07/01/20 10:29:22
脳裏に思い浮かんだのは……
4.眼鏡
男「ほら、行くぞ」
男が強引に掴んだ腕を引く。
客女「(ど、どど、どうしよう…?!)…あ、いや…あの」
内心あわてまくる客女の耳に、冷静この上ない声が聞こえてきた。
眼鏡「今度は何をやらかしたんだ?客女」
客女「(私が悪いって決め付けかよ!いや、そうなんだけど)……眼鏡!」
憎たらしいことこの上ないが、今は眼鏡も天使に見える。
男「なんだニーチャン、邪魔すんじゃねーよ。
こいつがぶつかってきて、俺は複雑骨折だ。オトシマエつけてもらわねぇとな!」
眼鏡「……複雑骨折。それは大変だ」
そういって客女をつかんでいる男の腕をつかむ眼鏡。
眼鏡「人がぶつかったくらいで複雑骨折とは…。
カルシウム不足ではないか?食生活の改善を薦める。
骨折の治療も必要だろう?幸い僕の家は病院だ。診てもらおう」
眼鏡は男をそのまま連れて行こうとする。あわてたのは男のほう。
男「え?病院!?、あ、いや……、俺にも行きつけの病院あるし……」
急にしどろもどろになる男。
客女「(そりゃ、なんともないのに病院つれていかれたら困るよなぁ)」
眼鏡「そうか?それなら早く行ったほうがいい。
複雑骨折なら、さぞ痛かろう?何なら救急車を呼ぶが?」
まじめな顔で、携帯電話を取り出す眼鏡。
男「き、救急車!?いや、大丈夫だ、一人でいける」
男は客女の腕を放すと、眼鏡の手を振り払い走っていってしまった。
客女「(ここはお礼を言っておかないと)…眼鏡……あの」
客女が素直にお礼を言おうと口を開くのと同時に、眼鏡もため息をつきつつ口を開く。