない。
特に、負けず嫌いのアリーナとマーニャが角つき合わせることはしょっちゅうであった。
しかし、今回はいつもとは違い、何やら抜き差しならない雰囲気となってきている。
こういうときに頼りになるはずのブライは、腰痛で馬車の中で寝込んでいた。
既に、アリーナとマーニャはお互いの間合いを取り始めており、
ミネアとトルネコは、もはや説得は無駄とみて、黙々と薬草と包帯を準備し始めた。
「ちょっと、2人とも…ソロさん、何とかしてください!」
クリフトは勇者の袖を引っ張ったが、勇者はあさっての方向を見ていた。
「無理無理。あの2人がああなったら、誰にも止められない。」
それに、2人とも、たまには痛い目に合った方がいいって、と苦々しげに言う勇者に、
クリフトは唇を噛み締めた。
22:【勝負】3/6 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:41:58 LUTvY6IV0
マーニャの魔法に、アリーナの武術。
本気でぶつかりあえば、互いに軽くはない傷を負うのは必定である。
クリフトは、意を決したようにアリーナ達の方へ歩み寄った。
「そういうことならば、強さ比べのルールは、第三者である私が決めさせていただきます。」
突然割り込んできたクリフトを、2人は胡乱な顔で見やる。
「強さを試す方法として、お互いに戦うのではなく、私を倒してみてください。
マーニャさん、姫様がそれぞれ交替に攻撃をして、私を先に倒した方の勝ちです。
傷を負えば、交替のときに自分に回復呪文をかけますから不公平にはなりません。」
アリーナは、驚いた顔で首を振った。
「そんな!クリフト、危なすぎるわ!」
「そうよ、あんた何考えてるのよ!」
マーニャもアリーナに同調する。
クリフトは、そんな2人を見てほがらかに笑って見せた。
「お2人とも、随分な自信がおありのようですね。私としては、太陽が地平線に沈むまでに
どちらかが私を倒せることができたら、お慰みだと思いますけども。」
太陽は中天を過ぎたと言っても、入日には程遠いところにある。
らしくないクリフトの挑戦的な発言に、勇者は驚いた顔で振り向き、
ミネアとトルネコも、薬草を持ったまま手を止めて目を見張った。
ライアンは、何か言いたげに眉を上げたが、口は閉じたままだった。
しかし、アリーナとマーニャは、クリフトの口調にカチンと来たらしい。
「言ったわね!クリフト!もう許さないんだから!」
「後悔するんじゃないわよ、その言葉!」
2人はクリフトに向かって構えを取った。
23:【勝負】4/6 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:43:17 LUTvY6IV0
「はあ、はあ、なんで、クリフト1人ごときを倒せないのよ!」
既に太陽は地平線に沈もうとしていた。
ギャラリーは、ミネアが入れたお茶を飲みながら座って観戦している。
アリーナもマーニャも、肩で息をしていたが、クリフトはまだ、たいした傷もなく立っていた。
クリフトは、アリーナの攻撃にはスクルト、マーニャの攻撃にはマホトーンを唱え、
あとは剣と体術で躱わすという非常にシンプルな方法で対応していたのみであったが、
なんといっても、クリフトの補助呪文のタイミングは、常日頃の実戦で鍛え抜かれている。
2人がそれぞれ、呪文の詠唱の隙を狙って攻撃しようとしても、うまく急所を外され、
気づいたときにはすでに呪文は完成し、主な攻撃の手が封じられている、という状態であった。
加えて、クリフトは、攻撃をかわしながら絶えず2人を挑発し続けており、それが
2人の冷静な判断力を失わせていた。
今も、悔しげにクリフトを睨む2人に対し、クリフトは馬鹿にしたような薄笑いを浮かべた。
「そろそろ日が沈みますよ。所詮、あなたの魔法なんて、そんなものですか、マーニャさん!
姫様も、武術大会で優勝された割には、攻撃がお粗末でしたね!」
2人の顔が赤く染まった。
「~~~!もう許せない!」
「く~~!むかつく~!!」
「マーニャ!」
「やっちゃいましょう、アリーナ!」
2人は同時にクリフトに向かって突進した。
「わ、ルール違反。」
お茶をすすりながら勇者が呟く。
ミネアは黙って用意した薬草を取り上げた。
24:【勝負】5/6 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:44:49 LUTvY6IV0
クリフトとて、同時に複数の呪文を唱えられるわけではない。
とりあえずマホトーンを唱えることに成功し、黒焦げはまぬがれたものの、
その間に間合いに入ったアリーナの突きが見事に決まり、遠く宙に舞った。
「アリーナ、よっしゃーー!」
「やったわ!マーニャ!」
手を取り合って喜ぶ2人の横を、ミネアと勇者が通り過ぎ、クリフトを覗き込む
「ザオラル、必要そう?」
「いえ、べホマで何とかなりそうですわ。」
あとで、薬草の包帯もしておきましょう、とミネアがクリフトに手をかざした。
「あっつ…、ありがとうございます、ミネアさん。姫様の突きは、相変わらずきついですね。」
クリフトが苦笑しながら体を起こした。
そんなクリフトにマーニャとアリーナが駆け寄って来た。
「どう!クリフト!」
「あんまり女をバカにするもんじゃないわよ!」
肩を組んでブイサインを決める2人を見て、勇者とミネアが静かに言葉を交わす。
「俺、こいつら殴ってもいいかな。」
「むしろ、クリフトさんにザラキしてもらって放置した方が静かですわよ。」
ライアンとトルネコも近寄ってきた。
「いや、クリフト殿、体を張ってのご仲裁、見事でしたな。」
「私にはとてもまねできません。クリフトさんならではの方法ですね。」
その言葉に、アリーナが我に返った。
「そういえば、私、マーニャと勝負してたのよね。」
25:【勝負】6/6 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:47:13 LUTvY6IV0
「でも、全部クリフトによけられちゃった。クリフト、いつの間にそんなに強くなったの?」
「ホントよ~。相変わらず、隅に置けない男よね~。」
全く反省の色を見せずにあっけらかんとしている2人の言葉に、クリフトは首を振った。
「私が強くなったわけではありません。今回の攻撃は、マーニャさんは魔法、姫様は打撃と、
あなた方がどんな攻撃をしかけてくるか、事前に分かっていましたから、防御する側としては
こんなに簡単な戦いはありませんでした。」
お2人が力を合わせない限り、私はいつまでもあなた方を防ぎ続けられましたよ、と続けると、
クリフトは、2人を厳しい目で見据えた。
「そして、それは、魔物にとっても同じことが言えます。」
2人は、ハッとした顔をした。
「分かりましたか、お2人とも。魔法と武術のどちらが上か、なんて全く意味のないことです。
それぞれが、互いに足りないところを補い合ってこそ、本当の強さが生まれるんですよ。」
2人はバツが悪そうに目を見合わせる。
クリフトは、そんな2人を見て表情を緩めると、優しく声をかけた。
「…それが、仲間でいるってことじゃないですか。」
その言葉にマーニャは照れくさそうに頬をかき、アリーナは満面の笑みで顔を上げると、
思い切りクリフトに抱きついた。
「クリフト!クリフトって、やっぱりすごい!」
「え?え?ひ、姫様!!??」
とたんに今までの威厳はどこへやら、真っ赤になってオロオロし始める神官を見て、
周囲は明るい笑い声を上げた。
――それが、仲間でいるってことじゃないですか。
暮れなずむ空の下、クリフトの言葉は、仲間達の胸の中に暖かい炎をともしたのだった。
26:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/02/27 12:47:55 LUTvY6IV0
お付き合いいただき、どうもありがとうございました。
最近、説教臭いクリフトばかり書いている気がします。
とりあえず、マーニャ姉さんはもう少し大人にならなければと思います。
27:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/27 14:57:45 xJtyIhaJ0
クリフトができる男ですごいかっこいいよ…
クリフトはやっぱできる男じゃなきゃな!最高!
28:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/28 00:02:00 0QW6xPmVO
オイオイなんだよこのクリフトは・・・
カッコイイ!!じゃないか(・∀・)
29:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/28 00:07:10 g7pXfcg80
ペギーたんGJ!
クリフトが体張りまくりでしたね。
デキる&(頭の)キレる男でカッコイイです!
でも最初の朴念仁ライアンの余計な一言もちょっとウケた…w
しかも彼は悪気ゼロw
30:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/28 00:47:35 ITYA0elB0
GJ!!!クリフトカッコヨス!!!
そのミネアSSも読んでみたいぞ!
31:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/02/28 21:54:09 pnHETwC40
そうそう、クリフトは本来できる男なんだよ!
勇者とミネアの冷静な突っ込みにワラタ。
32:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/02 18:51:22 1Oh4SKDMO
ほ~(*´д`)
33:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/04 07:53:11 /p1Q8wHXO
しゅ~(´Ο`*)
34:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/04 11:59:23 RQN+ok1yO
このスレの勇者(ソロ)がすげえ好きだ。
辛い旅のはずなのにそんな素振りを一切見せずクリアリをからかいながら時に気を利かせて粋な計らいを見せたり…
マーニャと一緒になって悪ノリしすぎることもあるけど自ら旅の雰囲気が重くならないように明るく振る舞っていい奴だよ…
35:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/06 04:39:41 KnRZ96SJ0
勇者単体スレって今は無いよね?ちょっと残念
クリアリも好きなんだけど勇者も好きだったり
36:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/06 08:52:30 Cx0/q0y8O
♂Ⅳ勇者のスレはないね。
クリアリが一番だけど、ブライも好き。
37:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/06 20:49:42 ufmGhczHO
投下街
38:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 11:55:56 JBc0rd1S0
こんにちはです。
お題【勝負】への感想、ありがとうございました。
>>30様
ミネアSS…きのこの人トリビュート、とかいう形だったらありかもしれませんが(^_^.)
もうちょっと推敲してみます。
レイクナバイベントで、クリアリを書こう!と思ったのに、
何故かトルネコとクリフトしか出てきませんでしたorz
別題「トルネコ、少子化防止キャンペーン」(笑)
39:トルネコさんと1/5 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 11:56:57 JBc0rd1S0
クリフトは、トルネコと2人、星空の下、無言でレイクナバの街を歩いていた。
古い友人と共に教会に行く、と言うトルネコに付き合ったクリフトだったが、
その古い友人の息子が、教会のシスターと結婚していることを知り、驚愕した。
神に仕える身でありながらこの人を愛してしまったと、しかし、幸せそうに
夫を見つめて微笑むシスターの姿は、いつまでもクリフトの脳裏を離れなかった。
沈黙をやぶって、トルネコがクリフトに話しかけた。
「クリフトさんは…結婚なさらないのですか?」
トルネコも、先ほどの夫婦のことを考えていたらしい。
「私は、神に仕える身で…。」
クリフトは、その種の質問に対し、いつも用いている常套句を口にしかけて、
今回に限ってはそれが通用しないことに気づいた。
トルネコは、顔をしかめたクリフトにくすくす笑った。
「そうそう、だめですよ、クリフトさん。今回はいつもの決まり文句では逃げられませんよ。
たった今、神に仕えながら素晴らしい家庭を築いている人にお会いしてきたばかりですからね。」
「…私は、不器用ですから…。新婚と家庭の両立などできません…。」
クリフトはトルネコから顔をそらすと、苦しげに言った。
トルネコは、笑い顔を引っ込めた。
40:トルネコさんと2/5 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 11:58:33 JBc0rd1S0
再び2人の間に沈黙が落ちる。
夜のレイクナバには人影もなく、石畳に、2人の足音だけが響いた。
トルネコは、しばらく無言で歩いていたが、やがてポツリと呟いた。
「…家庭を持つと言うことは、いいものですよ。」
さっきの話を蒸し返すつもりか。
クリフトは、逆にトルネコに質問することで攻撃をかわすことにした。
「だったら、トルネコさんは、なぜご家族を置いて旅に出ていらっしゃるのですか。」
実際のところ、以前から不思議だった。
エンドールの大商人であるトルネコが、どうしてこんな危険な旅に出たのか。
街にいれば、愛する妻と子と、何不自由なく豊かな生活が送れるというのに。
「そうですね、もし、私とネネだけだったら、旅に出てなかったかもしれません。
でも、ポポロが生まれたから…だから、私は旅に出たんです。」
クリフトは不思議そうな顔をした。
逆ではないのか。家族が増えれば、逆に家を離れられなくなるのが普通だろう。
トルネコは、満天の星空を仰ぐように上を向いた。
「私はね、ポポロに、平和な世の中を残してやりたいと思ったんですよ。
そのために、勇者さんたちと一緒に旅をすることにしたんです。」
「…でも、それだったら、他の方法だって…。何も、こんな危険な旅をしなくても。」
「おや、私はこのパーティでは、お役に立ってませんか?」
「いえ、そんなことは…。」
確かに、トルネコは戦闘能力こそ低いものの、その宝を探す能力、武器の目利き、
行く先々の街での人脈など、今の一行にはなくてはならない人物であった。
41:トルネコさんと3/5 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 12:01:32 JBc0rd1S0
「私は、世界を良くするために、自分を一番効率的に使える方法を選んだだけなんですよ。」
効率は大事ですよ、と商人の顔でトルネコは笑った。
「子供のために、親は、世界をより平和に、住みやすいようにしようと自分の持てる力を尽くす。
そうやって世界は少しずつ良い方向に変わっていくと思うんです。」
そう言って、トルネコは、クリフトを正面から見据えた。
トルネコは、もう笑っていなかった。
「クリフトさん。確かに、神様にお仕えすることも、大事なお仕事です。
でも、自分の子供に平和な世界を残してやるという喜びは、親にしか経験できません。
私は、クリフトさんにも、その喜びを経験して欲しいんです。」
クリフトは、トルネコの真剣さに気圧されたように顎を引いた。
「どうして、私に…?」
「クリフトさんだけじゃない、ソロさんもアリーナさんも、マーニャさん、ミネアさん…、
お若い皆さんには、全員、幸せになってほしいんです。
傷ついて、戦って、その先には、あなたたち皆に、幸せな生活が待っていると信じたいんです。」
「トルネコさん…。」
「私の夢は、クリフトさん、あなた達が、いつかは愛する人と結婚して幸せな家庭を作る、
そんな平和な世界が来ることなんです。」
「…トルネコさんの夢……いつかは、私も、愛する人と…。」
クリフトは、トルネコの言葉をつぶやくように繰り返していたが、
やがて、静かに首を振った。
42:トルネコさんと4/5 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 12:03:09 JBc0rd1S0
「トルネコさん、ありがとうございます。」
「…。」
「でも、私は…。
…トルネコさんは、私の気持ちをご存じだから、こんなことを言われるのでしょう?」
トルネコは驚いたようにクリフトを見た。
クリフトが自分の想いを他人にあからさまにすることは今までなかったことだ。
クリフトの表情は、星明りの下、どこか儚げに見えた。
「確かに、私は、姫様をお慕いしております。」
トルネコは、言葉もなくうなずいた。
「でも、だからと言って、私は自分が姫様と結ばれたいとは思っておりません。」
何か言いたそうに口を開けたトルネコを、クリフトはさえぎった。
「いや、それは、私も弱き人間ですから、そうなったらどんなにか…と夢見ることはあります。
しかし、姫様には、誰もが祝福するふさわしい相手と、幸せな結婚をしていただきたいのです。」
そして、それは私ではあり得ないんです、とつぶやいた。
「だから、アリーナさんとの結婚は望まないと…?クリフトさんは、それでいいんですか?」
「胸が全く痛まないと言ったら嘘になりますが…。」
クリフトは、以前、勇者とアリーナのことを誤解したときのことを思い出し、苦笑した。
「でも、これは、私の、偽らざる気持ちです。」
きっぱりといった。
「…そうですか。」
トルネコは、それ以上クリフトを追及することはなかった。
43:トルネコさんと5/5 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 12:03:52 JBc0rd1S0
十字路に来た。
クリフトは、トルネコに向き直った。
「トルネコさん、やはり、私はもう少し教会で祈りを捧げてから帰ります。」
そして、分かれ道を、ゆっくりと丘に向かって登っていった。
トルネコは、そのクリフトの後姿を愛情溢れる表情で見つめると、独り言を言った。
「クリフトさん。あなたは、アリーナさんが幸せになるために一番大切なことを忘れてますよ。」
一番大切なのは、アリーナの気持ち。
そして、トルネコは、アリーナ自身、気づいていないかもしれないその気持ちが、
誰に向かっているのか、分かっているような気がした。
「私は、アリーナさんの父上のような予知能力はないですがね。」
――ここ一番というときの、私の勘は、外れたことはないんですよ。
トルネコは微笑むと、ゆっくりと宿への道を向かった。
44:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/07 12:06:24 JBc0rd1S0
地味~な話にお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
トルネコ、実際にこんなオヤジが身近にいたら、ものすごくウザいと思います。
お題【明日世界が終わるとしたら】は、何故か訳の分からん長編活劇になりつつあります。
もう少し練り練り頑張ります。
45:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/07 16:13:51 2VkRBPcH0
ペギーさんGJ!トルネコは導かれし者たちの中で唯一妻子ある身だから
他の仲間とは違う見かたができるんですね。いいオヤジだぁ~w
若いクリアリ・ソロ・姉妹、ホント幸せになってほしい。
あぁ、もちろんトルネコ&ブライアンも!
個人的に長編は嬉しいです。次のお題も楽しみにしてます!
46:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/08 11:12:19 t9WGtanYO
乙!面白かった!!
47:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/08 11:26:36 Bo/3QLX70
ちょw「新婚と家庭の両立」って。
うっかり願望が口に出たみたいだw
まあそれは置いといて、乙でした。
48:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/08 12:18:28 H1v6T5ziO
何かホントにトルネコが言ってそうな物語だったね。
楽しませていただきました!
49:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/08 12:55:55 1+9nBcP90
>>47様
あ…!
わー、恥ずかしい、×新婚→○信仰です。
何度も誤字チェックはしているはずなのに…orz
50:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:01:43 VXyJBjm80
(1)
姫様に仕官するようになった
6歳の時すでに運動神経で叶わなかった。子供心に、悔しかった。
14歳になって、身体つきはぱっと見、私が勝ってるように見えたのに
1対1で戦えば、勝敗は国中の人が一斉に私ではないと声を揃えるだろう。
無論、私もそう思った。
17歳で、私はやっと姫様への思いに気付いた。遅すぎだ。
そして、身分をひどく呪った。他所の国の王子が、羨ましかった。
19歳。姫様は城を飛び出した。
逃がしてなるものかと。
離れてなるものかと。
陛下の命令以前に、本能が私の足を動かしていた。
追いかけることしか出来ない。
身を案ずる事しか出来ない。
もしも貴方が私に何かを望まれても
それを叶えて差し上げる力は、
この私には無かった。
『Innocent Sinner 穢れなき罪人』
51:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:03:55 VXyJBjm80
「いよいよ明日かあ…なんか、憂鬱。あ、これってマリッジブルーってヤツなのかしら」
「憂さ晴らしに壁を壊したりはしないようにお願いしますぞ、姫様」
「やだ、もうそんなことしないわよ」
嫁の貰い手がいなくなる、と教育係だったブライは口癖のように言っていたが
世界を救った勇者一行のうちの一人であり、サントハイム城の姫君という事、
お転婆な性格に目を瞑れば、容姿端麗の美女であるアリーナだ。
成人を迎えた途端、たちまち世界中から后にと無数の申し込みがきた。
一人娘であるが故、サントハイム王は散々迷ったが、
結局武術に長けると言われているブランカ国の王子の申し出を承った。
アリーナは明日、結婚する。
52:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:04:51 VXyJBjm80
(3)
城中、結婚の準備で皆忙しく動き回っていた。
アリーナ姫の幼少時より仕官している、幼馴染の神官クリフトは
とうとう、十数年越しの想いを伝えられず、早く時間が過ぎるようにと
人一倍忙しく作業をしていた。
「ブライ、あたし皆に挨拶してくるね」
「いってらっしゃいませ」
アリーナは、迷うことなく向かった。
恐らく、二人っきりで話せるのはこれが最後だ。
「クリフト」
「姫様」
教会の本棚の聖書を新調し、整理していたクリフトは、足音と声に気付き彼女の代名詞を口にする。
叶わない恋を抱く片思いの相手。しかも明日、他の国に嫁ぐ身の女だ。
出来るだけその美しい姿を見ないようにと、わざとらしくテキパキ作業する。
「いま、忙しい?」
「あ、今はその…」
「そのままでいいよ。挨拶に来ただけ」
「…はい」
53:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:06:47 VXyJBjm80
(4)
アリーナは、近くの長椅子に腰かけ、クリフトの手際の良い様な悪いような、
不自然な手の動きを目で追いながら、呟いた。
「明日、あたしは顔も知らない男のところにお嫁に行くわ」
「…姫様、失礼しました。ご挨拶が遅れてしまい…ご結婚、おめでとうございます」
「ありがとう」
いけない。
ただでさえ、自分の感情を隠すのが下手なのだ。
辛いときは、辛い表情が出てしまう。
クリフトは今、涙を必死に堪えていた。
「あたしね」
いとしい人の声が耳にまとわりつく。心に響く
54:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:08:24 VXyJBjm80
「あたしね」
いとしい人の声が耳にまとわりつく。心に響く。
「結婚するなら、あたしより強い人がいいなって思ってたの」
私は6歳の時すでに運動神経で叶わなかった。
「あたしのことを、もういいよって思うくらいいっぱい愛してくれる人がいいの」
17歳で、私はやっと姫様への思いに気付いた。
「それからね…思い出を共有してる人がよかったの」
19歳。姫様は城を飛び出した。逃がしてなるものかと。離れてなるものかと。
「でも、それは私のわがままなの。わがままは、あの旅で終わりにしようって決めてたから…
腐っても私は一国の姫だもの、私のわがままで国が傾くような事は二度と無いようにしなきゃ」
もしも貴方が私に何かを望まれても
それを叶えて差し上げる力は、この私には無いのです。
55:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:14:04 VXyJBjm80
「初めて会ったのは、あたしが4歳の時だよねクリフト」
「はい。私は6歳でした」
「クリフトはあの頃から、ちっとも変わってないね」
「姫様こそ…」
「いつもクリフト、ヘトヘトなのに、私の遊びに文句も言わないでずっと付き合ってくれたよね」
「・・・」
「クリフトは真っ先にホイミを私にかけてくれてたよね」
「ありがとうね」
「滅相もございません」
姫様は私に背を向け、天を仰いで呟く様に言った。
56:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:18:12 VXyJBjm80
(7)
「…クリフトは…あたしが姫じゃなかったら、って考えた事ある?」
…
…
何度も心で思ったことか。
あなたが、サントハイムの姫君でなければ。
姫君と言うことを取ってしまえば、私の幼馴染で。
気が強くて。
頑固で。
快活で。
美しくて。
ずっと、好きでした。
好きで好きで、死ぬほど好きでした。
「…貴方が姫様で無ければ、私がずっとお仕えする事もありませんでした…
私は、主に姫様と出会えた事を感謝しております」
57:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:19:36 VXyJBjm80
主よ
お許しください。
私は神官失格です。
私は大嘘つきです。
何度貴方を恨んだことか。
「顔も知らない王子様に、私の相手は務まるかしら…?
顔も知らない王子様に、私を十分に愛せるのかしら…?
…顔も知らない王子様は、私と何の思い出も共有していないのに…」
美しいはずの姫様の声が、不満で満たされている。
姫様にはいつでも美しくいて欲しいから私は姫様を軽く制した。
「姫様。そんなことを申されるべきではございませ…」
そこまで言ったあと、私は姫様の大声で逆に制されてしまう。
「何よ!!私の気も知らないで!クリフトなんか大嫌い!!」
58:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:21:55 VXyJBjm80
(9)
大嫌いと凄む声にも驚いたのもあるけれど…
それよりも
振り返った姫様の大きな瞳から流れ落ちる涙に、言葉を失ってしまった。
どんなことがあっても、人前で泣く事がなかった姫様が泣いていた。
かつてサントハイムが魔物に支配されてしまった時も、
どんな凶悪な相手にその身体を傷つけられようとも、
涙を流す事はなかったのに、泣いていた。
私は謝罪の言葉を投げかけようとするが、更に姫様は私を制した。
私の胸に飛び込んできたのだ。
「ひ、めさま…?」
59:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:22:54 VXyJBjm80
「クリフトの馬鹿ァ……鈍感……何で、分かってくれないの…」
身体が硬直している。
息をする事も忘れてしまった。顔が熱い。
「好き…」
姫様は私を見上げて、涙を次々に零しながら訴えてくる。
「好きなの、クリフト…
大嫌いなんてウソ…ずっと好きだったの…今まで言えなかったの…好き…
好きだよ…好きだよクリフト!!」
60:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:31:06 VXyJBjm80
(11)
主よ
お許しください。
私は身分もわきまえず姫君を愛しています。
何度も心で思ったことか。
あなたが、サントハイムの姫君でなければ。
姫君と言うことを取ってしまえば、私の幼馴染で。
姫君でなければ。
姫君でなければ。
姫君で・・・・・・
「…私は、サントハイムに、貴方様に忠誠を誓う身です…涙を拭いて…
私は貴方の気持ちにお答えする事が出来ません」
「姫様。どうかお元気で。嫁がれても、私はここで姫様のご無事を祈っております」
良かった。
涙を堪えて言えた。
61:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:33:35 VXyJBjm80
(12)
姫様の手のひらが、
私の右頬を強く叩いたおかげで
辛い気持ちもどこかに飛んだようです。
痛い。
痛くて熱い。
ひりひりと、耳の奥まで痛みが伝わる。
ホイミをかければ治るけれど、
否、これが最後の痛みなのです。
じっくりと、この痛みを覚えておこう
アリーナが走り去ったあと、
クリフトは、アリーナの手のひらの跡が付いた右頬に、自分の手のひらを重ねた。
62:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 06:55:14 VXyJBjm80
(13)
婚姻の儀は速やかに行われ、アリーナはとうとうブランカへと旅立った。
純白のドレスがとても似合っていた。透き通ったヴェールの向こうの、アリーナの表情は見えなかった。
知らない男が、アリーナの指に婚姻の証をはめ、その唇に自身の唇を重ねた。
お幸せに。
お元気で。
クリフトはいつでも貴方の事を想っています。
涙がとめどなく溢れた。
誰かにこの姿を見られたら婚姻の儀の雰囲気に感動したと言い訳をしよう。
主よ
お許しください。
私は神官失格です。
私は大嘘つきです。
姫様にも、皆にも、そして私自身にも。
これからずっと、嘘をつき続けることになるのでしょう。
なんと、罪深き事か。
私はサントハイムと姫様に仕える神官。
今日からは、ひとつ、守るべき対象が減った。集中して業務に励む事が出来る。
そういう事にしておけばよい。荷物が一つ減ったと、思っておけばよい。
涙を止める術も無く、クリフトはただ心で嘘をつき続けた。
fin
63:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 09:04:56 KgwipaBB0
>>50GJGJGJ~!!!
うおおお号泣!
切ない、切ないよクリフト・・・!
またよろしく頼みます!
64:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/09 09:14:33 rx9I6bQo0
素晴らしかったです。
最初のモノローグがアリーナとの会話にリンクしていて
とても悲しい展開なんだけど
どこまでも理性を貫き通すクリフトが良かったです。
65:50
07/03/09 09:16:19 VXyJBjm80
>>63
おっと、挨拶もなしにいきなり投下してしまってごめんなさい。
本当は二人にはくっついて欲しいのですが、何故かこんな話の展開に…。
どこかのサイトで、血統図を見たのですが、
クリフトの子孫はDQ5のマリアで、
アリーナの子孫はDQ5のヘンリー、というのを見かけたので、
今度はそれにまつわる話も書いてみようかなって思います。
長くて、しかも改行が多くてごめんなさい。
66:50
07/03/09 09:21:18 VXyJBjm80
>>64
ありがとうございます。少々、くどかったかな?と
不安だったのですが、そんな風に言って下さるととても嬉しいです。
クリフトは理性の高さが仇になるタイプかな?と勝手に想像してます(^^;
67:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/10 11:31:16 r5DlryggO
いやぁ すげーヨカッタ…ってか切ねぇ。
ぜひまた書いてください。
68:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/10 19:23:50 JwSG/ukyO
これはよかった
大学落ちたのがどうでもよくなった
69:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/10 19:42:16 0PwUySFm0
>>68
たしかに今日は東大とか国立発表の日だったな
元気出せとしかいいようがないが元気出してくれ。
70:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/10 21:27:24 UHZzFQZ50
>>50
切なさがいいねぇ・・・泣けてきちゃった。
ところでブランカがどんな所か思い出せなかったのはナイショだ。w
5章で最初に訪れる城(街)なんだけど、どうしても凸凹姉妹と合流するエンドールの方が印象深いもんで・・・
強いて覚えてることを挙げると、ルーラを使うと(屋外でも)天井に頭をぶつけることかな?
71:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/11 13:03:31 bWt8vKpIO
ペギーさんも>>50さんもシリアスで良かった。GJ!!
72:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/12 04:45:12 L2Mim3wf0
…!!
ぎゅんぎゅん来ました。
>>50さん、めちゃGJです。
明け方から、切ないよ~(;_;)
73:ごぶさたのてんちょ ◆ByK7Tencho
07/03/12 09:33:52 TA2INSrp0
ペギーさん
>>50さん
お二人ともGJです。読んでてじーんときました。
さて、せつない系が続いてるので、自分も便乗しました。
設定が未来すぎたか?とも思いましたが、
もう書いちゃったので、用事が終わったら置いていきます。
74:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/12 18:32:15 ZEzeeDXCO
てんちょだ!ひさしぶりー
用事終わるのマダ-?
75:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/12 21:39:23 woxZdFxd0
>>73
∧_∧
( ・∀・) ドキドキ
oノ∧つ⊂)
( ( ・∀・) ワクワク
oノ∧つ⊂)
( ( ・∀・) てんちょさん期待してます。
∪( ∪ ∪
と__)__)
76:ソロ・昔語り 1/5 ◆ByK7Tencho
07/03/12 22:31:58 q2ceUQuJ0
「もう……眠ったんだな」
俺は、目の前で横たわるクリフトの手を取り、両手で軽く握りしめた。
こことは別の世界に旅立ったばかりの奴の掌はまだ温かく、
もうこの世に別れを告げた者の脱け殻とは、まだ信じられなかった。
あの壮絶な戦いから、もう数十年が過ぎていた。
一緒に行動をともにした仲間たちは皆年老いたというのに、
なぜか俺だけは、まだ「青年」と呼ばれてもおかしくない外見のままだ。
知ってのとおり、俺の身体には、天空人の血が半分流れている。
彼らは、地上の者の何十倍もの寿命を持つと、空に浮かぶ城で聞いた。
そこの長である竜の神が、俺に天空の世界で暮らすよう諭したのは、
大切な仲間たちとの別れの時が、予想以上に早く到来するのと、
友のいない孤独な生涯を送ることになる俺への、
神様なりの粋な計らいだったんだろう。
だが、自分の運命を知らない俺は、その申し出をきっぱりと断り、
迷わず仲間たちと地上に戻ることを選んだ。
神様はしばらく考え、何かを俺に伝えようとしたみたいだが、
結局は何も言うことなく、地上への帰還を承諾した。
なあ、クリフト。俺たちが出会った頃を覚えているか?
重い病で寝込んでたお前に、俺は特効薬のパデキアの根を煎じて飲ませた。
で、意識が戻っての開口一番が、「はっ、姫様!」だっただよな。
お前がアリーナのことを好きだってこと、初対面の俺にもすぐにわかったぞ。
あれじゃ、いくら隠してるつもりでもバレバレだって。
ったく、苦労して薬取ってきたのは俺なのに、なんて奴だって思ったよ。
でも、旅を続けてるうちに、だんだんお前のことをさ、
応援したいって気持ちになってきたんだ。
だってお前、他のことは冷静沈着で非の打ち所のない完璧な神官なのに、
アリーナの一件になると、とたんに不器用なただの男になっちまう。
そのギャップが、捻じ曲がっていた俺の心をぐっと惹きつけた。
77:ソロ・昔語り 2/5 ◆ByK7Tencho
07/03/12 22:34:57 q2ceUQuJ0
だから俺は、旅が終わってからお前とアリーナをくっつけようと、
涙ぐましい努力をしてきたわけだ。時には裏工作も使ってね。
お節介だってわかってたけど、手を貸さずにいられなかった。
ラブレターの書き方、デートの誘い方、それから…おっと、これ以上はまずいか。
ま、恋愛に関しては、俺の方が先輩だったってのもあるけどな。
それから数年経って、お前らが結婚するって聞いた時は、そりゃ嬉しかったさ。
当人同士より喜んでるって、マーニャさんにからかわれてたっけ。
あの頃は「いいことをした」と、二人の縁結びを気取って有頂天になってた。
それが、お前に苦渋の道を歩ませることも知らずに。
俺はブランカ王の使者として、サントハイム城を何度か訪れたが、
そのたびに耳にするのは、お前の身分の低さを罵る声だった。
「平民出の青二才」だの、「影の神官王」だの、好き勝手に言いたい放題。
特に、貴族階級からの嫌がらせはひどいものだったらしい。
議会での妨害は日常茶飯事で、まともに会議すらできなかったそうじゃないか。
端整な顔立ちが売りのお前の眉間には、くっきりとしわが刻まれていた。
そんな辛い毎日を送るきっかけを作ったのは、俺なのかもしれないな。
俺さえ余計なことをしなければ、お前は平凡ながらも、
立派な聖職者として平穏な人生を送っていただろうに、と。
俺は一人、心の中で自問自答を繰り返す日が続いた。
自分が果たせなかった願望を、お前らに押し付けただけじゃないか、と。
がらになく悩む俺を慰めるかのように、人払いをしたあとのお前は、
見覚えのある笑顔を見せ、昔よく入れてくれたハーブティーをふるまった。
その隣にはアリーナが寄り添い、自分のカップに注がれるのを待っている。
少し痩せたかなあ。昔はもっとぽっちゃりして…なんて冗談を言ったら、
俺をじろっと睨んで、指の関節を鳴らすんだもんな。ありゃ心臓に悪かったよ。
『たとえ辛くても、愛さえあれば二人で乗り越えていける――』
よくある恋愛の歌の文句じゃないが、お前ら二人を見てると
そんな歌詞がぴったりだったんだよな。
78:ソロ・昔語り 3/5 ◆ByK7Tencho
07/03/12 22:37:26 q2ceUQuJ0
故郷に戻ったあと、俺は半ば強引にブランカ王に頼み込んで、
形だけの二国会談を年に数度、お城で開いてもらった。
もちろん、会議なんてなしさ。針のむしろと化したサントハイム城を
離れている間だけでも、夫婦水入らずの時間を過ごしてもらいたかった。
時は流れ、お前らによく似た鼻たれ坊主とじゃじゃ馬娘の誕生を
心から喜んでいたブライさんが、ガキ共の成長を願いつつこの世を去った。
それから二十数年後、バトランドの老軍師となっていたライアンさんが亡くなり、
世界の大富豪・トルネコさんも、最後は家族に看取られ、静かに息を引き取った。
さらに十数年後、往年のトップダンサーとして不動の地位を築いたマーニャさんが
公演中に舞台の上で倒れ、そのまま帰らぬ人となった。
翌年になって、今度はミネアさんが突然行方をくらました。未だ消息はつかめずだ。
同業者の間では、自分の死期を悟った彼女が、死に際を見られたくないと
皆の前から姿を消したのではないかと囁かれている。
そして、お前にとって一番恐れていた日がやってきた。
アリーナの死だ。
アリーナは、自他とも認める素晴らしい運動能力の持ち主だった。
だがその分、肉体に過剰な負担をかけていたのには気付かなかったらしい。
せめてもの救いは、苦痛をそれほど伴わなかったことだろうか。
でもな、クリフト。俺は知ってたんだぞ。
お前がずいぶん前から不治の病を患い、長い間苦しんでたってこと。
他の連中は騙し通せても、俺の目はごまかせないさ。
それと、病弱だったお前が知恵を絞って考えた、プロポーズの言葉。
「私はアリーナ姫様をおいて、先に逝ったりなどいたしません!」だったっけな。
お前は偉いよな。ちゃんと約束を守ったってわけだ。
俺は、お前を誇りに思うぞ。お前の友達でいられて……本当によかった。
79:ソロ・昔語り 4/5 ◆ByK7Tencho
07/03/12 22:39:24 q2ceUQuJ0
気がつくと、俺は黒い列の一員となっていた。
別れの儀式は滞りなく終り、クリフトの死を悼む参列が果てしなく続く。
人々のすすり泣く声が、見えない棘となって俺の心に突き刺さる。
たまらなくなった俺は、そこから一人はみ出し、列をぼんやりと眺めた。
さっきまで突っ立ってた俺の場所が、ぽっかりと空いている。
まるで、黒い糸がぷつんと切れたみたいだ。
とうとう、俺一人ぼっちになっちまったか。
人前ではかろうじて堪えていた涙が、俺の頬を伝ってゆく。
拭う気力なんて、今の俺には残っていなかった。
温かい雫は重力に逆らうことなく、ただ土へと還っていくだけだ。
できれば俺も、皆と同じように年を重ねていきたかった。
将来の人生設計を語ったり、趣味を老後の生き甲斐にしてみたり。
叶うことのなくなった夢が一つ、また一つと消えていく。
緑もゆる大地へと注がれる、俺の思い出の証と一緒に。
遠くから、俺の名前を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
おかしいな。俺のことなんて、もう誰も覚えていないはずなのに。
首をかしげていると、向こうからガキんちょ二人が近づいてきた。
小さな胸には、純銀で作られたサントハイム王家の紋章が光っている。
そうか、あいつらの孫か。まだ小さいってことは、末の息子の子供だろうか。
こいつら、俺に遊んでほしいとせがんできやがる。
感傷に浸る暇も、与えてくれやしない。困った奴らだ。
わかったわかった。相手してやるからまとわりつくなって。
それと、俺は「おじちゃん」じゃなくて「お・に・い・さ・ん」だからな。
見かけはまだ若いんだから、ちゃんとそう呼んでくれよ。
人は命を紡ぎ、次の世代へと繋いでいく。
何の因果か、二つの世界の血筋を受け継いでしまった俺。
どの世代までかわからないが、皆の子孫たちの行く末をを見届けるのも、
今の俺にとっては、一種の責務なのかもしれない。
80:ソロ・昔語り 5/5 ◆ByK7Tencho
07/03/12 22:45:26 q2ceUQuJ0
さあ、ガキんちょ共。何して遊ぶ?鬼ごっこか?かくれんぼか?
は?カードバトルゲームだって?俺、そんなのやったことねえよ…
あっ、お前ら笑ったな。バカにすんな、遊び方くらいすぐに覚えてやるさ。
……悪いな、クリフト。俺はまだまだお前らの処には行けそうにない。
もうしばらく、こっちで頑張ることにするよ。
いつかはわからないが、俺もそちらの世界にお引っ越しの日が来るだろう。
その時は、またお前の入れた茶の一杯でも飲みたいもんだ。
話のネタには事欠かない俺だ。他愛のない話で盛り上がろうぜ。
だから、そこで待っててくれ。おいてけぼりは許さないからな!
(おわり)
81: ◆ByK7Tencho
07/03/12 22:50:19 q2ceUQuJ0
遅くなってすみません。
用事が終わった後で、WMP11を入れたら
パソがけいれんを起こしてしまいました。
今回は暗い話で、ご期待に添えなかったかもしれません。
天空人とのハーフである勇者と、地上の人間である
クリフトたちとは、寿命の長さが違うのではないかと
以前から思っていたため、こういう話になったわけです。
82:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/12 23:03:01 XP/eZ7/MO
GJ!!泣けた!
ただ、個人的にはソロの語りならシンシアについて一言でいいから触れて欲しかった…。スレチになっちゃうけどね。
83:50
07/03/12 23:38:09 wHc0T+zq0
感想レスくださった皆様。誠に有難うございました。
とても暗い話で、しかもクリフトとアリーナが結ばれない話なので
どうかと思いましたが、皆様の言葉に助けられました。ありがとうございます。
>>76
てんちょさん、お話読ませていただきました!
「一人ぼっちになっちまったか」で涙が出てしまいました。
とても表現が上手で入り込んでしまいました!
あの、もしかしたらスレ違いかもしれませんが、
自分の名前の後ろに◆トリップを入れる方法、教えて頂けませんでしょうか?
前回の続き物が出来上がったのですが、いつまでも名前が「50」だと
滑稽に思えるので(^^;
84:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/13 00:03:58 XEC3nLYH0
コテ名#任意の文字列
を名前欄に書き込めばよろし。コテ名は無くてもよい。
例えば、
#クリアリ これを名前欄に入れて書き込むと、 ◆ROREzJxPKY
同様に、
#クリフト → ◆QTiHWQWOXE
アリーナ#クリフト → アリーナ ◆QTiHWQWOXE
クリ#アリ → クリ ◆/x6HAvLz7.
50#50です → 50 ◆Nxo.MngFa.
◆の後に出てくる文字はあるスクリプトで決まり、それは[任意の文字列]と一対一対応。
意味のある文字の並びが欲しいなどの場合、詳しくは初心者板か、こちら。
URLリンク(ja.wikipedia.org)(2%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B)
◆の前のコテ名は毎回変えられる。だが、#の後の文字列はパスワードのようなもの。
当然察知されにくいものを選び、また、忘れたりしないようメモっておくべし。
#を入れ忘れたり$と打ち間違えたりするとそのパスワードがバレて悲惨なことになるので、十分お気を付けを。
85: ◆I4yYouOL42
07/03/13 00:18:03 DthFl0cL0
>>84
>>50です
ご親切にありがとうございます(TдT)
スレ違いにも関わらず…とても分かりやすかったです。
今度からこのトリップで行こうと思います。
86:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/13 00:46:27 2UBKhQFU0
何か賑やかになってきてうれしいぞ!
87:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/13 01:02:59 XEC3nLYH0
しまった。
明日じゃないか!
88:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/13 19:58:43 VjB+K8bB0
職人さんみんなすごいな。GJ!!!
>>87 ホワ(ry
89:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/13 21:22:32 M5bb4peD0
>>85
クリフト・ミネアきぼんぬ
90:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/13 21:58:48 bQdL0wgWO
つお題【お返し】
91:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 01:38:21 u5Rr5UeKO
こんな良スレがあったなんて(´;ω;`)
92:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 02:08:18 LUnAZXqy0
>>16-17
激しくうpきぼん!
93:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 02:25:41 LUnAZXqy0
URLリンク(yotsuba.saiin.net)
必死でググったらちょっと見つけたw
94:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 02:28:19 jx3mNfLq0
この板の保管サイトとはいえ、21禁なんだからせめてリンクはトップページを貼ってくれ。
95:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 02:41:19 LUnAZXqy0
そこがトップじゃないかったの??
スミマセン・・ orz
96:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/14 06:24:02 zyTEPsQz0
てんちょ、読んでて涙腺きました…ソロ、切ないよ…!
4の勇者と8の主人公は、こういうの、あり得ますよね…悲しい。
あと、個人的に、「老軍師ライアン」がツボでした。
ええと、以前、お話しましたミネアSSです。
あくまでも、きのこの人トリビュート、ということで読んでいただければ…。
いや、トリビュートなんて言うのもおこがましいのですが、
我ながら、はしばしに影響のあとが見えるもので…。
97:ミネア1/4 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/14 06:25:00 zyTEPsQz0
私とクリフトさんには、共通の話題が多い。
同じ回復系呪文の遣い手であり、お互い、手芸や料理も嫌いじゃない。
また、神官であるクリフトさんは、霊の世界にも詳しくて
私達は、暇さえあれば、2人でいろいろなことを語り合っていた。
にもかかわらず、仲間うちで私とクリフトさんの仲が取りざたされることはなかった。
皆、クリフトさんが心から想っている人が誰か、良く知っているから…。
「ねえミネア。あんたまさか、クリフトのこと好きなの?」
ある日、2人きりのとき、姉さんからの突然の質問に私は冷やりとした。
「何を言うの、姉さん。あの人にはアリーナさんがいるじゃないの。」
「それじゃ、答えになってないわよ。」
「ばかばかしい。年下の、しかも他の女性を好きな人なんか、好きになりません。
クリフトさんとは良いお友達よ。」
「…なら、いいけどね…。」
疑わしそうな姉さんの視線をさけるように、私はその場を離れた。
姉さんに言った言葉がそのままはね返り、私を切りつけてくる。
…他の女性のことを好きな人なんか…、か。
98:ミネア2/4 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/14 06:26:22 zyTEPsQz0
クリフトさんに最初に会ったときには、
力尽き、闇の力に取り込まれそうになっている姿を、恐ろしくも気の毒に思った。
回復した後は、その常識ある言動や神官らしい落ちついた物腰に安心と好感を抱いた。
その後、クリフトさんが、あのとき闇に取り込まれていた理由を知った。
自分の命を危険にさらして、神官としての誓いに背いてまで、禁呪を覚えた。
全ては、想い人のため…。
たとえ、その想いが届かなくても。
それでも、守る。命を懸けて。
その、アリーナさんに対するクリフトさんの真摯な想いを知ったとき。
――私は、恋に落ちた。
本当に、ばかばかしくて、笑ってしまう。
他の女性を想う心を知ったがために、その人を好きになってしまうだなんて、
要領が悪いにも程がある。
99:ミネア3/4 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/14 06:26:55 zyTEPsQz0
そんなある日、私は、クリフトさんにあることを打ち明けた。
「メガザルを覚えた…?何てことを!!」
「私なんて、攻撃も回復も中途半端で、これくらいしか役に立てないから。」
「そんな!ミネアさんは、いつも素晴らしい働きをされてるじゃないですか。
皆、ミネアさんを必要としています。」
真剣な目で私を見つめるクリフトさん。
「…だから、お願いですから、そんな呪文、使わないでください。」
そんな目で、そんな声音で、でも、あなたの想いはここにはない。
――それでも、かまわない。
私が好きになったのは、アリーナさんを一心に想うあなた。
だから、あなたに、アリーナさんへの想いをあきらめて欲しいとは思わない。
ただ…、一つだけ…。
100:ミネア4/4 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/14 06:27:30 zyTEPsQz0
私がメガザルを覚えた理由。
私の命と引き換えに、他の皆が完全に回復したそのとき。
そのときだけは、クリフトさんの思いは私だけに向けられる。
きっと彼は、全身全霊で、私に蘇生呪文をかけようとするだろう。
クリフトさんの瞳に写るのは、私だけ。
…いっときでいい。
…あなたを、独り占めさせて欲しい。
それが、私の、たった一つの望み。
気づくと、クリフトさんは、まだ心配そうにこちらを見つめていた。
「…そうね、できるかぎり使わないようにします。」
私は、さらりと嘘をつくと、クリフトさんに微笑んでみせた。
101:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/14 06:40:00 zyTEPsQz0
すいません、すいません。これ以上は何も言いません。
脱兎。
102:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 06:42:44 LUnAZXqy0
キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
クリフト・アリーナがデフォなのは判ってるんだ・・(´・ω・`)
だからこそクリフトの真摯な心とミネアの献身的な一途さが共鳴して惹かれ合うのも
アリなんじゃないかと思ってたりする
想い人とか心に秘めた思いとか クリ・アリのカップリングリスペクトだからこそ
その裏側のサイドストリーBってな感じのクリフト・ミネアとかにも萌えるんスよ・・
チラ裏スミマセン
>97-100 GJ!
103: ◆I4yYouOL42
07/03/14 06:47:00 kkeueVv90
>>97さん
メガザルの使い方うまいと感心!!ミネアの恋心が可愛いです!
DQ4は魅力的なキャラばかりなので、みんな好きです…
>>89さん
では今からクリフト・ミネアを書いてみます。
>>90さんのお題の「お返し」を題材にしますね。
恐らく夜までにはでき上がるとおもいます。
クリアリ小説と同時進行に作業中なので、やや荒削りになってしまいそうですが
お許しください。
104:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 15:04:57 WlddxxPcO
できればクリミネはよそでやってほしい
ここはクリアリスレだからクリミネはみたくない
105:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 19:09:58 htfWe8YnO
まあそういう意見もあるわな
だから職人は控えめにしてどうしても書きたいときはタイトルに入れたらあぼーんできるからいんじゃね?
問題は携帯はあぼーんできないことだな
106:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 19:21:11 w6V3jmQ0O
伏兵ミネアみたいな「クリアリ前提」のミネアならいいんだけど
最初からクリミネ前提はスレ違いかな
107: ◆I4yYouOL42
07/03/14 20:00:53 kkeueVv90
あっクリフトミネアとは言ってもクリアリ前提です。
ミネア→クリフト⇔アリーナのような感じになるかと(゚∀゚;)
108:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/14 21:42:45 fFXD3D+cO
>>50楽しみにしてるよ!
以下独り言
鳥だけだと呼びづらいから出来ればコテも付けて欲しいな~
109:煩悩神官が現れた! ◆cbox66Yxk6
07/03/14 23:27:29 d9Gtag6a0
久しぶりにやってきたら、なんだかすごい事になってた。まず、>>1さん、乙です。
そして
ペギーさん、>>50さん、てんちょさん、GJGJGJGJGJ……!!!!!
切ない系っていいですね~。
次回作、楽しみにしています。
あ、今日ってホワイトデーだったのか。いまから考えても間に合うかな?
とりあえず一度落ちますノシ
110:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/14 23:36:57 kkeueVv90
すみません、コテつけました…由来は気にしないでください
小説、出來上がりました!
長いのでアプロと書き込みどちらにしようか迷っています
111:【お返し】 ◆cbox66Yxk6
07/03/14 23:55:00 d9Gtag6a0
「お、クリフト。アリーナのところにいくのか?」
ニヤニヤとアヤシイ笑みを浮かべながら、ソロさんが言います。
「5倍…10倍返し位は必要でござろうな」
ライアンさん、私を見くびってもらっては困ります。
100倍返しでも、1000倍返しでもドンと来い、ですよ。
「倍返しというのも重要ですが、『質』も大切ですよ、『質』も」
そう、『質』は大切ですよね、『質』は。ご忠告ありがとうございます、トルネコさん。
「バレンタインデーの時はほっぺにチュ、だったんだろ?じゃあさ……」
……ソロさん、あまりはっきりと言わないでください。『照れ』ますから!!
「では、行ってきます」
お三方の熱い声援を背に、私が気合を入れて立ち上がった、その時でした。
「姫様が『おたふく風邪』に罹ったようじゃ。……クリフト、おぬしは『おたふく風邪』に
罹ったことがなかったはずじゃな。近づかん方がええぞ」
ブライ様が疲れた顔をして部屋にお戻りになりました。
『おたふく風邪』…確か男性がおとなになってから罹患すると『とある機能』に支障をきたす
恐れが高いとか…。
私の背筋に戦慄が走ります。
『おたふく風邪』…よりにもよって『おたふく風邪』!?
私と姫様の甘いホワイトデーは??
「……おぉ神よ。私はどうすれば…」
……こうしてホワイトデーは過ぎていった。
112:【お返し】 ◆cbox66Yxk6
07/03/14 23:56:09 d9Gtag6a0
(おまけ)
「はい、アリーナ。クリフトがパデキア取ってきてくれたわ」
「……マーニャ。どうしても飲まなきゃ駄目?」
「ん~、でも、彼、おたふく風邪に罹ったことないみたいだから、治るまで会えないわよ?」
「…………じゃあ、飲む」
「相当苦いみたいだから、鼻つまんで一気に飲みなさいね」
「どうせだったら……に『口移し』で飲まして欲しかったな」
「そんな顔しないの。おたふく風邪が治ったらさ、『口直し』してもらえばいいじゃない」
「あ、それもそうね。じゃ、一気に…………って、まっずーーーーーいぃぃ…!!」
……どうやら『口直し』は一回ですまなさそうだ。
113:煩悩神官が現れた! ◆cbox66Yxk6
07/03/15 00:03:55 d9Gtag6a0
あ、危なかった~~~。リロ忘れて投下しちゃった。
でり子さんとかぶらなくてホントよかったです。
つぎからは気をつけます。そして、14日中に間に合ってよかった。
ではまたノシ
114:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 00:06:39 fFXD3D+cO
煩さんひさしぶり!相変わらず書くのはやっw
治ってからの二人が気になる・・・!!
でり子さん
独り言だったのにありがとう(・∀・)アプロでも投下でもどちらでもドゾー!
115:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:09:48 Ww5j3d2K0
「ミネアさん、よろしいでしょうか?」
「え?」
何やら嬉しそうにわたしに突然話しかけてきたのは、クリフトさんだった。
珍しい。いつも姫様姫様ってアリーナの後ろばかりついていってるのに。
もう一人の付き人であるブライさんもいないようだし…
「どうしたのですか?珍しいですね ひとり?」
私は自分の思ったとおりにクリフトさんに返す。
私の問いに、少々バツの悪そうな笑顔を浮かべて、口元を手で隱しながら小声で言った。
「私のこと、占ってほしいんです」
「は?」
「お返し」>>89さんリクエストありがとうございます。
116:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:10:28 Ww5j3d2K0
「つまり恋占い?」
私の一言は、この人の羞恥心に火をつけたらしい。
まさに瞬間湯沸かし器とでも例えるのが易し、みるみる顔が赤く染まった。
「いやっあの…、デスピサロ討伐という目的の最中、大変不謹慎なのは承知の上なのです。
しかし…どうも気になって夜も眠れないのです…」
「へーぇ…」
慌てまくる樣子がおかしくて、笑ってしまうのも失礼だと思い、水晶玉に目を落とした。
私は、はっきり言って男性不審だ。
姉さんの派手な男遊びを目の当たりにしてきたというのもあるけれど、
モンバーバラで過ごしていた頃に、姉さんの舞台を見に来ていた醉っぱらいの男に絡まれ、
乱暴された過去もあった。その所為で私はどうも男性が純粋な人間だとは思えない。
デスピサロ討伐のこの旅で出会った人たちの温かい心のおかげで、少しは和らいだけれど
それでもいつも一歩下がったところで会話をする。仲間を信じていないわけではない。
けれど、まだ怖い、そしてまだ憎い。しかし私の過去は姉さん以外の人に話していない。
私を冷めていると見る人も多いだろう。
わけもなく私のような立ち振る舞いだったら、そう思われても仕方ないと思っている。
だから、私は心のどこかで驚いていたのが少しと、鬱陶しいのが少し、
そして
嬉しいのも少し。ほんの少し。
117:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:11:10 Ww5j3d2K0
「相手はアリーナさんで宜しいですよね?」
水晶玉を見つめながら、当然のように聞いてみた。
が、何をそんなに慌てる事があるのか、大げさな声をあげた。
「な、何故わかるのですか?さすがはミネアさん、占い師って素晴らしいですね」
「………」
気付いていないのは当人たちだけのようですね。
私は水晶を台座に乗せ、タロットを組んだ。
「あれ?その水晶は使わないのですか?」
「これでも占う事は出來ますが、とても大まかなものなのです。
水晶があることによって、タロットの魔力はより力を増し、より正確な結果を得る事ができます」
対人関係ならセブン・テーリング法が良い。
「現状」の位置に一枚。
「自分」の位置に一枚。
「相手」の位置に一枚。
「原因」の位置に一枚。
「注意」の位置に一枚。
「方法」の位置に一枚。
「結果」の位置に一枚。
118:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:12:05 Ww5j3d2K0
思えば恋愛の占いなんて初めてかもしれない。
モンバーバラにいた時も、仕事や金錢、生命・健康にかかわる占いばかりだった。
それに私自身、恋愛経験がないものだから…少し、興味が湧く。
「では貴方の手で、順にカードをめくってください」
「え?あ、はい」
生唾を飲み込む音が聞こえた。
あくまでも占い。私の占いはよく当たると言われるけれど、絶対ではない。
私の占いに頼る人でさえ、「いいことだけ信じる」という風な考えばかり。
それなのにこの人は、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際のような切羽を詰まった顔。
とても必死。
なんだろう。
不思議な人。
「めくり終わりましたよ。ミネアさん」
はっと我に帰る。
私とクリフトさんの目の前には
「現状」に「吊るされた男」の正位置。
「自分」に「愚者」の正位置。
「相手」に「力」の正位置。
「原因」に「節制」の正位置。
「注意」に「塔」の逆位置。
「方法」に「戦車」の正位置。
「結果」に「隠者」の正位置。
119:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:13:25 Ww5j3d2K0
「あ、あのミネアさん、これってどういうことなんですか?」
クリフトさんがうずうずした樣子で私に尋ねてくる。
私は解析と解説を同時にすることにした。
「そうね…まずは現状。今はひたすら耐える、そして尽くす一方のようですね。
己を磨く時期とも出ていますわ」
「尽くす一方・・・」
自分で読んでいて笑えてしまう。まさかこんなに当たるなんて。
アリーナさんとクリフトさんの関係はまさに今そんな感じね。
「次。自分というのは自分の考えや心理状況、立場をさすのですが…愚者の正位置ね。
……夢想と無知。強いて言えば、まだ女性の事をあまり分かっていない、と」
「私は神に仕える身なもので」
「占いですよ。あくまで。そんなに真剣に答えないでください。次…
相手の考えや望み、心理状況ね。これは強固な意志と長期戦の意味を持ちます。
好きな人以外には見向きもしないようね。好きな人がいればの話ですけれど…
あ、気を落とさないでくださいね。占いですから。」
今のアリーナさんを見ていると、私と違った意味で恋愛に興味が無さそうな気がする。
それに強固な意志というのはもしかしたらデスピサロを倒すことで頭がいっぱいなのかもしれない。
120:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:14:21 Ww5j3d2K0
「そして原因。これはどうして今のような状況になったのかということ。
…節制の正位置。調和や自制、節度、献身にとらわれすぎている為…と言った所でしょうか」
「・・・」
もはやクリフトさんは何も言わなくなった。
私の一言一言が効いているらしく、首を縱に降りつづけている。
「そして注意。これは今後注意するべき点を表します。…まあ、不吉なカード。
突然のアクシデントや誤解に気をつけるべきだわ。
…もっとも誤解はともかく、突然のアクシデントは避けられない事なんですけれど」
「・・・注意のしようがないじゃないですか」
「それは次の「方法」で説明します。これはどうすれば良いのか表しているんです。
これは…援軍を求めるというのが良いみたいですね。アリーナさんとクリフトさんを
取り持ってくれる人を探したほうがいいということです。
もしもトラブルが起こった際は、その人に頼んで誤解などを取り除いてもらう事ですね」
「はい」
「そして、結果。二人の行く末は…
不滅の愛。そして思い出になると出ています。相手を尊重しあう関係になるようですね。
親の奬める縁談がキーワードになっています。人目を気にしていると示しています。
まあ、あくまでも占いです。占いが全てではありません。
どんな結果が出ようとも、諦めることなく、問題を打破して行くことが一番の希望でしょうね」
不滅の愛が思い出になるというのはどういうことなのだろう。
自分で占っておきながら不思議で仕方がなかった。
「はい。ありがとうございます」
121:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:16:20 Ww5j3d2K0
クリフトさんは、複雑な笑みを浮かべて私に頭を下げた。
これほど長く異性と個人で話したのは、お客さま以外で初めてだ。
まあ、ある意味お客さまなのかもしれないけれど。
でも、何故か疲れる。頭から腰にかけて、疲労感がどっとのしかかる。
慣れない占いをしたせいだ。早く休みたい。
…
ん?
「あの、まだ何か?」
占いを終えたクリフトさんは何故か私の前から立ち去ろうとしない。
ここに尋ねてきた時と同じように、バツの悪そうな顔で私に微笑んでいる。
神官という職業だからなのか、
それともこの人の性格なのか、
優しい顔。
それが心の底からなのか、仮面なのか。
つい、私はクリフトさんを凝視してしまう。
「援軍、お願いできますか?」
クリフトさんの一言で私は凝視を止めた。
「え、え ん ぐ ん ?」
122:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:18:06 Ww5j3d2K0
「はい。占いに全て頼るつもりではありませんが、
やはりトラブルは怖いものです。未然に防ぐ事ができるのであれば、助っ人を頼むに越した事はありません。
女性をよく分かっていない私にとって、姫様と同性である貴方の意見はきっと役に立つと思います。
お願いします、私の助っ人になって頂けませんか?」
手。
手を握られた。
喉から額にかけて、じわっと熱が上がっていくのが分かった。
なぜかしら。
「あ、ああ、あの…」
声が上ずる。こんなの変。わたしじゃない。
「だめですか?」
その優しそうな顔を近づけないでほしい。
仲間とはいえ、あなたは一応私の苦手な男性なんですから…
頭が真っ白だわ。何も考えられない。
ドクン
ドクン
ドクン。
「・・・わ、わかりましたから手を離してください・・・」
震えながら搾り出すように言った。
どうしよう、引き受けてしまった。
123:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:19:24 Ww5j3d2K0
「ありえないわ…ありえない」
口から飛び出してしまった了承の言葉で、クリフトさんは手放しで喜んだ。
異性から恋のアドバイスを受けるなんて初めてです!なんて
今にも泣き出しそうな顔で嬉しがった。
そんなの、私だって初めてよ。私なんて、まだ人を好きになったことすらないのに。
私が引き受けると言った途端、アリーナさんの長所や、アリーナさんとの出会い、
自分がどれ程アリーナさんを愛しているか、などなど、
聞いてもいないのに、満面の笑みを浮かべて私に教えてくれた。
聞いてるこっちが顔から火を出しそうなほどの内容だった。
「人を好きになるって、恥を捨てるってことなの?」
宿をとった私達は二人一部屋で割りあてられ、
私はいつものごとく、マーニャ姉さんと相部屋。
姉さんは何時も私に金と男と酒とギャンブルの話しかしないから、
いつもそれを聞き流していた。けど、今日は別。
クリフトさんの恋愛相談を引き受けたからには、私が無知でいてはいけない。
姉さんに相談するなんて、心底イヤだったから、他に誰に聞けるわけもなく、独言のように呟いた。
「え?ミネア、好きな人できたの!?」
大きな独言だったのか、興味津々にこちらを見る姉さんの一言に
心臓が鷲づかみにされるように脈打つ。
124:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:20:35 Ww5j3d2K0
「そんなわけないじゃない!ひ、独言よ!!」
「ふ~ん??まあいいけどぉ。
恥を捨てるんじゃなくて、最初から恥ずかしくないってことじゃなぁい?」
恥ずかしくない?
あれが?
どう考えても恥ずかしいわ。人によるかも知れないけれど、私にとっては
ザラキより、惚気と言うのかしら?とにかくあの甘い話が恐ろしいわ。
ありえないわ。
恋愛って変。不思議。
125:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:20:57 Ww5j3d2K0
「あ、ミネアさん。昨日はどうもありがとうございました」
翌日。またも私はクリフトさんに話しかけられた。
バツの悪そうな笑顔は確信犯なの?
「いえ。それよりもクリフトさん。助っ人の事ですけれど…
私は占いをする事に関しては、抵抗はありません。本業ですし。
ですが、恋愛の事に関しては…全く経験がないもので。お役に立てるとは思えません」
私は、彼を出来るだけ傷つけない言葉を選んで、斷った。…つもりだ。
だけど彼は、何を勘違いしたのか花が咲いた様な笑顔で
「そうですか。私も恋愛素人なんです。仲間がいて本当に嬉しいです」
………
なんなのこの人。
126:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:22:37 Ww5j3d2K0
「姫様はお転婆だとブライ樣は仰られますが、そこが姫様の魅力だと私は思っております。
ミネアさんもそう思いませんか?」
「やはり姫様がお慕いする男性は、武闘派の方なのでしょうか…
でしたら私はもっと鍛錬しなければいけませんよね」
「姫様が」「姫様の」「姫様に」
本当に、目をキラキラと輝かせてアリーナさんの事を語る。
まるで少年。穢れを知らない男の子。
その笑顔を見ていると、少しだけ癒されてしまう。
決して心を許したわけではないけれど、つられ笑いってやつかしら。
私は姫様姫様と連発するクリフトさんがおかしくて、つい
「ふ」
と笑ってしまった。
「あ」
クリフトさんが目を丸くさせて私を見た。
慌てて私は緩んだ口を手で覆う。
「今、笑いましたか?」
見られてしまったみたい。
「ごめんなさい」
127:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:23:54 Ww5j3d2K0
頭を下げた。理解できないにせよ、人の一生懸命な気持ちを笑うのは失礼だ。
顔を上げたら、クリフトさんが、男の子のような笑顔で言った。
「いえ。ミネアさんの笑った顔って素敵だなって思って」
…
世 界 が 、 真 っ 白 に な っ た 。
128:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:24:58 Ww5j3d2K0
きっと確信犯だわ。
私の反応を見て樂しんでいるんだわ。
そうよ、そうに決まってる。そういうことなのミネア。
なのに何故。
私は鏡に向かって笑顔を作っているの?
頬を淡く染めているの?
恥ずかしい。恐ろしい。
そして熱くて苦しい。
理解不能だわ。
翌日も、そのまた翌日も、今日も、明日も、明後日も。
来る日も来る日も、クリフトさんはアリーナさんに関する話を持ってくる。
だけど私はすっかり面白くなかった。
鬱陶しいからなの?でも話をする事自体は嫌いじゃない。
男性不審とは言え、仲間なのだし…
だけどとてもとても腹立たしかった。
だからほとんど話を聞き流した。
なんてイヤな子。わたしったら。
理解不能だわ。
129:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:25:47 Ww5j3d2K0
うんと私が小さい頃、占術を教えてくれた方が私に言ったのを思い出した。
占いは自分のために占っても、上手くいかない、と。
どういう事なのだろう。禁止されているわけでもない。どうしてだろう。
私の占いはよく当たる。それでもダメなのだろうか。
手が勝手に動いていた。
頭に浮かぶのは私自身の気持ちの正体だ。
私は、一体どうしてしまったのだろう…
タロットを一枚だけ引いてみる。
めくりかけたときに、絵柄が覗いた。
それだけで、鼓動が高まった。
「運命の輪・・・」
方向転換の時期。思いがけない幸運。
新しい分野への挑戦。イメージチェンジ。
あらゆる可能性を見出す。周囲の人間関係が変化する。
そして突然の恋であればそれは絶好期となる。
恋?
この私が?
誰に?
130:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:27:47 Ww5j3d2K0
『ミネアさんの笑った顔って素敵だなって思って』
まさか。
そんな。
恋なんて。違う。慣れない言葉を掛けられた所為で驚いただけ。
そうよ、だからこんなに鼓動が早いの。
寿命が縮まったらクリフトさんのせいだわ。
…クリフトさんの。
…
…クリフト…さん。
心で名前を呟くたび、それに反応するように
ドクン、ドクンと脈打つ。
ありえないわ。
ありえない。理解不能だわ。
鏡を覗くと、私の顔が赤く染まっていた。
恥ずかしい。首元がくすぐったい。
どうせ占いよ。絶対ではない。
私はカードをそのまま道具箱に伏せてしまって置いた。
131:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:29:11 Ww5j3d2K0
「…どうしましょうミネアさん」
心臓が飛び上がる。まさに渦中の人。クリフトさんがいつになく元気のない声で話しかけてきた。
「ど、どうしたんですか?今日もアリーナさんのこと話してくれるんでしょう?」
少し嫌味が入ってしまったかな…と私は思ったけれど
クリフトさんの元気のなさを悪化させることはなかった。
「それがですね…昨日から姫様が私と口を聞かなくなってしまって…
ブライ樣や他の皆様とは普通に接しているのに、私だけが何故か…」
「え?あんなに仲が良かったのに」
イヤだ。いやな女だ。
クリフトさんがアリーナさんと上手くいってないと聞いた途端、ほっとした自分がいや。
その時。
船が大きく揺れた。世界がゆらりと回る。
私は均衡がとれなくなり、重心が傾くままに倒れこむ。
「ミネアさん!」
クリフトさんは私の後頭部に手のひらを回して、一緒に倒れこんだ。
大きくて、優しくて、暖かい。私の後頭部にじんわりとクリフトさんの手の感触が伝わる。
時間が止まった感覚だ。
ただ、私の鼓動だけはやむどころか、速さを増す。
「危ないところでした…ホラ、ここの角に頭をぶつけたりしたら、大変なお怪我をすることに…」
倒れこんだ私を、覗き込んでクリフトさんが安堵の溜息をつく。
下から見上げたクリフトさんの前髪がゆれている。
132:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 00:33:10 vWbl7vHMO
長編支援!
133:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:40:43 Ww5j3d2K0
ドクン
ドクン
ドクン。
顔が、熱いわ…
熱でもあるのかな。
ううん。
クリフトさんが、私に触れているから。
やっと、わかった。
私、好きなんだ クリフトさんが
134:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:41:06 Ww5j3d2K0
「…クリフト」
私もクリフトさんも、同時に声の方向に目をやる。すごい速さで。
船搖れは治まり、私達の無事を確認しに来たのか、
クリフトさんの愛しい人が、私達を見つめていた。
いつも天真爛漫で、笑顔の多い彼女の目は翳っていた。
「姫!」
クリフトさんは、私を手で抱き起こし、アリーナさんの元へと駆け寄る。
「御無事でしたか?お怪我は?どこかぶつけませんでしたか?」
クリフトさんは、何事もなかったように、アリーナさんの身に怪我がないか確かめ、
ホイミの詠唱をしようとする。しかし、その手をアリーナさんは叩いて突き放した。
「いらないっ!!クリフトのホイミなんかいらないっ!!」
「…え」
アリーナさんの大きくぱっちりと開いた意志の強そうな瞳には涙が溜まっていたのは、私の見間違えじゃない。
クリフトさんは拒絶された事に、混乱と、そしてショックを受けているようだった。
アリーナさんは、走り去る間際、私を睨み付けた。
その瞬間、恋愛経験のない私でも、嫌でも気付いてしまった。
ああ。
クリフトさんは、一方的なんじゃないんだってこと。
135:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:45:00 Ww5j3d2K0
何よ。私の出番なんか、最初からいらないんじゃない。
恥ずかしい。
一人で舞い上がって。
『恥を捨てるんじゃなくて、最初から恥ずかしくないってことじゃなぁい?』
姉さんは言ったわ。
違うじゃない。すごく恥ずかしいじゃない。馬鹿馬鹿しい。
気まずい雰囲気に勝てなかったクリフトさんは、私に一礼して、
アリーナさんの後を追いかけて行った。
136:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 00:56:42 Ww5j3d2K0
運命の輪のカードは外れたの?
突然の恋であればそれは絶好期となる。
期待してたわけじゃないわ。
そうよ、悲しいのは、私の占いが外れた事よ。
腕が鈍ったのかしら?
込み上げそうな熱さを我慢して、ぐっと堪えて、
宿に戻る。
ベッドに寝そべる姉さんを横目に、私は昨日そのままにしておいた
タロットカードをめくる。
「…あ」
やはり、自分の事を占うべきではないと、やっと意味がわかった。
占いの結果どうこうの問題じゃない。
自分の事を占うときは、感情が先走りする。
こうあればいいのに、このカードが出るように、と
少なからず希望が入る。
あの時、確認もしないで運命の輪の絵柄だけを見て意味を捉えた。
今私の目の前に出たのは、昨日のカード。
運命の輪が 逆さを向いていた。
137:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 01:01:03 WWcrscLI0
支援!!!
138:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 01:03:03 Ww5j3d2K0
タロットカードは、正位置と逆位置では意味が異なってくる。
どんなに良いカードでも、逆位置の場合、良いとは限らない。
運命の輪の逆位置の意味。
見込み違いのゆえ、物事が悪化する。不安定な時期。
そして失恋と、つかの間の恋。すれ違いが多くなる。判断ミスが多くなる。
けれど、今は苦しくてもいつかは幸せになる
そんなカードだったのだ。
「ふ、ふふ…ふふふ」
私はカードを見つめながら、笑った。
自分が、滑稽でたまらない。ほんと、馬鹿馬鹿しいことこの上ない。
「な、何よミネアったら!気持ち悪いわね!」
姉さんが私を不気味に思ったのか、怒鳴った。
けれど、私は笑い声をとめることができなかった。
止めたら
泣いてるって思われちゃうでしょ?
だから、止めない。
139:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 01:06:48 +APoTadXO
しえーん
140:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 01:08:14 Ww5j3d2K0
私の体は私の意志で動いてる、そうでしょ?
なのに何故。言う事を聞いてくれないの?
涙なんか、流したくないのに。
ポタ
ポタ
ポタ。
止まれ。
止まれ。
いいから止まりなさい。
良かったじゃない。
私の占いは外れていなかったんだ。
「ミネア」
姉さんが私の肩を両手で包み込んだ。
暖かくて、クリフトさんの手の温度を思い出してしまった。
ポタ
ポタ
ポタ。
141:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 01:10:48 WWcrscLI0
シェーン
142:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 01:18:03 Ww5j3d2K0
「姉さん。姉さんは『最初から恥ずかしくない』って言ったわ。
けれど、私にはそう思わない。とても恥ずかしい思いをした。
こんなにカッコの悪い事はない…」
姉さんに涙を見られないように、私はカードを見つめたまま、
平然を装って淡々と喋る。
「違うわよ、ミネア。
あたしが言いたかったのは、『人を好きになることは、恥ずかしい事じゃない』ということ。
ミネア、好きになったのね?初めて人を好きになったのね?」
ポタ ポタ ポタポタ。
頷いた時に、涙が一気に落ちた。
姉さんは私を後ろから抱きしめて、頭を撫でた。
「でも、クリフトさんは私の事、見えてない」
「そっか・・・ミネア、よく頑張った。
辛い事があったとき、私はもうあなたが一生恋愛できないんじゃないかって思った。
ごめんね、元はといえばあたしのお客だったんだ。何も出來なくてごめんね。
でも、あたしが保障してあげる。世の中、捨てたもんじゃないよ。
そりゃ、中には腐った男だってたくさんいるわ。けれど、ミネアがあいつの事、好きって思ったのは
あいつの優しいところ見たからでしょ?…ちょっと頼りないけれどね。
大丈夫、いっぱい恋愛してるこのあたしが言うんだから!ミネアには、きっと幸せにしてくれる男が
この先いっぱい、出てくるよ。恋をすることは、恥ずかしい事じゃない。ミネア、自分を褒めてあげな」
姉さんがいつになく優しい言葉で言うものだから、
私の涙はついにとまらなくなった。
143:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 01:19:04 V9b6DlPkO
私怨
144:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 01:24:04 Ww5j3d2K0
姉に顔を見せた。きっと、見ていられないくらい醜い顔で私は泣いているのだろう。
そんな私の顔を抱き寄せて、姉さんは肩に埋める。
「初めての恋が上手くいくのは、とっても少ないんだ。
神様が経験の少ない人に与える試練なんだ。あんたはまだまだこれからだから、頑張りなさいって。
だからいっぱい泣いて、いっぱい成長しな。そんで、魅力的になって、
あんたを振ったこと、後悔させてやるくらいになってやるんだ、ミネア」
「… う ん …」
私は姉に抱きついて、泣きじゃくった。
145:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 01:26:06 WWcrscLI0
wktk試演
146:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 01:31:39 Ww5j3d2K0
そうだ。
あの二人は、私たちが出会う前からずっとずっと一緒にいたんだ。
私が入る余地もない事は当たり前なんだ。
むしろ、それほど人を好きになれるクリフトさんは素晴らしいと思う。
きっと、アリーナさんを幸せに出來るのはクリフトさんだ。
ならば私のすべきこと。
私は二人の援軍になる。
突然のアクシデント・誤解。
塔の逆位置は、船搖れの件をさしていたんだ。
ここまでくれば、戦車の援軍が私しかいない。
こんなところで、クリフトさんの恋を終わらせはしない。
好きな人には幸せになってほしい。
147:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 01:47:19 Ww5j3d2K0
「…!…ミネア」
アリーナさんの部屋をノックもしないで、入ってしまった。
相部屋だった、勇者さんも驚いて声を上げた。
「ごめんなさい、勇者さん。
アリーナさんと二人でお話がしたいのです。少しの間、席をはずしていただけますか?」
「ん、了解。じゃあ、私外の空気吸ってくるわ」
扉が閉まる。勇者さんの足音が遠ざかるのを確認してから、私は口を開いた。
「あ、あの…船での一件。謝ろうと思って…ごめんなさい。
言っておきますけど、船揺れのせいであって私とクリフトさんは何も…」
アリーナさんは、幼い顔で俯いて不機嫌そうな顔をした。
そのせいで、小さな女の子がふくれっつらをしているように見えた。
「…分かってるよ…。こっちこそ、ミネアのこと睨み付けちゃってごめんね」
「いえ」
「あたし、やっぱり城で育ったから、わがままなのかなあ…
クリフトがね、毎日毎日ミネアと喋ってるのを見ると、なんだかとてもいらいらしちゃって。
誰と喋っても良い筈なのにね。でもそのイライラを、クリフトにぶつけちゃって。
よく分からないや、ハハ…」
アリーナさん、あなたは知らないと思うけど、
私とクリフトさんが喋っていたのは常に貴方の事だったの。
私だって、そう。私だって…貴方の事ばかり話すクリフトさんにとても嫌な態度をとってしまった。
最初は何故、こんな事をしてしまうのか理解できなかったけど
…そう。あれは正真正銘の嫉妬。
148:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 02:00:39 Ww5j3d2K0
「クリフトさんとあれから仲直りした?」
船の一件のあと、アリーナさんを追いかけたクリフトさんのその後を聞いた。
けど、アリーナさんは不貞腐れて首を2回横にふった。
多分、私達は恋愛に置いてはとても似ている。
自分の気持ちに正直じゃないんだ。それに、…きっと初恋なんだ。
たった一つ違うところは、
私は片思いで、
貴方は両思い。
「クリフトさんに冷たくした事、後悔してる?」
「うん」
「じゃあ、素直にならなきゃ。
貴方が素直になれば、クリフトさんはとても喜ぶと思うわ。
…仲良しなんだから、ケンカしてるととても違和感があるの。パーティもギスギスしちゃうし、
やっぱり、普段どおりが一番よ。明日、仲直り、できるわよね」
少し間のあいた後、アリーナさんは小さく頷いた。
アリーナさんがクリフトさんのことを好きなこと。
クリフトさんがアリーナさんのことを好きなこと。
わざとそれは言わなかった。私って嫌な女かな?
でも、この二人はきっと、大丈夫だよね。
149:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 02:14:17 Ww5j3d2K0
数日後、いつも通りの風景がそこにあった。
クリフトさんは相変わらず姫様、姫様で。
アリーナさんは前以上に楽しそうで。
私の想いがこのまま封印されるのは、すごく悲しい事。
だけど悪い事じゃない。私はこれから、成長していく。
そして…
「あ、ミネアさん」
クリフトさんが私に話しかけてきた。
「姫様からお聞きしました。私が姫様と仲直りできたのはミネアさんのおかげです。
やっぱり、貴方に援軍を頼んだのは正解でした。ありがとうございます。
これ、昨日姫様と一緒に出かけて、よろず屋で買ったものです。私達からのお返しです」
私達、か…
見せ付けてくれるわね。
クリフトさんは、赤い包装紙に包まれたケースを私にくれた。
「ありがとうございます」
そう言って、私は微笑んだ。
150:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 02:26:07 Ww5j3d2K0
自分の部屋でクリフトさんからもらったケースを開けてみる。
中から出てきたのは、 A Roda da Fortuna と彫られ、
美しい装飾が施されたイヤリングだった。
A Roda da Fortuna。
私への当てつけなのかしら?どこかの国の言葉で「運命の輪」。
「フフ…嫌味なお返し」
私は早速、そのイヤリングを身につけた。
まるで、最初からそこに身につけるのが当たり前かのように、しっくりくる。
私はもういちど、タロットを取り出し、自分の事について占った。
めくったカードは、運命の輪の逆位置。
「やっぱり、すぐには変わらないわよね」
カードを見つめて、左手でイヤリングに触れながら呟いた。
いつか、いつか、私はもっと成長して、綺麗になって、笑顔を増やして、素直になって。
幸せになるの。
私が好きになった人に、私以上に私を愛してもらう。
そしたら幸せになった私を、あなたに見せ付けてあげる。私って嫌な女。
だから、クリフトさん。このプレゼントのお返しはその時、に。
『失 恋 と 、 つ か の 間 の 恋 。
け れ ど 、 今 は 苦 し く て も い つ か は 幸 せ に な る 。 』
(fin)
151:でり子 ◆I4yYouOL42
07/03/15 02:31:05 Ww5j3d2K0
長くて申し訳ございません!!!!
途中、完成した文章がPCフリーズによって途中から書き直し、という事態になってしまって
えらく時間がかかってしまいました…支援していただいた方ありがとうございます。
投下物を読むのが面倒な方は、URLリンク(s-d-l.j-mx.com)でダウンロードできます。
お付き合いいただき有り難うございました。
152:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 03:45:03 YIfQfQ6e0
伏兵ミネアってのも意外にいいな
失恋フラグが似合いそうってのはちょっと可愛そうだが
153:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 04:00:00 +APoTadXO
ヤバい、切ねえ・・・泣けた・゚・(つД`)・゚・
マーニャやっぱりいい姉ちゃんだったんだなぁ・・・
154:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 04:11:47 YIfQfQ6e0
>>100
最後の2行に想いが集約されててすごく イイ!(゚∀゚)
投稿職人さん達みんな文章上手いな。
155:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 05:55:53 lJ2VRcpcO
てんちょさん、ペギーさん、煩悩さんときて、>>50さんことでり子さん、と……
まるで何かの祭みたいだ! みなさんグッジョブ!!
……でも、最近はアリーナ視点の作品が少ない気がして何だかさみしい……。
勘違いだったら申し訳ないけど。
156:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 09:35:56 s63vXdjfO
そういう時期もあるさ
157:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 10:18:10 6MLFkBy6O
煩悩さん
乙&GJです。この文体をみるたび、オチを連想しながら読むんだけど、
おたふく風邪オチには吹きましたwクリフト、セツナス
でり子さん
大作乙ですー。いい、いいよ、ミネア。いい女だぁー!!
クリアリ前提のミネアは切なかったり、可愛かったり、魅力的で好きだ。本当にGJでしたー。
158:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 10:19:45 b7U7pqS8O
職人さんみんな超GJ!
でり子さん長編乙でした!ほんのちょっと黒いミネアがいい感じです
辛い想いした分だけミネアにも幸せになってほしいです。
姉さんも最高!w
159:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 10:37:51 +APoTadXO
ミネアをレイプした男は死刑だな。
しかしでり子さんはGJ!!
160:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 18:43:36 WWcrscLI0
職人さん達、みんなGJ~!!!
マジ最高です!
個人的にルーシアが絡む話も読んでみたいです。
アリーナとは正反対のイメージなので‥w
でもクリアリならなんでもいいです!w
161:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 20:05:57 0EjBQQhF0
じゃあルーシアに対するPSクリフトのセリフ投下。イメージ喚起にどうぞ
「いなくなって はじめて
人の良さって わかるものですね。
いえ ルーシアは
一緒にいるあいだも ちゃんと
いい子でしたけど。」
162:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 20:32:16 EOqFaFlDO
いい子、ってことは
完全に子供扱いか。
163:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 21:15:49 +APoTadXO
むしろデスピサロ討伐後のSSでシンシア登場キボン
と、やり辛い難題を振ってみる
164:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 21:33:29 WWcrscLI0
>>161
あのクリフトの言葉は微妙に冷たい感じがするな~
ここでお別れって言ってんのに全然淋しくなさそうだったし。w
165:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/15 21:40:41 YIfQfQ6e0
俺も、勇者・シンシアのSSキボンしたいところだが『カップリング』では激しくスレ違いなんだよな・・
でも職人さんのSS投稿スレでまともに機能してるのはココぐらいだから微妙
166:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/16 00:03:52 +4HV+tuP0
もちろんクリアリ主体にしつつ
できればちょっと触れてくれ~程度のリクにしてみては?
ルーシア関連もうちょい投下。でもこれ要は世界樹のセリフだからな…w
(ルーシアの「助けて」のセリフに対して)
「………。
私が助けてもらいたい
ぐらいです………。
うっうっ た 高い……。」
(ルーシア仲間にした直後)
「ひどいケガをなさって。
かわいそうに………。
し しかし
この上 さらに
天空の塔に 天空のお城だなんて
ああ 私はどうすれば……とほほ。」
167:名前が無い@ただの名無しのようだ
07/03/16 00:38:08 2+pHpvXk0
クリアリ いざ書こうとしたら難しいな
色恋関係は2人とも行動起こしそうで起こさない
狂言廻しになるキャラかエピソードが必要 パデキアの根のイベントがそれだけど
目新しさがないな うう
職人さん うまく話を転がすコツを教えてくれ
168:ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:19:48 +sx+E7nd0
すごいすごい、ホントにお祭りみたいです!
煩悩神官さん、お久しぶりです!そしてGJです!
煩悩神官さんの飄々としたクリフト、ホント大好きだ~!
でり子さん、大作GJです!
マーニャが、いい姉さんでホロリと来ました。
ええと、お題【ルーシア】が【もしも明日世界が…】より先にできちゃいました。
ルーシアって、余り印象に残ってないんで、キャラ違ってたらごめんなさいです。
169:【ルーシア】1/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:20:58 +sx+E7nd0
「きゃー、クリフトさん、見てください、あの青くてプルプルしてるのはなんですかあ?」
「またかよ、勘弁してくれよ…。」
ルーシアの歓声に、御者席に座っていた勇者は頭を抱えて呟いた。
一行が世界樹の上で拾った、ルーシアと言う天空に住む少女。
羽を痛めて天空に戻れないという彼女を連れて、地上に降りたのは数日前のことだった。
地上に降りるのが初めてと言うルーシアは、見るもの全てが珍しいらしく、
馬車から頭を突き出し、何かに目を止めては馬車を降りて走り出す。
天空の塔に入るために必要という天空の装備を揃えるため、海鳴りの祠に向かう一行であったが、
その道行きは、遅々として進まなかった。
ルーシアの声に、勇者以外にもう1人、不機嫌そうに眉根を寄せた者がいる。
アリーナだった。
旅の仲間達は、ここ数日のルーシアの止め処もない質問の嵐に疲れて、
ルーシアに何かを聞かれても、適当にあしらうようになっていたのだが、
クリフトだけは、生来の生真面目な性格故、根気良くルーシアの質問攻めに付き合っていた。
自然、ルーシアも、クリフトにもっぱら話しかけるようになる。
今では、クリフトはルーシアにつききりの状態となっていた。
今も、
「ああ、あれはスライムですよ。世界樹にはいないんですか。
弱いですが、一応モンスターですから、余り近くによってはいけませんよ。」
「ええ~、あれ、モンスターなんですかあ。あんなに可愛いのに~。」
ルーシアの言葉に、クリフトがクスクス笑う声が聞こえてくる。
「スライムが可愛いなんて、ルーシアは面白いことを言いますね。」
アリーナが馬車の後ろを振り返ると、クリフトがルーシアの頭をぽんぽんと叩いていた。
アリーナは思わす、馬車を飛び降り、2人の元に駆け寄った。
170:【ルーシア】2/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:21:35 +sx+E7nd0
「クリフト!こんなにしょっちゅう馬車を止めてたら、全然前に進まないじゃない!」
いつになくきつい語調のアリーナに、クリフトは驚いたような顔をした。
ルーシアも怯えたようにクリフトの後ろに隠れる。
それを見て、アリーナは眉間の皺を深くした。
「皆が待ってるんだから、早くして!」
投げ捨てるように言うと、アリーナは2人から顔を背け、その場を足早に立ち去った。
「アリーナさんは、どうしてあんなに怒ってるんですかあ。」
ルーシアの不思議そうな声を背中で聞きながら、
アリーナは、それが知りたいのは自分の方だと思った。
アリーナ自身、何故、ここのところ自分がこんなに苛々するのか、理由が分からなかった。
しかし、この苛々があの天空の少女に関係していることだけは、何となく分かる。
彼女が一緒に旅するようになってから、どうも気分が良くない。
――あの子が、ああやって皆に迷惑をかけるからだわ。
アリーナは自分自身にそう言い聞かせた。
結局、その日はほとんど前に進まないままに、一行は森のそばで足を止めた。
「へえ~。シチューはこうやって作るんですかあ。」
夕食の準備をするクリフトの隣に、ルーシアがへばりついていた。
いつもであれば、夕食の準備をするクリフトの隣はアリーナの特等席であり、
クリフトを手伝いながら(と言っても、ほとんど手伝いになっていないのであるが)、
その日にあったことを色々とおしゃべりをするのはアリーナの楽しみの一つだった。
しかし、ルーシアが来てからは、アリーナが割り込む隙間がない。
アリーナは仕方なく、不機嫌のオーラを漂わせながら、ミネアと一緒に食器を並べていた。
周囲の仲間達は、そんなアリーナを腫れ物を扱うように遠巻きにしていたが、
アリーナは仲間の反応にも気づかず、クリフト達の会話に一心に耳を済ませていた。
171:【ルーシア】3/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:22:13 +sx+E7nd0
「天空人は、ホントは、食べ物を食べる必要はないんですよお。
でも、単に楽しみとして食事をすることはあるんです。」
クリフトさんのお料理はおいしいから、つい私も食べちゃいます、というルーシアに、
クリフトは「それは光栄ですね。」と嬉しそうに笑った。
アリーナは、その笑い声を聞いた瞬間、手にした食器を地面に叩きつけた。
木でできた食器は、壊れはしなかったものの、大きな物音に皆が驚いて振り返る。
アリーナは、自分の行動に自分でも驚いたが、ルーシアを睨むと声を張り上げた。
「何よ、食べなくてすむんだったら、食べないでよ!
食べ物がいつもいっぱいあるわけじゃないんだから!」
アリーナのいつにない乱暴な態度に、クリフトが叫んだ。
「姫様!」
その厳しい声音に、アリーナは思わず身構えたが、反抗的な目でクリフトをにらみ返す。
クリフトはそれを見てため息をつくと、ルーシアに、
「少しの間、この鍋を見ていてくれますか?」
と言い置くと、アリーナの方を向いた。
「姫様…。ちょっとこちらに。」
アリーナは、頬を膨らませると、しぶしぶクリフトに付いて行った。
皆から離れると、クリフトは静かな声でアリーナに尋ねた。
「姫様、最近、一体どうなされたのですか?」
「…。」
「確かに、ルーシアは、何かと我々とは相容れない部分があるかもしれませんが、
地上人ではないのですから、多少は仕方ないじゃありませんか。」
アリーナは、相変わらず頬を膨らませたままだったが、ふとあることに気がついた。
「クリフト…。何でルーシアを呼び捨てにするの?」
172:【ルーシア】4/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:23:19 +sx+E7nd0
クリフトが女性を呼び捨てにするのは非常に珍しいことだ。
クリフトはアリーナの質問に面食らったような顔をした。
「姫様、私の話を聞いて…。いえ、ルーシアの呼び名の件は、
彼女がそう呼んで欲しいというものですから。」
天空では、皆から呼び捨てにされていたので、他の呼び方をされると寂しいらしいんですよ、
と優しい目をしていうクリフトに、アリーナの中の苛立ちが再び顔を覗かせる。
「だったら、もし、私が呼び捨てにして欲しいって言ったら、
クリフトは私のこと、呼び捨てにしてくれるの?」
「な、何をおっしゃるんですか。そんな畏れ多いこと、とんでもありません。」
ぶんぶんと物すごい勢いで手を振るクリフトに、アリーナはいつになく距離を感じた。
――今まで、クリフトを遠くに感じたことなんかなかったのに…。
まるで、ルーシアが、自分に取って代わってしまったかのようだ。
アリーナは、じわりと目の奥が熱くなって下を向いた。
そのとき、遠くから能天気な声が聞こえてきた。
「クリフトさーん、お鍋、焦げてますけど~。」
ほてほてとこちらに向かってくるルーシアに、クリフトは額に手をやった。
「ルーシア…。『見ていて』というのは、そういう意味ではないんですが…。」
と、クリフトの額に当てた手がそのまま止まる。
アリーナも、はっと顔を上げた。
2人のそばまで来たルーシアは、不思議そうな顔をして2人を見たが、次の瞬間、
アリーナに突き飛ばされた。
173:【ルーシア】5/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:29:46 +sx+E7nd0
ふう、と肩で息をつく2人の後ろから、ぱちぱちと拍手が聞こえた。
「すごいすごい、お2人は、ものすごく息が合ってるんですね~。」
ルーシアがはしゃいだように手を合わせている。
「もしかして、お2人は恋人同士なんですかあ?」
ルーシアの無邪気な質問に、剣を背中に収めていたクリフトが固まった。
「な、な、な、な、何を!?ルーシア、あなたは…。」
パニックに陥っているクリフトに、ルーシアはのほほんと首を傾げてみせる。
「ええ、違うんですかあ?だって、あんなに息がぴったんこなのに…。」
アリーナも何となく自分の頬が熱くなっているのを感じ、クリフトを見上げた。
クリフトは、赤くなったり青くなったりしていたが、アリーナに見上げられ、
飛び上がるように背筋を伸ばすと、
「そ、そうでした、シチューが焦げてるんですよね!鍋を見に行かないとっ!」
と叫び、焚き火に向かって脱兎のごとく駆け出した。
「へんなクリフトさんですねぇ。」
首を振るルーシアに、アリーナが慌てて言い訳をする。
「あ、あのね、ルーシア、別に私とクリフトは恋人なんかじゃないよ。」
「ええ、そうなんですかあ?でも、お2人の間には、他にはない強い絆が見えますよお。」
天空人の私には分かるんです、と胸を張るルーシアを、アリーナは疑わしそうに見つめたが、
それでも、ルーシアの言葉はアリーナの胸にほんわりと暖かく広がった。
――強い絆、かあ。
何となく、頬が緩んでくるのが分かる。
さっきまでルーシアに感じていた苛立ちも、何故か嘘のように消え去ってしまったようだった。
174:【ルーシア】4.5/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:33:55 +sx+E7nd0
うわわ、1つレス飛ばしちゃいました!
173の前に、こちらをお読みください…!
「きゃあ、何するんですかあ!」
アリーナは、ルーシアの前に立つと、背中でルーシアに声をかけた。
「そのまま、立たないで!向こうの木まで這って移動して!」
既にクリフトは、アリーナの横で剣を構えている。
2人の視線の先を追ったルーシアは、ブルホークの集団が森から現れたのを見てとった。
「うわわ、これもまた、初めて見るモンスターですね…。」
のん気に呟くルーシアに、アリーナが叫ぶ。
「ルーシア、早く!クリフト!」
アリーナの声に、クリフトが、はい!と答えてスクルトの呪文を詠唱する。
防御の光が完成すると同時に、アリーナは前に飛び出した。
その隙にクリフトはルーシアを抱えて、ほとんど放り出すように木の陰に置いた。
「いたた。乱暴ですねぇ。」
ルーシアの抗議に全く耳を貸さず、クリフトは踵を返すとアリーナの元に走り寄った。
「姫様!」
ブルホークの鋭い角で怪我をしたアリーナにすかさずべホイミをかけると、
クリフトは手近の1頭を剣で切り倒した。
回復したアリーナが再び前に出てブルホークの横面を蹴り飛ばす。
アリーナが奮闘している後ろで、クリフトは左手を掲げ、死の呪文の詠唱を始めた。
「闇の遣い魔達よ、我が呼び声に答えよ…。」
クリフトの左手に黒い気が溜まる。
クリフトがアリーナに声をかけた。
「姫様!」
それに応じてアリーナがクリフトの横に飛びずさった。
「ザラキ!」
魔物達は、一瞬にして灰となった。
175:【ルーシア】6/7 ◆XJ3Ut0uuQQ
07/03/16 13:36:40 +sx+E7nd0
うーん、流れが悪くなっちゃったですね。
これは、173の続きになります。174→173→このレス、という順で読んでください…。
それからというもの。
「アリーナさん、見てください~!すごいきれいなお花ですう!」
「わあ、ホント!ねえ、クリフト、これで花冠作れそう!?」
ルーシアの行動にアリーナが便乗するようになり、旅の進行はさらに遅れることになった。
「何なんだよ、あいつら…。アリーナ、一体どういう風の吹き回しなんだ?」
勇者は御者台の上で胡坐をかいて、花冠を作り始めた3人を眺めていた。
その後ろから、マーニャが顔を出した。
「大方、クリフトに『姫様が一番大事です』とか何とか言われたんじゃないの?」
いつものことじゃない、と笑うマーニャに、
「ったく。まあ、この前みたいにピリピリされるよりはいいけどさ…。」
旅が進まねえんだよなあ、と勇者はため息をついた。
その後、何とか天空の塔までたどり着き、いろいろあったが、一行は、
ルーシアと別れを告げ、再び旅を続けることとなった。
のべつ幕なしに歓声を上げていたルーシアがいなくなり、一行の日常は元に戻ったが、
「何だか、あの『見てください~!』が聞こえないと、妙に静かに感じるわね~。」
伸びをしながら言うマーニャに、クリフトがうなずいた。
「いなくなってはじめて、人の良さってわかるものですね。
いえ、ルーシアは一緒にいるあいだも ちゃんといい子でしたけど。」
慌てたように付け加えるクリフトに、マーニャがニヤニヤと笑った。
「あんたは大変だったものね~。ルーシアに付きまとわれたおかげで、
大好きな姫様のお世話もロクにできなくてさあ。」
マーニャの言葉に、クリフトが真っ赤になる。
クリフトの隣にいたアリーナも、一緒になって赤い顔をした。