07/10/04 22:03:41 247Uv5hc
>>438
「もうあかん…一家心中しかないわ…」
負債を抱え、もはや倒産寸前となった町工場の主人はつぶやいた。
景気回復など所詮自分たちにとっては幻。大企業だけがおいしい思いをするのだ。
「同じ伏見の地で…爺さんの頃はウチと同じ様な小さな町工場やったのに…」
そう言って彼は遠くを見つめた。その方向は今や日本を代表する企業に成長した、
任天堂の本社があった。
「爺さんはあそこの放蕩息子をえろう可愛がったと聞くが…今ではすっかり殿上人や」
涙をこらえて立っていると、息せき切って娘の真理子がやって来て叫んだ。
「お父ちゃん!注文や!よう分からん物体を、なんと1000万個も!!」
「何や、このみのもんたの頭みたいな物体は。しかしこれを1000万個も
ウチみたいな町工場に頼むとは、一体ドコの酔狂な企業や」
これで倒産はまぬがれたのではあるが、あまりに非現実的な現実に立ちつくしていると、
工場の前に一台の黒いリムジンが止まった。
「懐かしいなあ。ここには昔、若い頃放蕩三昧やったワシを叱ってくれたお人が
おられたんや」
後部座席から降り立った老人はそう呟いた。