07/09/29 20:45:06 Zzcuu3tX0
「お前、まさか文を知っているのか?」
「初対面」
エレベーターが止まった。もうスズメの部屋はすぐそこだ。
キツネは一応、ノックしてみたが返事はない。
当たり前だが、扉には鍵がかかっている。IDチェックのオートロックだ。
「じゃ、私のIDであけてみようか」
ルビはスペシアル・ハンターにID見せた後、IDを捨てたんじゃ……
ルビはカードをキースペースに差し込んだ。…開いたようだ。
フミといいルビといい、いったい何者なんだろう?
部屋の中は無人だった。荒らされているようだ。
スズメの手がかりを探すべく、キツネは壊されていないパソコンを調べてみた。
「このファイル『キツネへ』って書いてあるよ」
クリックするとパスワード入力画面が現れた。キツネは迷わず『BAROQUE』と打ち込んだ。
『キツネへ。オレは、あらゆる場所にいるためのメロディの再生に成功した。
キツネにも聴かせてやってもいい。けど、その前にオレが感覚球がらみで集めたネタを見せてやる』
最初のバロック・マーダーといわれる”放課後屋上殺人”を筆頭に、文書だの画像だのといったデータの博覧会が続いた。
キツネはその中から”マルクトという単語を見つける。
―マルクト。現時点では小規模の宗教集団。信じることで神に救われるとするこれまでの宗教とは違い、
マルクトでは、神は我々が守らなければならない存在であり、守ることにより人は癒される、という教えを説く。守るべき力のある人間は限られている。
よって、マルクトは積極的な広報活動を行わず、教団内の特定の地位にある人間が、教団に加えたい人間を調査して選び、勧誘する方法をとっている・・・・・・。
画面の脇に、羽の絵の小さなアイコンがある。
『マルクトは怖い。マルクトに気をつけろ』
スズメは恐れて警戒していたマルクトという宗教団体に”選ばれて”しまったというのだろうか? いや、マルクトは教団というより秘密結社に近い。
その時、ルビがあるものを見つけた。
天使の…羽だ。よく見ると、部屋のあちこちに羽が散らばっている。
やはりスズメはマルクトの天使達にさらわれてしまったようだ。
「んっ…!」
画面の下に『タランテラのメロディ』というファイルがある。キツネは念のため、それをディスクにコピーしておいた。
259:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/29 20:45:54 Zzcuu3tX0
事務所へ戻ったキツネはさっそく裏ネットにアクセスした。
『マルクト』『天使』『異形』の3つについて調べてみたが、めぼしい情報は得られない。
キツネが大きなため息とともにパソコンの電源を落とそうとした、その時―
「ん?」
1通のメールが届いたようだ。
件名:神経塔へのご案内。
いつもマルクトをご愛顧いただきましてありがとうございます。
つきましては、ささやかなお礼としてキツネ様をマルクトの本部へご招待したく思っておりますので、 お早めに下記アドレスへお越しください。
なお、ゲートの通過に必要なコードナンバーは108B49Zとなっております。
あまりに怪しい。しかしこれ以外に手がかりがないのも事実だ。今のところ、イニシアチブを握っているのはマルクトの方なのだから。
「いくしかない…か」
「そうこなくちゃ。スズメさんを助けなくちゃね!」
ルビはにっこりと微笑みかけた。
キツネはルビの存在に自分が救われているということを、ふと、思った。―その時だ。
ドドドドドドド…ゴオオオオオオ!
「なんなのよ!」
「しゃべるな、舌をかむぞ!」
激しい揺れで部屋中のものが散乱していく。
「もう、ヤダ!さっさと終わらせてよ!」
ルビが悲鳴にも似た叫び声を上げると、揺れはウソのようにおさまった。
「あーあ、メチャクチャ…」
後で片付けることを考えると…キツネはめまいに襲われた。
二人は地震の被害状況を確認するべく、テレビをつけた。
260:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/29 20:48:03 Zzcuu3tX0
以上がルビ編の第2章です。
残りは明日投下します。
261:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/29 21:11:17 ZTTThNKv0
「バルクスラッシュ」
ナイラ・サベージのED
温泉が趣味のナイラは、秘湯を求めて前人未到の山奥へ。
遂に発見した温泉に、大喜びで入るナイラ。
その後では、大量の荷物に押し潰されるようにへたばっている
主人公の姿が。彼はナイラの荷物持ちとしてコキ使われていたのでした。
※ナイラの身体はお湯に隠れてるだけで、確か水着は付けていなかったはず。
262:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/30 02:41:25 pKO8pgf20
バルスクラッシュに見えた
. \バルs…/ /二入 < // \\ ll ll
 ̄V ̄ ̄ /:レNルイl <// \\
/三} l::/tュ,tュ リ < // |.|
タ答`. _'ヽト呈/ <ノノ |.レ
,-rFテキn,.t´`y─-ト-'^i、 < ニニフ
/./:l ! l::、巡mn., ) )< //
ニl::| .! |:::`、 ィ~ /=' <//\\
i┬┬イ  ̄/ニニ◎ニ| | ^Y^Y^Y^Y^Y^
263:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/30 06:37:49 P81Rspcz0
ACE3 をお願いします。2の直接の続編と聞いたのですが
264:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/30 12:58:28 zFsgECii0
大体コンプしたが2はやってないから繋がりがわからん
265:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/30 13:47:41 bgTbZtsv0
ポケダンの人ありがとうございます。
>ポケダンは細かい心理描写やら何ならあってこその泣きゲーだと思うんで
そこんとこ、わかります。
こちらも気長につき合わせてもらいます。
266:ポケモン不思議のダンジョン 時/闇の探検隊 ◆xaO.wX5E1U
07/09/30 15:53:26 DgDhPVUJ0
●3章:じくうのさけび
バネブーの依頼達成の翌日、ペラップからまた別の仕事を頼まれる。
ペ「依頼掲示板は2つある。昨日の依頼は、この左の板から取ったもの。救助や護衛依頼が主だ。
そして今日からは・・・この右の掲示板の依頼もこなしていってもらおう♪ こっちは初めてでは
大変だから昨日は手を付けなかったんだが・・・【おたずねもの】、指名手配犯の逮捕依頼だ♪」
「おたずねもの」と聞いてビクビクするパートナー。
ペ「・・・ここだけの話なんだが、最近なぜか、【一部の地域の"時"が止まってしまう】という事件が各地で起きていてな、
そんな騒ぎのドサクサに、悪巧みをしたり犯罪に走る悪いポケモンも増えてるのだ。その取り締まりも、ギルドが
請け負っている大事な仕事の1つなのだ♪ 昨日の仕事ははワタシが見繕ったが、今日からは自分で選ぶように♪
まあ初めてでは色々と分からないだろうから・・・お~い、「ビッパ」! 新入り二人に選び方とか色々教えてやってくれ♪
それから2人とも、ギルドを下りた所にある『トレジャータウン』で買い物して、冒険の準備を整えておくといい♪ じゃあな♪」
「ビッパ」は、2人より少し前に入ったばかりの見習い。「あっしにも、ついに後輩ができて・・・感動でゲス~!」
救助依頼や指名手配依頼について、またギルドの施設についてより詳しく教えてくれる先輩ビッパ。
ビ「もちろんお尋ね者依頼も、高いランクほどいいお礼がもらえるでゲスが・・・お尋ね者も高いランクほど強いのが
いっぱいいるから、最初はムチャしないほうがいいでゲスね。 ところで2人とも、買い物で道具を揃えてきたら
どうでゲスか? あっしはここで2人の帰りを待ってるでゲス。その後改めて2人に見合った依頼を選ぶでゲス。」
初めて「トレジャータウン」にやってきた主人公達。今はまだ休業中の店も多いようだが、「双子カクレオンの店」は
ちゃんと営業していたので大丈夫。と、買い物に向かおうとしたが先客が。 店先で買い物をする幼いポケモン2人・・・
マリルとルリリの兄弟だ。 マ「え~と、リンゴ3つ下さい!」 ル「く~ださぁい~」
カクレオン「いや~、病気がちの母に代わって毎日買い物とは、ホントにエラいボウヤ達だよね~」
が、店を出ようとした時にハプニング。ルリリが転んでリンゴを落としてしまう。コロコロと転がっていくリンゴ。
スリープ「ハイ、落し物ですよ。」 通りがかりのスリープが、転がるリンゴを拾ってくれた。
兄弟「どうもありがとうございます!!」 ス「いや何、困っている人を見つけたら放っておけないだけですよ。」
ス「よかったら、二人のおうちまでお送りしましょうか?」「え、いいんですか? それじゃお願いします」
(何故「見送り」まで・・・)と考えるヒマもない間に、スリープの肩が主人公にぶつかる
ス「おっと、これは失礼。」
パ「みんな良い人たちだったね! 見ててこっちもうれしい気分になっちゃった・・・主人公?」
主「何だろう、・・・目まいがする? え・・・? 誰かの声が聞こえる・・・? うわっ!!!」
(スリープ「―言うとおりにしないと、痛い目にあわせるぞっ!」 ル「おにいちゃぁ~ん! 」)
・・・何だったんだ、今見えた光景は? あの優しそうなスリープが、ルリリを脅していた・・・?
主(今、誰かの声がしなかった?) パ「・・・? いや、誰も。」 カクレ「私らも聞いてませんよ。空耳では?」
目まいの間に見た出来事を半信半疑でパートナーにだけ話す主人公。
パ「ええっ!? でもあのスリープさんって、どう見てもいい人っぽかったけど。気のせいじゃないかなぁ」
気のせい? いや、あれはそんな生易しい感覚じゃなかった。でも・・・ 説明がつかないのでギルドに帰ることに。
ビ「それじゃ、安全そうな依頼を・・・と、(ケイコク! ケイコク!) !?いけない、更新の時間でゲス!
2人ともボードの前から離れるでゲス~!」 数秒後、回転トビラの要領でいきなり裏返る掲示板。
「新たな依頼は、ジバコイル保安官から、ダグトリオの各地に掘ったトンネルネットワークを通じて
こうして来るんでゲス。ダグトリオの仕事はこうして新たな依頼や緊急指名手配が来たとき、掲示板を
張替えることでゲス。裏方の地味な仕事だけど、彼は毎日休まず誇りを持ってやってるんでゲス。」
やがて再び表返り、新たな依頼が貼られた掲示板。それを見た瞬間、パートナーが青ざめた。
パートナー「しゅ、主人公・・・、掲示板のあの写真って、まさか・・・」
「指名手配! お尋ね者:スリープ!!」
267:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/30 20:56:50 CnqLFeWM0
■ルビ編・第3章
『先ほどの地震の震度は…』
派手な揺れからをしたわりには、国内の被害はたいしたことなかったらしい。だが、どうやら海外では大きな被害が出たようだ。
「あそこに住んでた人にとっては世界の終わりだね」
キツネは銃をベルトにはさみ、ナイフと小型の火炎放射器をバッグに入れた。
そして、スズメが残した切り札―タランテラのメロディが入ったディスクプレイヤーをポケットに入れた。
「行くぞ、ルビ」
"都合によりしばらくの間休業します"
メッセージをドアにかけ、二人は神経塔に出発した。
夜の街の光景は変わっていた。
バロックがあちこちに出没し、フェイクの翼を背負った男女がごく普通に通りを歩いている。
マルクトは目に見えて存在を大きくしていた。教団としての活動はほとんど公開していないにもかかわらず、信者になりたがる人間は多いらしい。
「スズメがマルクトに殺されている可能性はないのか?」
「うーん、それは無いと思う。だって、天使の仲間にするためにさらったんでしょ?殺したらイミないよ」
すると、ありえるのは洗脳か。
「急ごう、ルビ」
二人はタクシーに乗り特別地区に急いだ。
268:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/30 20:58:00 CnqLFeWM0
特別地区はゼロ地区地は別の方向にある、国の中枢機関がすべて集中している場所だ。
「あれじゃない?メールに書いてあったゲートって」
特別地区へは島から放射状に伸びている橋を使うことになっており、その橋はゲートをくぐらないと渡れない仕組みだ。
その時、堤防の上にフミが現れた。
あのメールを出したのはフミだったのか?だがフミは違うといった。
「キツネが試練をクリアできるかどうかは、見ておきたいんだ」
「キツネ、囲まれてる!」
いつの間にか二人は、金属の槍を構えた信者達に囲まれていた。
キツネは信者の後ろに異形の姿を見つける。
―何故、マルクトとともに異形が!?
異形の後ろにいた格上の天使の青年の合図で信者がいっせいに槍を振り上げる。
キツネは銃を構えようとしたが、異形につかまれて身動きできなかった。
「ぐあああぁっ!!!」
今にも握りつぶされそうなキツネ。ルビはとっさに手に持ったナイフを異形に投げつけ、キツネを助け出した。
「頼む、レイカ、暴れないでくれ…しかたがない…」
レイカ?あの異形には名前があるのか?
青年はフェンスの上に飛び移った。それからフミとしばらく会話した後、奇妙な銃を異形に撃つ。弾は異形の後頭部に当たった。
すると、異形が激しく暴れ、火球を吐き出した。それにより、信者の一人が炎につつまれる。
火球は放置していたキツネの荷物にも当たった。中身は小型の火炎放射器だ。
もう一人の信者を巻き込んで火はさらに広がっていく。
キツネは異形を狙って銃を撃ったが当たらない。しかたがないので、火の中なおも狙ってくる信者達に狙いを切り替えた。
あっという間に弾が切れてしまうが、補充する時間はない。
その時、遠くからヒュルルという音がした。キツネはとっさにルビを抱えて地面に伏せた。
空から降ってくる異形と巻き込まれた不運な信者の肉片と血の雨で火の勢いが弱まる。
どうもスペシアル・ハンターがきたようだ。翼の青年とフミは何処かへ消えていった。
ハンターたち道路に散らばる肉片の後片付けを始めた。
キツネの元にタスクが歩いてくる。
「あの連中は助けなくていいのか?」
「そのうち、マルクトから引き取りにくるでしょう」
タスクがいうには、ハンターはマルクトに不干渉であり、入信が報告された時点で、ベーシックIDが削除されるから、助ける必要がないそうだ。
常識では本人が望んでも死亡以外ではIDは削除されない。
ということは、国が徹底的にマルクトに関知しないようにしているか、マルクトが国上層部にまで影響力を持っているかのどちらかだが…
「僕はあなたが異形に襲われた事情を上に報告しなければなりません。以前申告されたIDによればあなたは―あ!」
二重IDがバレるとまずい。
「悪いな、タスク」
二人は大急ぎでその場から逃げ出した。ゲートまで後すこしだ。
269:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/30 20:58:37 CnqLFeWM0
『コードナンバーを入力してください』
キツネは[108B49Z]と入力した。ゲートが開く。
「ハンターが来たわ!」
特殊車両からタスクが銃でこちらを狙っている。
キツネはいそいで走り出したが、ルビはゲートのボタンを押している。コードの変更だ。
ハンターたちはキツネたちを追おうとしたがゲートが閉じてしまう。
タスクが本当にキツネたちを殺そうとしたのかはわからないけど、キツネにはタスクが困ったような顔をしているように見えた。
「もう聞いていいか?おまえがただのプーのわけはないな。何のために私に近づいた?何故、ここまで一緒に来たんだ?」
「…それはアイツに聞いてくれる?」
フミだ。ヘッドホンのようなものを耳にはめている。
「ここへ入るなら、これをつけないと危険だ。…そのままだと、神の悲鳴でたちまちバロックにされるけどいいの?」
キツネとルビは忠告に従い、ヘッドホンをつけた。
「ここは神が近いせいで歪みも大きい」
フミは語る。この国はマルクトがどうにか守っているから、歪みが比較的少ない。多少地面が揺れる程度だ。
天使は神を守る存在。異形は神に見放された者たち。
「ルビとフミはやっぱり知り合いだったんだな。あの時は初対面だと言っていたが」
「会ったことのない知り合いもいるでしょ」
つまり、フミに例のディスクを渡されてから起こった全てがマルクトの試練だったのだ。
「それで、とうとう最後の試練。スズメはこの奥でキツネを待っている」
三人は巨大な建物の前にやってきた。神経塔だ。
そして、地下深くへと続く巨大な螺旋階段をおりていった。
フミは翼こそないがこれでも偉い天使らしい。
「ルビと僕は夢と理性を二人で一つ分しか持っていないからさ」
階段はとても長かった。キツネが例のディスクを聴かなかったからルビがキツネの元へやってきたらしい。
ルビがIDがなくても生活できたのはそのせいか…
「背中の傷もウソだったのか?」
「傷?…その夢は共有していないな」
フミはルビの傷のことを知らないようだ。
「だって、あれは私とキツネだけのバロックだもの」
階段はまだ続いていたが、フミは途中の扉を開けた。
270:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/30 20:59:32 CnqLFeWM0
そこにいたのはスズメだった。スズメは医者の着るような白衣を着ていた。目つきも話し方もしっかりしていて、バロックのそれとは明らかに違う。
「私はお前を助けるために…」
「助ける?俺が人に助けられなきゃいけないハメに陥ると思うのか?
…俺はタランテラのメロディを探るうち、神と天使の存在を知った。そして俺には、天使以上に重大な役目があることを知った」
―スズメは洗脳されてしまったのか?
「行こうか?」
「どこへ?」
「決まっているだろう。神の所だ」
キツネが振り返ると、フミの姿はなく、ルビが倒れていた。スズメがいうには”先にいった”らしい。
「先に行った…?魂が肉体を抜け出して?」
「それはタランテラのメロディに導かれてくる者なら、知らない言葉だ」
キツネがもう一度”魂”というとスズメが取り乱した。
「駄目だ!やはり試練は中止だ!」
キツネが声が聞こえるほうを振り向くと、人間が二人降りてきたのが見えた。
一人はさっき会った翼の青年。もう一人はさらに大きな翼を背負った神経質そうな金髪の男―上級天使だ。
「やはり、この男は規格外の失敗作だ…選ぶなら、なんで最初からこっちが選ばれなかったんだ?」
「さあ。僕と同じで、誤差の範囲ではないでしょうか」
「偽物の神なら誤差も出るだろうな」
キツネがそういうと青年は少し顔色を変えたが、上級天使は眉ひとつ動かさなかった。
「誤差なら、修正すればいい」
上級天使はそういい、銃口をキツネに向けた。
スズメは上級天使に詰め寄ったが、相手にされず、上級天使の命令で青年に何処かへ連れて行かれた。
271:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/30 21:02:07 CnqLFeWM0
「祈らないのか?…さっきの青年が私を殺そうとしたときは、ちゃんと祈ってくれたぞ」
「祈り?くだらないな」
さっきまで眉ひとつ動かさなかった上級天使の表情が曇る。
―上級信者のくせに自分たちの教えを否定するのか?
上級天使がキツネを撃とうとした、その時、さっきまで倒れていたルビが身をのりだした。
ルビを撃った上級天使は続けてキツネを撃とうとしている。キツネはとっさに銃を取り出して撃とうとしたが、弾が入っていない。
そのまま銃を上級天使目がけて投げつけた。
「チッ…!」
銃は上級天使の翼を突き破った。上級天使が舞い散る羽に気を取られている隙に、キツネは銃を奪い取ることに成功した。
そして、上級天使が態勢を立て直すより先にその銃を構える。
「ルビ…」
だが、答えはない。ルビはもう息たえていた。
”おまえがマルクトの手先だとしても、けっこう楽しませてもらったよ”
キツネは心の中でそうルビに語りかけると、ルビの亡骸をその場に寝かせて背を向けた。
胸ポケットの感触を確かめた。ディスクはしっかり入っている。キツネはそれを取り出した。
「タランテラのメロディだ。おまえたちマルクトが信者達を洗脳するためにこれを使ったのはわかっている。
…でも、私は知っている。踊る病気の治療法は死ぬまで踊り続けることなんだ。つまり、このメロディを聞き続ける事で洗脳から醒めることも出来る。違うか?」
上級天使はわずかに片眉を上げた。
「…洗脳だと?まだ我々がそんなことをしていると思うのか?」
キツネがプレイヤーの再生ボタンを押そうとした、その時、上級天使は駆け出し、突き当たりの壁に手を触れた。
「バカめっ!」
頭上から上級天使の声が聞こえた。照明が落ちた。
武器を構えた信者達がやってくる音が聞こえる。
『そのまま、右へ26歩走って。手を伸ばせば、螺旋階段の入り口が開くわ。それから、31回まわって下りたところの扉を開けて』
「ルビか!?」
『急いで!』
キツネはルビの言葉に従い、右へ26歩走り、螺旋階段へ飛び出した。信者達が迫ってくる。キツネは急いでルビの言っていた部屋へ駆け込んだ。
その部屋は壁にも天井にも機械が埋め込まれいた。中央には、フミと、キツネに銃を向ける翼の青年がいた。
やはり、試練だったのか?ルビの声とフミの意識を使い騙していたのか?
青年はキツネにディスクを再生してみるよう言った。キツネの説が正しいなら、青年の洗脳がとけて、キツネは殺されずにすむと。
「キツネ…この人は、わたしやキツネの仲間よ。わたしたちはマルクトの失敗作で、この人は…」
「黙れ。それ以上言えば世界が燃える」
意識の共有。キツネは少しゾッとしたが、かまわず、ディスクをセットした。
音楽が流れるや否や青年は耳をふさいで、その場に崩れた。
『緊急事態。最深部のシステムに異常発生。循環液が流出します』
272:BAROQUE▲SYNDROME
07/09/30 21:02:39 CnqLFeWM0
「逃げて、キツネ。塔の中が洪水になる」
螺旋階段のはるか下から水が迫ってくる。
キツネが一度だけ後ろを振り返ると、フミがばいばいと手を振っているのが見えた。
「キツネが失敗作でよかった」
それがルビの言葉かフミの言葉か、もうわからない。
階段の途中にスズメがいる。
キツネはスズメに一緒に逃げるよう言うが、スズメはやるべきことがあるからいけないという。
「やるべきこととは何かを、いつか、聞かせてもらうからな」
「ああ、上の世界でな」
キツネはもう振り返らず、ひたすら上を目指した。
階段も一階あがるごとにメロディに崩されていくようで、ついに音と水とにのみこまれる。
水の中、キツネは幻を見た。
水は神の涙で、死んだはずのルビが水の中を漂っている。そのうち背中の傷から本物の翼が生え、ルビは翼を広げて、光る世界へのぼっていくのだ。
神のことも世界のことも、なにひとつ知てることはできなかったが、あの少女を少しの間楽しませ、帰るべき場所へ解放することの成功した。
―これが私のバロックだ。人にバロックを売ってきた私が、やっと自分のバロックを手に入れることができたのだ。
キツネは意識がタランテラのメロディと混じり合い、水に溶けかされていくのを感じた…
キツネがタスクたちに発見された時、見知らぬ青年に抱えられていたという。その青年は「羽は捨てた」とだけ答えたそうだ。
回復後、キツネは色々と取調べを受けたが、マルクト不介入の規律に従い、青年のことは追求されなかった。
マルクトは滅びず、むしろ前より勢力を増していた。
キツネには、マルクトの翼は不安な現実という地面から逃れるための翼に思えた。
スズメからは今のところ連絡はない。
しかし、キツネには厳しい監視がついているため、もう神経塔へは行けない。できるのは無事を願うことだけだ。
キツネはタランテラのメロディを聴いてしまったため、語るべきバロックが終わっている。
もしも、あの青年に再び会うことが出来たら、あらゆる場所や世界について、答えを聞かせて欲しい。
願わくば、世界が燃えてしまう前に。
ルビ編(終)
273:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/30 21:06:42 CnqLFeWM0
ルビ編は以上です。
一応本筋とはあまり関係ないやり取りなんかは飛ばしました。
次はリエ編を投下したいと思いますが、それまで結構間が開くかもしれません。
ルビ編以外を期待している方はもう少々待ってください。すみません。
274:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/30 21:52:32 ZT9HuIWL0
>>273
乙!
前作とのリンク上、世界崩壊確定してるっていう
儚さがいいな。
275:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 19:12:02 RKYJbCLb0
>>211
ロックマンゼクス アドベント投下。
今作はどうにもストーリーが適当なので、
独断で簡単なまとめとネタバレ登場人物紹介に留めます。
276:ロックマンゼクス アドベント
07/10/01 19:15:50 RKYJbCLb0
人間とレプリロイドの長い戦いは終結し、
人間にはレプリロイドと同じの強靭な身体を、
レプリロイドには人間と同じ価値有る人生が
戦後に設立された連合政府レギオンズによって確約された。
本作は前作のロックマンゼクスから数年後の話。
レギオンズの最高指導者:三賢者のアルバートが反旗を翻し
ロックマン・モデルAとなった新主人公がアルバートを倒して彼の野望を止める。
超簡単にまとめるとこんな感じ。各ステージの流れは以下。
主人公別のOPステージ(変身不可)
→ハンターギルドへ加入。輸送列車の護衛任務で襲撃を受け、モデルAに変身可能に。
→三賢者からモデルA解析の為、レギオンズ本部への投降を指示される。
→本部への唯一の移動手段である列車を直す為、部品を取りにいく(ボス4体撃破)
→本部に行くと、何故か突然アルバートが本性を出して人類に反乱。
→各地で異変を起こしているモデルVを調査(残りのボス撃破+前作主人公と遭遇)
→アルバートのアジトへ。プロメテ+パンドラ撃破。アルバートが完全体になる。
→全てのモデルVが合体した要塞ウロボロスで最終決戦。
『ネタバレ登場人物解説』
【男主人公:グレイ】
寂れた研究所でコールドスリープについていた少年。
過去の記憶が無いせいで臆病で大人しい性格。
その正体はアルバートのクローンで、計画失敗時のスペアボディだった。
そのためモデルAに変身できる。
【女主人公:アッシュ】
ハンターギルドに所属するベテランの女性ハンター。
グレイとは逆に活発で単純な性格。
アルバートの遠い子孫だったため、モデルAに変身できる。
277:ロックマンゼクス アドベント
07/10/01 19:22:45 RKYJbCLb0
【ライブメタル:モデルA】
最近ハンターによって発見された謎のライブメタル。
二挺拳銃によるロックオン攻撃と、データコピーによる変身能力が特徴。
記憶が無く、逃げ腰の生意気な性格で一人称はオイラ。
その正体はアルバートの計画失敗時のバックアップであり、モデル・アルバートの略。
ロックマンXシリーズのア○セルとは全く関係ありません。ファン涙目wwww
【前作ライバル:パンドラ/プロメテ】
主人公の前に度々現れる二体のロックマン。
計画実行の手駒としてアルバートが最初に作ったロックマンであり、
調整を受けなければすぐ死んでしまう身体の為、表向きは彼に従順に従っている。
アルバートの計画を妨害するため暗躍するが失敗。主人公に倒されて死亡する。
【敵ロックマン:ヘリオス/アトラス/シャルナク/テティス】
主人公の行方を阻む4体のロックマン。前作に登場したモデルH、F、P、Lの
適合者であり、それぞれが歪んだ平和主義者である。
主人公と戦うが逃亡。続編があれば出てくると思う。
【前作主人公:ヴァン/エール】
前作に引き続いてロックマンZXとして登場。外見は長髪になってる。
何者かに強奪されたライブメタル・モデルH、F、P、Lを探している。
主人公がグレイならエール、アッシュならヴァンが出てくる。
最終決戦時に主人公の盾になって4体のロックマンと戦うが
その結果モデルZも行方不明になってしまい、続編ではモデルXのままだと思われる。
278:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 19:24:31 RKYJbCLb0
【三賢者:アルバート】
何故か急に人類へと反旗を翻した三賢者の一人で本作のラスボス。
産まれ立ての人間やレプリロイドの調整を担当しており、前作で言うところの『あの人』。
ゼロシリーズのDr.バ○ルとは関係ありません。ファン涙目wwwww
クローンを使って若い体で蘇り、真のモデルAへと変身する。
神を自称し、人類の粛清を目的としていたが、主人公に倒される。
【三賢者:ミハイル】
三賢者の一人。主に情報管理を担当。
マッドサイエンティストっぽい喋り方だが性格は一番マトモである。
多分、続編でサポート役として登場するだろう。
【三賢者:トーマス】
三賢者のリーダー格。マニアモードクリア時の隠しエンディングで、
アルバートに共感して、何故か急に人類へと反旗を翻す。
モデルHらを強奪したのもコイツの仕業らしい。続編のラスボス候補。
【ガーディアン司令官:プレリー】
最終決戦時にガーディアンは出てくるのに彼女は出てきません。
俺涙目wwwww
279:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 19:26:24 RKYJbCLb0
以上、ロックマンゼクス アドベントでした。
正直、本作のストーリーは微妙…
まぁ心配ないさ。ゼロシリーズも3から盛り返したんだし。
280:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 19:42:32 7MF0sMs20
アルバートとかトーマスとか無茶苦茶弱そうな名前だよな
英語の教科書でエミリーなんたらと会話してそうな雑魚っぽさ
281:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 20:02:39 V/DwF3Mn0
これはいいまとめ 乙すー
282:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 20:06:53 ye1/Hvs90
ネタバレ登場人物紹介乙w
わかりやすくて簡潔でいいね
283:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 20:13:57 hMPKfh/90
>>282までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。
3ヶ月以上過ぎたので
●途中 から
・無双OROCHI
・火焔聖母
・ペルソナ3、ペルソナ3フェス
●執筆予告がある物 から
・蒼魔灯
・アークザラッド ジェネレーション
・アークザラッドII(詳細に)
・RULE of ROSE
を、それぞれ消しました。
>>239
管理人さんではないですが、対処しました。
これまでの編集履歴が継承されたほうがいいかと思ったので、
もとからあったページの方をページ名変更させ、そちらを存続させてみました。
編集用の共有ユーザー名/passはあります。
前まとめサイトからWikiへの移行作業が行われていた頃に、管理人さんが前まとめサイトに掲載していました。
しかし管理人さんがそのユーザー名/passをスレに書き込んだことは無いので独断で晒すのもまずい気がします。
284:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 21:11:00 UoFx80DR0
>280
補足しておくと元ネタは本家ロックマンのワイリー、ライト、コサックの名前から取っている
ちなみにゼクスアドベントの追加エンディングにてトーマスの裏切り時に敵ロックマン4人組も一緒に現れる
285:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/01 21:21:52 brZ1pEbL0
アルバート・ワイリー、トーマス・ライトだな。コサック博士は忘れた。
286:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/02 11:04:29 9p5kIKWh0
URLリンク(ranobe.com)
ミハイルアッー!
プロパンコンビは死んだかどうかちゃんと明言されてないけど、ロックマンシリーズではよくあること
287:ポケモン不思議のダンジョン 時/闇の探検隊 ◆xaO.wX5E1U
07/10/02 16:32:43 aGOVgWVq0
―二人を連れて行ったスリープはお尋ね者だった! 「二人が危ない、急ごう!」
依頼選びそっちのけで飛び出す主人公ら2人。その途中で兄・マリルに出会う
「ルリリちゃんは!?」 マ「そ、それが、【トゲトゲやま】に差し掛かったあたりで急に2人の姿が見えなくなって・・・」
(・・・そういえば、あの時一瞬見えた場所は、どこかの山奥のようだった―)
「きっとそこに連れていかれたに違いない! そこで待ってて、ボク達が必ず連れ戻すから!!」
場面変わってトゲトゲやま山頂。ルリリを誘拐したスリープの目的は、山頂にある小さなナゾの穴を調べることだった。
ス「そこの小さな穴の中、きっとお宝か何かが隠された跡に違いないと踏んでいるんだけど、私の体じゃ
その穴には手出しできないのでね。小柄な君の力を貸してもらおうと思い付いたのさ。 大丈夫、言うとおりに
動いてさえくれたら、すぐお兄ちゃんの所へ返してあげるよ・・・」 ル「ここはどこ?、おにーちゃんはどこ!?」
ス「後で合えるってば。さ、それよりその穴に入って中を調べてくるんだ」 ル「いやだよ~! こわいよ~!
おにーちゃんの所へ帰る~!」 ス「あ、コラ! 逃げるなって! ・・・このッ」
スリープ「―言うとおりにしないと、痛い目にあわせるぞっ!」 ル「おにいちゃぁ~ん!」
・・・目まいか幻覚か、とにかくそこで見た光景が、目の前に繰り広げられていた。違うのは主人公ら2人が
今まさに、その現場に居合わせていることだ。 ス「げっ! お、お前ら何故この場所が?」
パ「~お、お尋ね者スリープ! よくもルリリちゃんを! おおおおおお前をっつ捕まえる!!」
ス「何てこった、よりによってお前達ギルドの追っ手か! ・・・って、ん? お前、足震えてるぞ?
・・・ハ~ン、分かった、お前ら、ギルドの者と言っても、まだ新米だな? どおりで見ない顔なわけだ。
その通り、オレは名の通った正真正銘のお尋ね者さ・・・お前達初心者ごときに、そのオレが捕まえられるか!?」
(~戦闘~)
スリープを戦いでねじ伏せた二人。直後にジバコイル保安官と部下コイル達が到着したのだった。
保安官「オタズネモノノ カクホニ ゴキョウリョク カンシャイタシマス! レイキンハ アラタメテ
ギルドニ イレサセテイタダキマス デハ!」 「キリキリ アルケッ!!」 ・・・スリープはこうしてしょっ引かれていった。
マリルとルリリの兄弟は無事に再会でき、主人公らは入隊早々お尋ね者討伐に成功ということで
外でも内でも誉められっぱなし、感謝されっぱなしのまま、長い一日はようやく幕を閉じたのだった。
●4章:みはりばん
スリープ事件以来、またコツコツと救助依頼をこなす毎日を送っていると、ある日別の仕事が来た。
見張り番の「ディグダ」が仕事でギルドを空けるため、見張りの代役をやってくれ、とのこと。
ギルドの入り口手前の床には格子枠がはめてあるが、それが実はのぞき穴で、ディグダはそれを
下から覗いて足型を見ており、来客のポケモンが誰なのかを判断していたのだ。で、それを皆に聞こえるよう
大声で知らせ、見知らぬ者なら警報するのがドゴーム。 パートナー(あの時の声はこの2人だったのか・・・)
仕事内容は「足型だけを見てポケモン名を答える」というミニゲーム。 正答率が高いほど勿論褒美も豪華。
つくづく適材適所な配置なんだなと思いつつ、この日は1日見張りだけで終了。
●5章:はじめてのたんけん
ペラップから、とある「滝」の調査を頼まれた主人公たち。 ペ「親方様直々の依頼でな、あの滝には
何かが隠されているとお考えのようだ。お前達、現場へ行って滝の近辺に何か怪しい箇所がないか
調べてくるように♪」 ここの所、人助けの依頼ばかりだった所へ、初めての「未開の地の探検」っぽい
仕事が来てパートナーはノリ気。 「主人公! 楽しみだね!!」
・・・が、現実は甘くない。轟々と流れる滝の勢いは激しく、近寄ることさえままならない。
周囲を調べるにしても、この激しい滝の流れを少しでも浴びてしまったら最後、一気に滝壺の奥まで
叩き落されそうな勢いである。 パ「痛っ! 主人公~、この滝、指先で触れるだけでも弾き飛ばされちゃうよ~」
試しに主人公も触ってみるが、ものの見事に弾き飛ばされてしまった。 パ「こんなのどうすれば・・・」
(・・・!?) その時、主人公に異変が。(・・・また、あの時の感覚、だ)
主人公の脳裏に映るポケモンの影。 周囲を見渡し、距離を取った後、何と勢い良く滝壺にに飛び込んで行くではないか!
パ「主人公、どうしたの?・・・・・・えぇっ!? 今からあの滝に飛び込むだってぇ!!?」
288:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/03 11:38:10 awKrrEXV0
ユグドラ・ユニオンをお願いします。
289:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/04 12:57:49 u1YZo0TT0
FF7の続きをお願いします。
クライシスコアもそろそろクリアした人もいるみたいですから、
7の事も気になってるはずだとおもいます。
是非おねがいします。
290:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/04 13:13:14 uQ4wLrad0
何だよその理由w
291:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/04 16:50:54 jGnnkYnh0
以前来てたFF7の続きクレクレ厨ちゃんだろw
話知ってても、そこまで催促してちゃ書く気もなくなるわ。
完全スレ違いだが、そんなに催促するならして音沙汰なかったら自分で買ってしまうのも1つの手。
292:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/05 00:45:04 v7RViE7b0
東京ゲームショーで配布された「レイトン教授とロンドンの休日」をお願いします。
293:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/05 03:55:31 ugZCcL7I0
☆最終話『さ・よ・な・ら』登場人物
・志田数馬・・・帝国陸軍情報部中尉。若きエリート将校。
・畑中秋之介・・帝国陸軍中佐。温和な紳士。
・利根川潔・・・帝国陸軍情報部員。頑固だが職務に忠実な軍人。
・梶田誠・・・・帝国陸軍上等兵。とにかく無口。
・坂田・・・・・帝国陸軍軍人。
・遠峰久住・・・美術商の親睦会「竹林会」会長。政財界に大きな影響力を持つフィクサー。
・中村武一・・・遠峰の秘書。寡黙でガタイのいい眼鏡。
・兵藤茂徳・・・美術商。「竹林会」会員。
・兵藤克己・・・兵藤茂徳の息子。
・高来龍一・・・兵藤茂徳の書生。
・高来龍二・・・高来龍一の弟。
・久下直人・・・美術商。「竹林会」会員。
・浦安蔵人・・・美術品収集家。「竹林会」会員。
・浦安蒔彌・・・浦安時人の娘。
・高柳紀久男・・医師。
・長田定吉・・・かつて『夢男』、『甦る夢男』事件で知り合った執事。
・無明住職・・・かつて『夢男』、『甦る夢男』事件で知り合った住職。
・藤堂弥八郎・・美和の経営する美術商「守山美術」従業員。
294:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/05 03:57:08 ugZCcL7I0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part1
いまや日露戦争も過去の話となり、日本は軍縮ムードに包まれていた。
多くの将兵が予備役へと回され、このことに不満を持つ軍人も数多い。
そんな時代背景の中、御神楽探偵事務所は最も厄介な組織と関わりあうことになってしまう。
それは、帝国陸軍。
御神楽探偵事務所最後の事件の幕が、切って落とされようとしていた。
ある日、事務所に千鶴の嬉しい悲鳴が響き渡る。
彼女が出版社に送った探偵小説が編集の目に留まり、見事出版される運びとなったのだ。
その小説は事務所メンバーをモデルとしており、時人達の活躍を小説的に描いたものだった。
出版社からは、続編の依頼も来ているという。
その千鶴の小説話で盛り上がる事務所を、背広姿の男が訪ねてくる。
男は詳しい事情も説明せず時人に、「国家の大事だから同行するように」といきなり言い渡す。
その無礼な物言いに怒りを覚える三人娘だったが、男は同行を拒むのなら手荒な真似も辞さないという。
時人は同行を承諾、男と共に事務所を出て行く。
三人娘は、男が軍の関係者であることを推察し、言いようのない不安を覚える。
時人は、陸軍省陸軍情報部へと連れて来られた。
案内された部屋には、一人の若い将校がいる。
将校は、陸軍中尉志田数馬と自己紹介をし、時人に依頼がある旨を告げる。
依頼は志田個人の依頼ではなく帝国陸軍としての依頼であり、国策に関わる重大なものだそうだ。
しかし時人は、国策に関わるような話は一探偵である自分の仕事の範疇を超えている、と依頼を断ろうとする。
そんな時人に、志田は依頼の詳しい内容を話し始める。
現在帝国陸軍は、ある仏像を満州に運ぶ計画を立てているという。
その仏像には計り知れないほどの価値があり、この輸送計画は国を挙げて行われるそうだ。
しかし先週東京の新聞に、その仏像を強奪する計画を立てている怪盗がいる、という内容の投書が届いたのだ。
そこで陸軍は、怪盗からの仏像護衛を「帝都一の名探偵」御神楽時人に依頼することにしたのだ。
志田の話を聞いた時人は、それなら自分の仕事の範疇だし面白そうだ、と依頼を引き受けることにする。
以降陸軍から事務所への連絡連絡は、事務所を訪れた背広の男、利根川潔が行うことになった。
295:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/05 03:58:27 ugZCcL7I0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part2
一週間後、時人と三人娘は横浜港の第五桟橋にいた。
利根川から連絡があり、仏像の輸送船が決定したので同乗するよう指示があったのだ。
しかし、第五桟橋に停泊している船は軍用船ではなく、どう見ても民間の旅客船だ。
訝しがる一同の前に帝国陸軍上等兵、梶田誠が現れ、旅客船へと案内する。
一同は彼に従い、船に乗り込むのだった。
船の名前は黒潮丸というそうだ。
一同はまだ依頼の細部まで聞かされていないことなどから、船内を散策し状況を把握することにする。
舟の前甲板には杖をついた老人と、その体を支えるように立つ男がいた。
老人の左手と右足はそれぞれ義手、義足のようだ。
船内の一等客室2号室には、志田中尉が泊まっていた。
志田によると、今回の輸送に民間船を使うのは、偽装計画の為らしい。
実は黒潮丸とほぼ同時に、軍用船が横浜港を出向しており、対外的にはその軍用船に仏像が積まれていることになっている、という。
このことは、関係者の中でも中枢にしか知られていないそうだ。
軍内部の輸送計画なのに新聞に投書があったことから、軍からの情報漏えいも危惧される。
そのために、このような偽装工作を行うことにしたのだ。
また、志田によるとこの船には多くの民間人も乗り込んでいるという。
黒潮丸は、表向きは「竹林会」の貸しきり船という形になっているためらしい。
ちなみに竹林会とは美術商の親睦団体で、「竹林の清談」から名前を取った団体だそうだ。
竹林会には軍関係者と懇意にしているものも多く、こんかいはある意味美術品の輸送計画でもあるため、軍は竹林会に協力を要請したのだ。
そして志田は、隣の1号室に自分の上官で作戦の責任者、畑中秋之介帝国陸軍中佐が宿泊していることを教えてくれる。
1号室には畑中中佐と、先ほど前甲板で見た老人と男がいた。
時人が畑中に挨拶すると、彼は老人達を紹介してくれる。
老人は遠峰久住といい、竹林会の会長だという。
またもう一人の男は遠峰の秘書で、中村武一というそうだ。
挨拶が済むと遠峰たちは1号室を去り、時人は畑中に計画の詳細を聞くことにする。
畑中によると、時人たちは輸送の最終目的地である奉天まで同行しなければならないらしい。
仏像を奉天に輸送する理由については、国策なので答えられないという。
296:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/05 03:59:18 ugZCcL7I0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part3
一等客室の5号室には、美術商の兵藤茂徳が宿泊していた。
同室には茂徳の息子、兵藤克己も宿泊しているようだ。
どうやら、時人たちを今回の計画の護衛に、と軍に紹介したのは兵藤らしい。
そして、今回輸送する仏像は、もともとは兵藤の私物だったらしいこともわかる。
なんでも、「先方」とやらがその仏像を軍に対し所望した為、仏像提供を申し出たのだという。
この「先方」の存在は、計画の核心部分にあたるようだ。
二等客室の3号室には、利根川が宿泊していた。
彼によると、仏像は特別船倉、という金庫のような船倉に厳重に保管してあるらしい。
警護のために特別船倉の下見を申し出ると、利根川は畑中中佐の許可を得に船室を出て行った。
一同は後甲板から利根川に案内され、特別船倉に向かう。
特別船倉では、梶田上等兵が警護に当たっていた。
そして、利根川は特別船倉の鍵を開け、仏像「阿弥陀如来像」を一同に見せてくれた。
再び一同が後甲板に戻ると、そこにはなんと守山美和がいた。
なんでも、美和は竹林会の繋がりで同乗を誘われたのだそうだ。
そこで、経営する美術店の従業員、藤堂弥八郎と一緒に黒潮丸に乗り込んだのだ。
御神楽探偵事務所のことを兵藤に紹介したのは、美和だという。
美和と合流した一同は、夕食会が開かれるパーティーホールへと向かう。
テーブルは4人がけだった為、事務所メンバーと美和は別々のテーブルになってしまった。
時人は、美和と同じテーブルで食事が出来ないことに心底落ちこんでしまう。
とはいえ、メンバーと美和のテーブルは隣同士なので一同は会話を楽しむ。
事務所メンバーに用意された食事は洋食なのに、美和は和食を食べている。
巴がそのことを美和に尋ねると、事前に和食の申請をしておいた人にのみ、和食が供されるシステムだという。
周囲を見てみると、和食を採っているのは美和と、美和の向井に座っている男性だけのようだ。
そんなこんなで夕食を採っていると突然、美和の向井に座っている男が血を吐き倒れてしまう。
一気に混乱するパーティーホール。
倒れた男に駆け寄ろうとする利根川を押しとめ、時人は特別船倉を確認に行くよう指示する。
この混乱に乗じて、怪盗が阿弥陀如来像を盗み出す恐れが在るからだ。
297:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/05 04:00:31 ugZCcL7I0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part4
翌朝、船酔いでダウンした時人に代わり、三人娘が捜査に当たることになる。
昨晩の事件の被害者は、久下直人という竹林会会員の美術商だった。
一方、特別船倉の仏像は無事が確認された。
久下殺害の犯人は、怪盗ではなかったのだろうか。
事件現場となったパーティーホールには、医師の高柳紀久男がいた。
彼によると、久下がパーティーで食べた和食に毒が混入されていたのは、ほぼ間違いが無いという。
これから医務室で詳しい検査をするらしい。
検査の結果、食事の中の奈良漬に毒が混入されていたことが判明した。
高柳は一応検死も行い、久下の死因がジキタリスの中毒症状であることもわかった。
また高柳は竹林会と親しい町医者で、今回は遠峰と兵藤に頼まれて黒潮丸に乗り込んだそうだ。
つまり今黒潮丸に乗り込んでいるのは、軍関係者と竹林会の関係者という、身元の確かな人々のみ。
にもかかわらず事件は起こってしまったのだ。
高柳の許可を得て、昨晩久下が夕食を採っていたテーブルを三人娘は調べる。
このテーブルで夕食を採ったのは、久下と美和の二人だけだったことは間違いがない。
美和の食べていた和食も調べてみると、奈良漬が半分ほど食べられていた。
どうやら、犯人は美和と久下の和食膳のうち、久下の膳にのみ毒を混入したようだ。
美和が毒入り和食膳を食べていた可能性が在ることを知り、三人娘は戦慄する。
調理室には、志田と梶山がいた。
志田が調理スタッフから聞き出した情報によると、久下の和食膳に毒を混入する機会は昨日の日中しかなかったらしい。
昨日の日中の時点で、夕食に向けこれ以上調理する必要のない皿は冷蔵庫に保管されていたそうだ。
もちろん、奈良漬も日中のうちにそれぞれの皿に盛り付けられ、冷蔵庫に入れられていた。
そして日中は調理室に人も少なく、冷蔵庫は誰でも空けられたという。
ただ、冷蔵庫の中のどの皿が誰に配膳されるかということは、日中の時点ではわからなかったことは確かだ。
逆に、夕食前には調理室に多くの人が出入りしていた為、誰にも怪しまれず毒を混入するのは難しかったようだ。
298:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 01:09:10 TiqWoe0K0
ASHきてくれー!
もうやりたくないんだ・・・
299:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 02:23:59 lEMTwYl20
SFC PCE PC等で発売されたラプラスの魔をお願いします。
パラケルススの魔剣はwikiにありましたがないようなので
小説版を読んで興味を持ちました
300:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/06 07:18:40 alRnyOG10
☆最終話『さ・よ・な・ら』part5
一等客室の3号室には、美術品収集家の浦安蔵人が宿泊していた。
浦安に三人娘は、久下が殺される動機が全くわからないことから、無差別殺人の線も含めて捜査していることを教える。
すると浦安は、久下は根っからの和食党で、犯人はそのことを知っており和食に毒を混入したのではないかという。
だが、昨晩は久下の他に美和も和食を食べていた。
犯人には、久下に確実に毒入りの奈良漬を食べさせる方法があったのだろうか。
その後三人娘は一等客室5号室で、兵藤の書生をしている高来龍一と出会う。
そして、二等客室8号室には美和と藤堂がいた。
目の前で知人を殺された為か、美和の顔は青ざめ生気を失っていた。
美和によると、夕食前に遠峰の秘書中村が、竹林会関係者全員に夕食を和食にするか洋食にするか聞いて周っていたらしい。
後甲板に行くと、利根川が特別船倉から出てくるところだった。
昨晩の事件で黒潮丸に犯罪者が乗り込んでいることが証明されたので、警戒を厳にしているという。
前甲板には、遠峰と中村がいた。
中村によると、昨晩竹林会関係者の有力チョイスを彼と兵藤克己の二人で採って周ったという。
久下の注文をとったのは克己で、注文内容は中村と克己以外の人間には一切見せず調理室に届けたという。
結局、犯人が久下に毒を確実に盛る方法を持っていたかどうかはわからなかった。
昨晩和食を頼んだ乗客は美和と久下の二人。
犯人は、奈良漬一皿にのみ毒を混入していた。
そして、犯人が配膳係でもない限りはその毒入り奈良漬が美和と久下のどちらに配られるかは全く予測できなかった。
以上の理由から三人娘は、犯人は久下か美和かのどちらか一方でも殺せればいい、と考えていたのではないか、と推理する。
301:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/06 07:19:13 alRnyOG10
☆最終話「さ・よ・な・ら」part6
翌朝三人娘は、藤堂弥八郎が自室のドアを激しくノックする音で目が覚めた。
藤堂は、大変なことが起きたので特別船倉まで来るよう伝える。
特別船倉前では、利根川たちが重苦しい様相で立ちすくんでいた。
彼らの傍に行ってみると、そこには高来龍一と兵士一人の死体が転がっていた。
そして、特別船倉の扉は大きく開け放たれていた。
どうやら昨晩何者かが特別船倉に侵入、龍一と歩哨に当たっていた兵士、坂田を殺害し、阿弥陀仏を奪ったようだ。
畑中と相談の為現場を離れた時人に代わり、三人娘が調査を行うことになる。
梶田に許可を得て、現場の検証を始める三人娘。
坂田は、正面から至近距離で2発の銃弾を撃ち込まれ、殺害されたようだ。
坂田を撃った2発の弾丸は、両方とも坂田の体を貫通している。
一方龍一も、正面から2発の銃弾を打ち込まれて殺されたと思われる。
しかし、龍一を撃った2発の弾丸は彼の体の中で止まっていた。
もしかしたら坂田と龍一は、貫通力の異なるまったく別の銃でそれぞれ撃たれたのかもしれない。
また、龍一の左手にはなぜか抜き放たれた短刀が握られていた。
次に特別船倉の扉を調べてみると、扉や鍵には傷つけられた跡が全く無かった。
どうやら犯人は、何らかの方法で船倉の鍵を手に入れ、仏像を奪ったようだ。
二等客室3号室に行くと、そこで宿泊していた利根川から、仏像が見つからなければ事務所の責任問題だ、と怒られる。
また8号室では、美和が物思いに沈んでいた。
美和によると、奪われた仏像は翡翠の玉眼を使用した日本最古の仏像で、
人を殺してでも手に入れたいと思う美術商は多くいるのではないか、という。
しかし、それならなぜ軍は美術商の団体である竹林会に仏像輸送の協力を依頼したのだろうか。
302:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/06 07:19:48 alRnyOG10
☆最終話「さ・よ・な・ら」part7
一等客室1号室では、時人と畑中が話し込んでいた。
畑中によると、特別船倉の鍵を持っていたのは畑中、志田、利根川の三人だけだという。
2号室で、志田に話を聞く。
なんでも、利根川は計画段階から、今回の仏像輸送に反対していたらしい。
だが、志田が畑中に直接輸送計画を具申したため、輸送が実現されたのだという。
3号室で、浦安蔵人に事情聴取を行う。
実は蔵人は、今回奪われた阿弥陀如来像と同等の価値が在る釈迦如来像を所有しており、
阿弥陀像が見つからなかった場合はその釈迦像を提供するよう、軍から依頼されているという。
なぜ軍は、仏像をシナに輸送することにこだわるのだろうか。
5号室で兵藤茂徳に会う。
すると、兵藤克己の姿が今朝から見えないことを知らされる。
二等客室8号室で美和に、克己を見なかったかどうか尋ねる。
すると今朝、シナ人そ探している、と船内を歩き回る克己を見かけたと教えてくれる。
三人娘は、調理室で克己の姿を発見する。
彼にシナ人を探す理由を尋ねると、自分も犯人を捜そうと思っていた、と弁明する。
何でも昨晩1時ごろ、克己は風に当たりに後甲板に行ったらしい。
すると特別船倉の方からシナ語でなにやら言い争う声が聞こえ、その後2発の銃声が響いたのだという。
ただ、銃声を聞いた後克己は恐怖のあまり身を隠してしまった為、犯人の姿は見ていないそうだ。
その夜黒潮丸は嵐に見舞われた。
そしてその嵐の中、船内に一発の銃声が響いたことに気づいたものはいなかった。
303:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/06 07:20:21 alRnyOG10
☆最終話「さ・よ・な・ら」part8
翌朝三人娘は廊下で、酷くあわてた様子の時人を目撃する。
時人によると、畑中中佐が自殺したらしい。
一等客室1号室に駆けつけてみると、そこには窓を背にして椅子に座り、右即頭部から左即頭部に向けこめかみを撃ち抜いた畑中の死体があった。
その4日後、結局輸送計画は中断され黒潮丸は横浜港に帰港、軍の臨検を受けることになった。
結局阿弥陀仏は見つからず、事務所メンバーは犯人にいいようにやられたまま事務所へ帰らざるを得なかった。
事務所で事件について整理を行う。
まず、仏像強奪について振り返る。
黒潮丸の乗客乗員は、全員下船時に軍の荷物検査を受けた。
にもかかわらず阿弥陀仏は発見されなかった。
怪盗は、一帯何処に仏像を隠したのだろうか。
次に、畑中の自殺について検討する。
あの朝6時ごろ、志田と遠峰が航海継続の是非を確認する為一等1号客室を訪れた。
しかしドアをいくらノックしても返事がなく、ドアの鍵もかかっていたためドアの小窓から中を確認すると、畑中の死体があった。
そこで志田は遠峰に、すぐ御神楽探偵事務所のメンバーにこの事態を知らせるよう指示を出し、遠峰はすぐ時人の部屋へ向かった。
その間に志田は一等1号室の合鍵を調達し、部屋に踏み込んだらしい。
どうやら千鶴は、今回の事件をモデルに探偵小説の続編を書くつもりらしい。
緒戦は事務所の大黒星で終わったが、そのほうが真実味が在っていいという。
そんな話をしていると、浦安蔵人が事務所を訪ねてくる。
今度は浦安の家に、蔵人所有の釈迦如来像を奪う旨、怪盗から予告状が送られてきたそうだ。
阿弥陀仏が奪われた今、浦安は釈迦如来像を軍に供与することになっており、釈迦像が軍に移送されるまでの二日間、浦安家を警護して欲しいという。
浦安家の護衛には、蘭丸が当たることになった。
かつて『夢男』事件で財部家に潜入した時と同じように、蘭丸は女装してメイドの蘭子として浦安家に泊り込むことになる。
そこに突然、陸軍の将校数名が踏み込んでくる。
時人に阿弥陀仏強奪の嫌疑がかかっている為、軍まで連行するよう指令が下ったというのだ。
実は、御神楽探偵事務所のメンバーは下船時、特別に手荷物検査を受けていなかった。
そして他の乗客の手荷物や船内から阿弥陀仏が見つからなかったため、事務所に嫌疑が向かったのだった。
304:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/06 07:21:40 alRnyOG10
☆最終話『さ・よ・な・ら』part9
時人を救う為、まずは滋乃の父、久御山子爵の権力を使えないかという話になる。
滋乃は父に時人救出を依頼するため、事務所を発っていった。
また蘭丸は、当初の予定通り蘭子として浦安家に宿泊することにする。
そして千鶴と巴は、浦安に黒潮丸乗船者の所在を教えてもらい、捜査を進めることにする。
まずは守山美術で、美和と藤堂に時人が軍に拘束されたことを伝える。
すると美和は、遠峰に時人釈放を働きかけてもらえないかどうか働きかけてみる、と言ってくれる。
遠峰はかつて軍人で、その関係により軍の上層部に大分顔が利くらしい。
浦安家を訪問すると蔵人の娘、浦安蒔彌が迎えてくれた。
浦安家は、つたに覆われたずいぶん立派な洋式住宅だ。
蒔彌によると、兵藤は阿弥陀仏を軍に供与することをかなり渋っており、
阿弥陀仏の代わりとして釈迦仏を軍に供与してもらえないかどうか、蔵人に打診してきたこともあるという。
高柳医院で、高柳医師に話しを聞く。
彼は畑中の略式検死も行っており、それによると死因は頭部への銃弾で、死亡時刻は深夜1時から2時だったらしい。
また自殺の恐怖から逃れる為か、畑中は死亡直前にモルヒネを打っていたという。
地位の立派な軍人であった畑中が、自殺の恐怖から逃れる為モルヒネを打っていた、という事実に巴と千鶴は違和感を感じる。
横浜港に行き、畑中の自殺現場を調べようと黒潮丸に乗船を試みる。
すると、梶田上等兵に「民間人は立ち入り禁止」と乗船を拒まれてしまう。
しかし突然黒潮丸のほうから何か声が聞こえると、梶田は船の甲板を怒りの表情と共に見つめ、二人の乗船を許可する。
なんでも、二人の乗船許可が出たらしい。
もしかしたら、軍の内部でも今回の事件に対処する方針が統一されていないのかもしれない。
305:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 09:14:55 AEQlsGb90
御神楽乙です。
>>293
>・浦安蔵人・・・美術品収集家。「竹林会」会員。
>・浦安蒔彌・・・浦安時人の娘。
「時人の娘」じゃなくて「蔵人の娘」だよね?
306:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 12:28:53 +EPLBH+H0
ラプラスの魔、リクエスト既に出てるんだがPC版をリクしてるみたいなんだよな・・・
だから遠慮してたんだけど
>>299
ラプラスの魔って、機種毎に違うらしいじゃん
特にスーファミ版はダメダメだとか言われてる(元のPC版と相違点があるらしい)けど、そこんとこどうなの?
スーファミ版やPCエンジンでいいんなら出来るから書くけど?
あとぜんぜん関係無いですが
オシャレ魔女 ラブ and ベリー ~DSコレクション~を予約します。
307:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 13:17:02 41lmpmnV0
>>306
ラプラス城のえげつなさが無くなっているらしいね。
城の中で死んで復活したキャラでないと先に進めない場所や完全に運頼みでしか進めない場所とか…
308:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 14:14:08 lEMTwYl20
>>306
PCE版をお願いします
SFC版は友人がクリアしたようなので聞いてみましたが
カサンドラとかビヨンドや仲間の女霊能力者が小説版では死ぬのですが
SFC版では死なないようです。ベネディクトも小説版ではディープワン?ぽいのに刺されて死んでましたが
SFC版ではクリアに関係ない扱いとかなんとか
309:308
07/10/06 22:23:40 lEMTwYl20
ちがった
SFCもカサンドラ ビヨンド死に方が違うだけで死にました
310:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/07 00:26:36 MfqHMKfZ0
3ヶ月も書き込みないが、こんなスレもあるよ
漫画・アニメなどが原作の女主人公ゲーム総合スレ
スレリンク(ggirl板)l50
311:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/07 02:34:15 2QvkOLsgO
ラプラスのSFCのほうが知りたいです
312:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/07 02:39:05 Zd2Ryb7x0
ラプラス SFCとPCEが被ってるけど
SFCのなら最近クリアしたから書けるけど
313:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:49:02 D/TNs02A0
>>305
ご指摘のとおりです。
・浦安蒔彌・・・浦安蔵人の娘。
が正しいです。
ごめん。
314:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:49:34 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part5
一等客室の3号室には、美術品収集家の浦安蔵人が宿泊していた。
浦安に三人娘は、久下が殺される動機が全くわからないことから、無差別殺人の線も含めて捜査していることを教える。
すると浦安は、久下は根っからの和食党で、犯人はそのことを知っており和食に毒を混入したのではないかという。
だが、昨晩は久下の他に美和も和食を食べていた。
犯人には、久下に確実に毒入りの奈良漬を食べさせる方法があったのだろうか。
その後三人娘は一等客室5号室で、兵藤の書生をしている高来龍一と出会う。
そして、二等客室8号室には美和と藤堂がいた。
目の前で知人を殺された為か、美和の顔は青ざめ生気を失っていた。
美和によると、夕食前に遠峰の秘書中村が、竹林会関係者全員に夕食を和食にするか洋食にするか聞いて周っていたらしい。
後甲板に行くと、利根川が特別船倉から出てくるところだった。
昨晩の事件で黒潮丸に犯罪者が乗り込んでいることが証明されたので、警戒を厳にしているという。
前甲板には、遠峰と中村がいた。
中村によると、昨晩竹林会関係者の有力チョイスを彼と兵藤克己の二人で採って周ったという。
久下の注文をとったのは克己で、注文内容は中村と克己以外の人間には一切見せず調理室に届けたという。
結局、犯人が久下に毒を確実に盛る方法を持っていたかどうかはわからなかった。
昨晩和食を頼んだ乗客は美和と久下の二人。
犯人は、奈良漬一皿にのみ毒を混入していた。
そして、犯人が配膳係でもない限りはその毒入り奈良漬が美和と久下のどちらに配られるかは全く予測できなかった。
以上の理由から三人娘は、犯人は久下か美和かのどちらか一方でも殺せればいい、と考えていたのではないか、と推理する。
315:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:50:18 D/TNs02A0
☆最終話「さ・よ・な・ら」part6
翌朝三人娘は、藤堂弥八郎が自室のドアを激しくノックする音で目が覚めた。
藤堂は、大変なことが起きたので特別船倉まで来るよう伝える。
特別船倉前では、利根川たちが重苦しい様相で立ちすくんでいた。
彼らの傍に行ってみると、そこには高来龍一と兵士一人の死体が転がっていた。
そして、特別船倉の扉は大きく開け放たれていた。
どうやら昨晩何者かが特別船倉に侵入、龍一と歩哨に当たっていた兵士、坂田を殺害し、阿弥陀仏を奪ったようだ。
畑中と相談の為現場を離れた時人に代わり、三人娘が調査を行うことになる。
梶田に許可を得て、現場の検証を始める三人娘。
坂田は、正面から至近距離で2発の銃弾を撃ち込まれ、殺害されたようだ。
坂田を撃った2発の弾丸は、両方とも坂田の体を貫通している。
一方龍一も、正面から2発の銃弾を打ち込まれて殺されたと思われる。
しかし、龍一を撃った2発の弾丸は彼の体の中で止まっていた。
もしかしたら坂田と龍一は、貫通力の異なるまったく別の銃でそれぞれ撃たれたのかもしれない。
また、龍一の左手にはなぜか抜き放たれた短刀が握られていた。
次に特別船倉の扉を調べてみると、扉や鍵には傷つけられた跡が全く無かった。
どうやら犯人は、何らかの方法で船倉の鍵を手に入れ、仏像を奪ったようだ。
二等客室3号室に行くと、そこで宿泊していた利根川から、仏像が見つからなければ事務所の責任問題だ、と怒られる。
また8号室では、美和が物思いに沈んでいた。
美和によると、奪われた仏像は翡翠の玉眼を使用した日本最古の仏像で、
人を殺してでも手に入れたいと思う美術商は多くいるのではないか、という。
しかし、それならなぜ軍は美術商の団体である竹林会に仏像輸送の協力を依頼したのだろうか。
316:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:51:01 D/TNs02A0
☆最終話「さ・よ・な・ら」part7
一等客室1号室では、時人と畑中が話し込んでいた。
畑中によると、特別船倉の鍵を持っていたのは畑中、志田、利根川の三人だけだという。
2号室で、志田に話を聞く。
なんでも、利根川は計画段階から、今回の仏像輸送に反対していたらしい。
だが、志田が畑中に直接輸送計画を具申したため、輸送が実現されたのだという。
3号室で、浦安蔵人に事情聴取を行う。
実は蔵人は、今回奪われた阿弥陀如来像と同等の価値が在る釈迦如来像を所有しており、
阿弥陀像が見つからなかった場合はその釈迦像を提供するよう、軍から依頼されているという。
なぜ軍は、仏像をシナに輸送することにこだわるのだろうか。
5号室で兵藤茂徳に会う。
すると、兵藤克己の姿が今朝から見えないことを知らされる。
二等客室8号室で美和に、克己を見なかったかどうか尋ねる。
すると今朝、シナ人そ探している、と船内を歩き回る克己を見かけたと教えてくれる。
三人娘は、調理室で克己の姿を発見する。
彼にシナ人を探す理由を尋ねると、自分も犯人を捜そうと思っていた、と弁明する。
何でも昨晩1時ごろ、克己は風に当たりに後甲板に行ったらしい。
すると特別船倉の方からシナ語でなにやら言い争う声が聞こえ、その後2発の銃声が響いたのだという。
ただ、銃声を聞いた後克己は恐怖のあまり身を隠してしまった為、犯人の姿は見ていないそうだ。
その夜黒潮丸は嵐に見舞われた。
そしてその嵐の中、一発の銃声が響いたことに気づいたものはいなかった。
317:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:51:43 D/TNs02A0
☆最終話「さ・よ・な・ら」part8
翌朝三人娘は廊下で、酷くあわてた様子の時人を目撃する。
時人によると、畑中中佐が自殺したらしい。
一等客室1号室に駆けつけてみると、そこには窓を背にして椅子に座り、右即頭部から左即頭部に向けこめかみを撃ち抜いた畑中の死体があった。
その4日後、結局輸送計画は中断され黒潮丸は横浜港に帰港、軍の臨検を受けることになった。
結局阿弥陀仏は見つからず、事務所メンバーは犯人にいいようにやられたまま事務所へ帰らざるを得なかった。
事務所で事件について整理を行う。
まず、仏像強奪について振り返る。
黒潮丸の乗客乗員は、全員下船時に軍の荷物検査を受けた。
にもかかわらず阿弥陀仏は発見されなかった。
怪盗は、一帯何処に仏像を隠したのだろうか。
次に、畑中の自殺について検討する。
あの朝6時ごろ、志田と遠峰が航海継続の是非を確認する為一等1号客室を訪れた。
しかしドアをいくらノックしても返事がなく、ドアの鍵もかかっていたためドアの小窓から中を確認すると、畑中の死体があった。
そこで志田は遠峰に、すぐ御神楽探偵事務所のメンバーにこの事態を知らせるよう指示を出し、遠峰はすぐ時人の部屋へ向かった。
その間に志田は一等1号室の合鍵を調達し、部屋に踏み込んだらしい。
どうやら千鶴は、今回の事件をモデルに探偵小説の続編を書くつもりらしい。
緒戦は事務所の大黒星で終わったが、そのほうが真実味が在っていいという。
そんな話をしていると、浦安蔵人が事務所を訪ねてくる。
今度は浦安の家に、蔵人所有の釈迦如来像を奪う旨、怪盗から予告状が送られてきたそうだ。
阿弥陀仏が奪われた今、浦安は釈迦如来像を軍に供与することになっており、釈迦像が軍に移送されるまでの二日間、浦安家を警護して欲しいという。
浦安家の護衛には、蘭丸が当たることになった。
かつて『夢男』事件で財部家に潜入した時と同じように、蘭丸は女装してメイドの蘭子として浦安家に泊り込むことになる。
そこに突然、陸軍の将校数名が踏み込んでくる。
時人に阿弥陀仏強奪の嫌疑がかかっている為、軍まで連行するよう指令が下ったというのだ。
実は、御神楽探偵事務所のメンバーは下船時、特別に手荷物検査を受けていなかった。
そして他の乗客の手荷物や船内から阿弥陀仏が見つからなかったため、事務所に嫌疑が向かったのだった。
318:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:57:09 D/TNs02A0
ああああ・・・・いまになって、昨日part9まで貼っておいたことに気づいた。
>>314から317までは、全部昨日の分と重複しています。
スレを見づらくした上、容量の無駄遣いして、マジでごめん。
あと少しで完結するから、許して。
319:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 02:59:15 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part10
一等船室の廊下で、志田数馬に会う。
志田は二人の姿を見て一瞬驚いたものの、なんとか時人釈放を上層部に頼んでみると約束してくれた。
志田の許可を得て、一等1号客室を調査する。
まず、部屋の左奥にあるクローゼットに、わずかな凹みが在るのを見つける。
志田によると、それは畑中の頭部を貫通した弾丸が着けた弾痕らしい。
クローゼットの位置は、畑中の死体が座っていた椅子の左側にあり、位置的に矛盾はない。
また、部屋の床には「防共協定に関する初動試案」と書かれた書類が血に塗れ散らばっていた。
そうやらその書類は機密だったらしく、志田に書類を見たことは忘れるよう言われる。
二等客室通路には、利根川がいた。
利根川も、畑中が自殺前にモルヒネを使っていたことには違和感を覚えるという。
だが、一等客室は全てオートロックだし、事件当夜1時から2時に一等1号室に入ったものはいないと断言する。
実はその時間、隣の2号室、つまり志田中尉の部屋で、志田と利根川、蔵人の三人が釈迦像供与などについて話し合っていたという。
その時は嵐だったとはいえ船内は静かだったし、1号室のドアが開く音は必ず2号室に響いたはずだという。
黒潮丸をおり、遠峰の宿泊している帝国ホテルに向かう。
美和は既に、遠峰に時人釈放への協力を取り付けてくれていた。
遠峰は、時人拘束は軍の面子を保つための言いがかりのようなものだし、釈放に向け協力してくれると約束する。
また、遠峰に畑中自殺についての疑問をぶつけると、確かに防共協定初動試案のような機密書類を
床に散らかしたまま自殺するのは、彼らしくないという。
どうやら遠峰は、「防共協定に関する初動試案」について知っているようだ。
千鶴たちは、思い切って「防共協定」について遠峰に尋ねてみる。
すると、遠峰は迷った末口外無用として今回の仏像輸送計画の真実を教えてくれた。
帝政ロシア崩壊後過激派の活動が活発になっており、ウラルの日本人居留区襲撃計画があることが最近判明した。
この計画への対処として、直接派兵と同時に検討されているのが、奉天軍閥との防共協定締結だ。
そして奉天軍閥の最高実力者、張作霖は美術品に目が無い為、張が以前から欲しがっていた阿弥陀像を手土産に交渉の下準備をする計画だったのだ。
ここまで情報を集めた時点で、二人はこの日の調査を終えることにする。
320:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:00:25 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part11
翌朝、三人娘はかつて巴が事務所に勤める傍らアルバイトをしているカフェ山茶花で打ち合わせをしていた。
滋乃によると、久御山子爵は軍関係者にはパイプを持っておらず、時人釈放交渉は難航しそうだという。
時人のためにも犯人を早く捕まえよう、と思いを新たにする。
浦安家に向かうと、釈迦像引渡しパーティー準備の真っ只中だった。
蔵人によると、今夜のパーティー出席の為、遠峰以外の竹林会関係者は全員浦安家に集まっているという。
2階に在る蔵人の主人室に行こうとすると、パーティー出席のためにここを訪れていた美和に呼び止められる。
美蔵人に便箋と切手を買ってくるよう頼まれていたので、それらを買ってきたところだと言う。
そして、蔵人の部屋に行くのなら、ついでに便箋と切手を届けて欲しいというので、三人娘はその頼みを快諾した。
三人娘は便箋と切手を預かり、蔵人にきちんと届けた。
パーティーの開かれる広間では、蘭子もとい蘭丸が忙しそうに働いていた。
彼によると、浦安蒔彌と兵藤克己は付き合っているらしい。
今朝屋敷の裏庭で、蒔彌と克己が抱き合っているところを目撃したというのだ。
裏庭では、利根川指揮の下、軍がサーチライトを設置していた。
利根川によると、今晩のパーティーに備え、屋敷を警護するためサーチライトを設置しているらしい。
ライトは、蔵人のいる主人室の窓周辺を照らすよう配備されるそうだ。
客室を訪ねてみると、そこには黒潮丸で殺されたはずの高来龍一がいた。
驚く三人娘に、同室にいた兵藤茂徳が、彼は高来龍一の双子の弟、高来龍二だと教えてくれた。
龍二曰く、龍一と龍二の違いは龍一が右利きで龍二が左利きだという点だけだったという。
しかし、特別船倉にあった龍一の死体は、左手に短刀を握っていた。
龍一は右利きだったはずなのに。
浦安家を離れ、帝国ホテルで遠峰に面会する。
遠峰は畑中の通夜から帰ってきたばかりのところで、通夜には軍関係者がほとんどいなかった、薄情だ、と苦りきっていた。
そして、その理由は木越安綱中将の件にあるという。
木越中将は5,6年前に陸軍大臣を務めており、「現役武官専任制」廃止に向け努力した人物だ。
「現役武官専任制」とは陸海軍大臣には現役の大将・中将しか就任できない旨定めた制度で、
軍の気に入らない内閣ができそうになれば、現役大中将が就任拒否を行うことで内閣を葬り去ることが出来る、
という軍にとって非常に都合のいい制度だった。
その軍にとって都合のいい制度を廃止しようとした木越を裏切り者扱いするものも軍内部には多く、
木越に師事し、彼の方針に賛同した畑中中佐を敵視するものも数多くいたというのだ。
次に兵藤家に向かうと、克己に面会することが出来た。
浦安家のパーティーに出席しないのか、と訪ねると、克己にとって浦安家は鬼門だという。
しかし、彼は今朝蒔彌に会いに浦安家に行っていたのではないか、と突っ込むと、
実は兵藤茂徳と浦安蔵人は性格の不一致から仲が悪い為、克己と蒔彌の交際はそれぞれの親には内緒にしておいて欲しい、と頼まれる。
ひとまず捜査を終え、カフェ山茶花に戻ると、そこには懐かしい顔があった。
長田定吉。
かつて『夢男』、『甦る夢男』事件で事務所メンバーと知り合った、財部家執事だ。
彼は『甦る夢男』事件解決後、財部家を辞し東京に出てきていた。
時人拘束の話を聞いた定吉は、自分も軍にパイプを持つ人物一人に知己が在ると、時人釈放へ協力を申し出る。
彼は財部家に仕える前、軍に多大な影響力を持つ華族の志田侯爵家に仕えていたのだ。
そして、かの志田数馬中尉は、志田侯爵の甥子だという。
その夜、軍のサーチライトに照らされた浦安家を、パーティー出席の為三人娘は訪れる。
しかし、パーティー開始時刻になっても浦安蔵人は会場に現れない。
やがて、パーティー会場に「蔵人が殺害された」との噂が流れ始める。
三人娘があわてて主人室に向かうとそこには蔵人の死体があり、釈迦如来像は消えうせていた。
321:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:01:08 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part12
2時間後、またも怪盗に出し抜かれた三人娘は浦安家の応接間に集まっていた。
これで、今回の事件の犠牲者は5人目だ。
蔵人殺害発覚後、志田と利根川指揮の下、軍による大掛かりな邸内捜索が行われていた。
屋敷の広間に行くと、なにやら二人の男が言い争っている。
一人は利根川で、もう一人はなんと諸星警部だった。
これまでは軍が管理する船内で起こった事件だった為陸軍が捜査を行ってきたが、
蔵人殺害は都内で起こった民間人殺人事件のため警察の管轄だ。
そこで、二人は捜査の縄張り争いをしていたのだ。
しかし、結局蔵人殺害は警察の管轄であることを利根川が認め、争いは収まった。
現場となった浦安家主人室の捜査を、諸星の許可を得て開始する。
蔵人の背中には、深々と一本の短剣が突き刺さっていた。
どうやらこれが致命傷となったようだが、なぜ蔵人はやすやすと犯人に背後を取らせたのだろうか。
また蔵人が突っ伏している机の上には、半分ほど飲まれた紅茶入りのティーカップが置かれていた。
同様に机上には、綺麗に折りたたまれ、からからに乾いた脱脂綿の乗ったシャーレも置かれていた。
志田に話を聞くと、主人室は常時二人の兵士が警護しており、彼らと浦安蒔彌以外に主人室に出入りした人物はいなかったという。
ちなみに、ティーカップを運んできたのは蒔彌らしい。
また、警護の兵士達が、蒔彌が主人室を出てくる時に蔵人が生きていたことをしっかり確認しているそうだ。
さらに彼らによると、警護を始めてから死体発見まで、主人室からは一切の物音がしなかったという。
広間に戻ると、高来龍二が猫を相手に遊んでいた。
猫に向かって「まおまお」と呼びかける龍二の姿を、千鶴は真剣なまなざしで見つめる。
主人室の真下に在る客室には、美和と藤堂がいた。
彼女はパーティーの準備を手伝う為、この客室に泊まっていたのだ。
美和によると、蔵人は克己が最近闇市に出入りしていることを知り、以前より強く蒔彌と克己の交際に反対するようになったらしい。
ちなみにその闇市は、盗品の美術品を専門に取り扱うマーケットだ。
322:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:01:47 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part13
いつの間にか夜が明けていたが、三人娘は気力を振り絞り捜査を続ける。
まず横浜港に向かうと、黒潮丸の前に栗山刑事がいた。
なんでも、昨日ようやく軍から黒潮丸での殺人事件についての連絡が警察にあり、今日から警察も捜査を行うことになったという。
一等1号室で栗山に調査の情報を聞くと、この部屋からモンシロチョウの死骸が見つかったという。
聞くところによると嵐の夜、ときどき風に巻かれたモンシロチョウが舟に飛び込んでくることがあると言う。
つまり、事件当夜1号室の部屋の窓は空いていた。
そして畑中中佐は窓の外から狙撃された可能性が在る、と三人娘は推理する。
しかし、栗山によると事件当夜は嵐のため、1号室窓側のタラップに出る通路は全て封鎖されていたらしい。
後甲板に行くと巴が、客室窓の上方には救命ボートが吊るされていることに気づく。
あの晩、タラップに出られなくともこの救命ボートに事前に隠れておき、
人が居なくなったところを見計らってボートを1号室窓の高さまで降ろす。
そうすれば、畑中中佐を外部から狙撃することも出来たはずだ!
兵藤家に行くと、克己が蔵人殺害の情報を知り、蒔彌の身を心配していた。
現在彼は龍二に監視されており、浦安家に行きたくとも行けない状態だという。
克己に闇市に出入りしている理由を問いただすと、茂徳の命令で盗まれた阿弥陀像が売りに出されていないかどうか、確認に行っているという。
カフェ山茶花に行くと、長田が三人娘を待っていた。
志田侯爵は、時人釈放に向け力添えをしてくれるそうだ。
ただ最近、数馬が妙な派閥に入ってしまったと侯爵は心配しているという。
その派閥とは、陸軍内部でも過激な思想を持つ若手将校の集まりで、木越元大臣は彼らの目の敵にされているらしい。
323:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:03:14 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part14
ここまで来て三人娘は、畑中中佐殺害の犯人を推理するのに必要な情報を集めきった。
情報を整理し、推理を開始する。
まず、怪盗と畑中殺害の犯人は別人である。
そして、怪盗と畑中殺害の犯人それぞれが仏像を狙っていた。
そう考えなくては、なぜ久下と畑中の二人が同じ船の中で殺されたのか、説明がつかない。
そして、畑中中佐殺害の犯人は志田数馬で、彼の計画に兵藤茂徳も協力していた。
だが怪盗が、志田と兵藤を出し抜いて阿弥陀像と釈迦像を奪った。
以上のように推理を組み立てた三人娘は、浦安家に志田数馬たちを呼び出すことにする。
そして1時間後、三人娘は志田、兵藤、龍二と浦安家の主人室で相対していた。
まず兵藤に、なぜ当初は出し渋っていた阿弥陀像を、あっさり軍に供与したのか訪ねる。
そして、像を供与して軍に恩を売っておきながら、架空の怪盗の仕業にして後で取り返すつもりだったのではないか、と問いただす。
そして証拠として、特別船倉にあった高来龍一の死体が、左手に短刀を持っていた事実を突きつける。
龍一は本来右利きだった。
にもかかわらず左手に短刀を握っていたのは、利き手である右手に大切な阿弥陀如来像を抱えていたからではないか。
さらに、事件の晩克己が特別船倉からシナ語で言い争う声を聞いている事実も明らかにする。
そして、高来龍一・龍二兄弟は日本人ではなくシナ人だ、と看破する。
その証拠は、浦安家で龍二が猫に「まおまお」とシナ語の鳴き声で呼びかけていたことだ。
あの晩起こったことは以下のとおりだ。
兵藤の命令で、龍一が特別船倉に阿弥陀仏を盗みに行く。
この際、鍵は志田数馬から借り受けておく。
そして龍一は、警護に当たっていた坂田を殺害し、阿弥陀仏を盗み出す。
しかし、ここで大きな誤算が起こった。
架空の存在だったはずの「怪盗」は、実在したのだ。
怪盗は龍一が阿弥陀仏を盗み出したのを見届けると、彼を殺害し阿弥陀仏を奪い去った。
一方志田は、自らの独善の為、以前から畑中中佐を軍から排斥する計画を立てていた。
過激派に属する志田にとっては、木越元大臣に近い畑中を殺すことは正義だったのだ。
そして志田は、今回の輸送計画で兵藤たちに協力しあえて仏像を盗ませることで、
計画の責任者である畑中中佐が責任を取り自殺した、というシナリオで中佐を殺害することにした。
事件当夜、志田は部下をあらかじめ救命ボートの中に待機させておいた。
そして、事前に畑中にモルヒネを投与し、彼の意識を曖昧にした上で、窓に向かって横向きになるよう椅子に座らせる。
また、机の上に「防共協定に関する初動試案」の書類を広げておく。
準備が整った後、志田は自室で利根川らと打ち合わせを行いアリバイを作り、その間救命ボートの中の部下が、窓の外から畑中を撃つ。
翌朝、遠峰と共に一等1号室を訪れた志田は、遠峰に時人を呼びに行かせているうちに、偽装工作を完成させる。
まず、死体の座った椅子の向きを窓に背を向けるように変える。
畑中は右即頭部から左即頭部に向かってこめかみを打ち抜かれており、
死体の向きを変えることで畑中が窓の外から撃たれた、と疑われる可能性を消した。
また、机の上に散らばり、畑中の血を受け止めた「防共協定」の書類を、椅子の左側にぶちまける。
これにより、死体の向きを変えたことで不自然になる血の位置を、さも自然な状態であるかのように演出したのだ。
324:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:03:52 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part15
これならば、畑中の死体からモルヒネが検出されたり、彼が機密書類をぶちまけたまま死んでしまった理由も説明がつく。
ここまで巴が説明したところで、突如時人が現れる。
時人は、彼がある人物の力添えで釈放されたこと、そして畑中中佐殺害の実行犯、梶田誠が逮捕され、全てを自供したことを告げる。
追い詰められた志田と茂徳、龍二は浦安家からの脱出を試みる。
しかし龍二は滋乃と千鶴に、茂徳は巴と蘭丸に取り押さえられる。
そして、屋敷の外にたどり着いた志田数馬の前には、利根川率いる憲兵隊が立ち塞がっていた。
志田たちは逮捕・連行された。
そして、以前よりもずっとやわらかい物腰で、利根川は三人娘にこれまでの礼を述べる。
これまで利根川に抱いていた印象とのギャップに、三人娘は驚く。
時人によると、時人拘束も時人釈放も、利根川の指示で行われたものらしい。
畑中殺害の背景には巴たちの推理どおり軍内部の思想対立があり、実は利根川は輸送計画立案段階からから志田を監視していた。
輸送計画そのものが、民間の探偵に護衛を頼むなどあまりにも仰々しくリスクの大きいものだったからだ。
ただ、さすがの利根川も志田の目的が畑中殺害にあることは見抜けなかった。
畑中殺害後、利根川は志田に対する監視を一層強化するが、彼の派閥は軍内部でも勢力が在るため、
志田を疑っていることを悟られないよう、カモフラージュの為時人を拘束したのだという。
ちなみに志田と茂徳が御神楽探偵事務所に仏像護衛を依頼したのは、いざというときのスケープゴートにする為だったようだ。
また、時人は畑中の死体第一発見者が志田と遠峰だったことが判明した時点で、志田のことを疑い始めていた。
事件発覚当時、志田がドアの小窓から1号室を覗き畑中の死体を発見した、とのことだが、
志田以外の人物がこの時同時に小窓を覗き込んでいたら、志田に一切の偽装工作は出来なかった。
そこで志田は、絶対にドアの小窓を覗き込めないような身体的能力の持ち主、つまり杖をついた老人で義手義足の遠峰を同行者に選んだのだ。
さらに、遠峰なら歩行速度が遅い為偽装工作の時間稼ぎも出来る。
この志田・遠峰の組み合わせを聞いたとき、時人は「偽装工作の行いやすい、志田にとって都合のいい組み合わせだ」と感じ、彼を疑い始めた。
畑中殺害の真相を暴いた事務所メンバーは、利根川に見送られ今度は「怪盗」を逮捕する為の操作を始めるのだった。
325:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:04:27 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part16
翌朝三人娘が事務所に来て見ると、時人の姿は無かった。
どうやら時人は、何か調査をしに山形まで出かけているらしい。
横浜港では、栗山刑事が検死結果の報告を待っていた。
黒潮丸で殺された畑中、坂田、龍一、久下の検死結果はこれまで軍が握っており、警察まで回ってこなかったらしい。
ただ、久下については高柳が船中で開腹し、検死報告を書いておいたらしい。
また、今回の事件で奪われた仏像はそれぞれ「三尊阿弥陀如来像」と「三尊釈迦如来像」なのだそうだ。
「三尊」という名前からして、もしかしたらもう一体同じように貴重な仏像が在るのかもしれない。
浦安家の裏庭では、利根川が部下を叱り付けていた。
なんでも蔵人殺害の夜、裏庭に設置されたサーチライトの照射位置が何者かによってずらされていたのだ、という。
本来はそれぞれ別々の位置を照射しているはずのサーチライトが、浦安の部屋の窓の下を同時に照射していたのだという。
主人室には、諸星警部の姿があった。
蔵人の検死の結果、体内から睡眠薬が検出されたという。
パーティーを控えた家の主人が睡眠薬を飲むとは思えない。
犯人が、何らかの方法で薬を飲ませたと考えるべきだろう。
蒔彌の部屋で、蒔彌に蔵人の机の上にあった脱脂綿の乗ったシャーレについて訪ねる。
すると、それは手紙を出す際に切手をぬらすための脂綿だと教えてくれた。
ただ、蔵人殺害発覚時に脱脂綿を調べた時、脱脂綿はからからに乾いていた。
不審に思う三人娘に蒔彌は、蔵人は切手を舐めて張る癖があったため、脱脂綿は使っていなかったのではないか、と言う。
事務所に戻った三人は、三尊仏のことをかつて『夢男』事件で知り合った無明住職に尋ねることを思いつく。
早速電話してみると、無明は「三尊とは阿弥陀仏如来、釈迦如来、薬師如来のことだ」と教えてくれる。
やはり、今回盗まれた阿弥陀像と釈迦像とセットになる薬師如来像があるようだ。
さらに事件の詳細を無明に伝えると、なんとその薬師如来像はこの間まで新潟にあったという。
殺された久下が、薬師如来像を大金で新潟の富豪に売っていたのだ。
そして、つい最近その像は泥棒に盗まれてしまったと言う。
そう、『夢男』の犯人倉賀父子の墓参りに、時人と蘭丸と美和とが新潟を訪れた際遭遇した『暗闇の手触り(第8話)』事件。
この事件に登場した仏像泥棒が盗んでいった仏像こそが、問題の薬師如来像だったのだ。
これで、ついに今回の事件の被害者に共通点が見出された。
殺された久下と浦安は、三尊仏像の所有者だったのだ。
そこに、山形から時人が帰ってくる。
彼は、久下が三尊物のうちの薬師如来像を持っていなかったかどうか、浦安たちより前に三尊仏を持っていたとされる人物に会いに、
山形のアトリエまで確認に行っていたのだという。
ただ、その人物はもう山形にはおらず、アトリエも廃屋になっていたそうだ。
途方にくれる時人に三人娘は、久下が薬師如来像の持ち主だったことを突き止めた旨伝える。
始めは喜んでいた時人だったが、その他の調査報告を聞くにつれ、彼の顔は次第に蒼ざめていく。
そして、呆然とした様子で所長室に篭ってしまった。
時人のただ事ではない様子に、三人娘は不安を覚える。
326:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:04:57 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part17
時人は所長室を出ると、事件の真相について遠峰に聞きたいことが在る、と三人娘を連れ帝国ホテルへ向かった。
残された蘭丸が手持ち無沙汰にしているところに、美和が訪れる。
「先生はきっと真実にたどり着いたんですよ」と蘭丸が美和に笑顔で伝えると、彼女も「そう、きっとそうね・・・」と微笑んだ。
そう、時人はたどり着いたのだ。
知らないほうが良かった真実に。
遠峰と対峙する時人の顔は、相変わらず蒼ざめていた。
時人は、事件の真相がわかったので聞いてもらいたい、と遠峰に告げる。
まず、事件の情報を整理する。
今回の事件で、志田数馬一味によって殺されたのは畑中秋之介中佐と坂田軍曹の二人であることは、すでに判明している。
しかし、彼らは三尊阿弥陀仏の奪取には失敗していた。
つまり、久下直人、高来龍一、浦安蔵人の3人は三尊阿弥陀仏と三尊釈迦仏を奪った怪盗に殺害されたことになる。
では、蔵人殺害後いくらでも持ち出す機会のあった釈迦如来はともかく、怪盗はどうやって阿弥陀仏を黒潮丸から持ち出したのだろうか。
黒潮丸下船の際、乗客乗員は全員軍による荷物検査を受けていたのだ。
時人は、阿弥陀仏持ち出しはある人物の協力の下行われた、と説明する。
その人物とは、高柳紀久男医師。
高柳は船内で久下直人の死体を検死の為、開腹していた。
阿弥陀像は、その際久下の死体の中に隠されたのだ。
さすがの軍も、さすがに死体の腹の中まで調べようとはせず、こうして怪盗はまんまと阿弥陀像を持ち出したのだった。
高柳が船内で開腹を行ったのは、検死の為ではなく最初から仏像を隠す為だったのだ。
下船後、高柳は検死報告引継ぎの為と称し、遺体に付き添っていた。
その際、再び久下の遺体を開腹し仏像を取り出したのだろう。
そして、高柳が怪盗に協力した理由は、彼が怪盗に同情した為だ、と時人は告げる。
どうやら、怪盗と高柳との間には古くからの付き合いがあったことを時人は既に調べているようだ。
久下直人殺害は後回しにし、次に高来龍一殺害について検討する。
すでに、龍一が兵藤茂徳の指示により坂田軍曹を殺害し、特別船倉から阿弥陀仏を持ち出したことは確認されている。
そして、龍一が阿弥陀仏を持ち出したところを、待ち伏せていた怪盗がまんまと殺害、阿弥陀仏を奪った。
怪盗は志田一味の計画を事前に察知しており、彼らの計画を利用したのだ、と時人は言う。
どのようにして怪盗が志田一味の計画を察知したのか、と聞く遠峰に対し時人は、
怪盗は以前から兵藤の人物を良く知っており、なおかつ軍内部の思想対立まで知っていた為、志田の立てた不自然な輸送計画の裏に気づいたのだ、と答える。
この三尊阿弥陀仏強奪で、怪盗は正体を示すような証拠を残さなかった。
しかし、次の三尊釈迦仏強奪で、怪盗は重大な証拠を残していた。
それは、怪盗の主人室への進入経路だ。
蔵人殺害事件当時、主人室の入り口は兵士によって固められていた。
すると、怪盗は窓伝いに主人室へ侵入したと考えられる。
しかし、事件当時主人室の窓は軍のサーチライトで照らされていたはずだ、と巴が反論すると、
時人は、そのサーチライトの照射位置が何者かによって動かされていたことを思い出して欲しい、と言う。
怪盗はサーチライトの照射位置をずらすことでハレーションを引き起こし、主人室への進入経路を確保していたのだ。
ハレーションとは、ある特定の角度で2つの白色光を照射すると、光の重なる部分にあるものが見えなくなってしまう現象だ。
浦安家は蔦に覆われている為、その中に進入用のロープを隠しておき、ハレーションの中そのロープを伝って、1階から2階の主人室に登ったのだ。
そして、時人は苦渋の表情を浮かべながら驚愕の真実を口にする。
怪盗の正体は、この進入経路の成立する場所に事件当時いた人物。
つまり、主人室の真下に在る客室にあの晩いた人物。
それは、守山美和だった。
事務所のメンバーにとって、歳の近い母親のような存在。
事務所の入っているビルのオーナー。
事務所開設当時から、時人を暖かく見守ってきてくれた人。
そして、時人が憧れる女性。
そんな美和が犯人である、という時人の言葉を三人娘はにわかには信じられない。
すると、時人は先ほど諸星警部から、浦安家主人室の切手の裏から、睡眠薬が検出されたとの報告があった、と伝える。
蔵人殺害当日、便箋と切手を用意したので蔵人に届けて欲しい、と三人娘に頼んだのは美和だった。
新潟にあった三尊仏の一つ、薬師如来像が奪われたのは、美和が時人・蘭丸と共に新潟を訪れている時だった。
327:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:06:19 D/TNs02A0
☆最終話『さ・よ・な・ら』part18
遠峰は、久下殺害について時人に尋ねる。
あの時、美和は久下と同じ和食膳を、同じテーブルで食べていた。
そして、毒入りの和食膳が久下に配られるか美和に配られるかは、事前的にはわからないことだったのだ。
つまり、2分の1の確率で美和は毒入りの食事を食べていたことになる。
なぜ彼女はそんなことをしたのか、という疑問に時人は答える。
あれは、彼女の賭けだったのだ、と。
美和は、2分の1の確率で自分が毒を飲んでもいいと思っていたのだ。
彼女は本来、殺人などできる人間ではない。
しかし、なんとしてでも久下たちを殺し、三尊仏を奪わなくてはならない。
悩んだ末、彼女は賭けに出た。
もしここで自分が毒を飲んだら、それで三尊仏奪取計画は終わり、誰も手にかけずに済む。
しかし、もし自分が生き残ったら、それが自分の運命、計画を続行する。
これが、美和の思いだったのだ。
ここまで聞かされた遠峰は、時人の推理が正しいことを認める。
実は、遠峰は最初から美和の計画を知っており、彼女を支援していたのだ。
遠峰は美和が美術商になる為の世話をした人物、つまり美和の過去を知る人物。
時人は遠峰に、美和が一連の犯行を犯した動機を尋ねる。
遠峰は、美和の過去を語り始めた。
8年前、山形のある小さな美術商が、首を括って死んだ。
その男は遠峰の弟子で、人が良すぎるきらいのある、好人物だった。
彼が自殺した理由は、美術商仲間に三尊仏という貴重な仏像をだまし取られてしまったことだったという。
その美術商仲間が、久下直人、兵藤茂徳、浦安蔵人の三人だったのだ。
そして、自殺した美術商の妻こそが、美和だった。
美和は久下達への復讐を誓い、それを知った遠峰が彼女を旧姓に戻し、それまでの美和とは全く別人の美術商に仕立て上げた。
美和と久下たちとは直接の面識が無かった為、美術商となった彼女が久下たちに近づくのは簡単だった。
ここまで来て、時人は美和に会い、彼女に自主を勧める決心をする。
遠峰は、賭けに勝ってからの美和は死すら覚悟している、説得できるのか、と訪ねる。
すると時人は、「・・・それでも、僕は彼女を死なせはしません!」と力強く答える。
守山美術に向かうと、店はもぬけの殻だった。
時人は、美和が山形のアトリエに、彼女と今は亡き夫がかつて暮らした家に向かったことを直感する。
滋乃が自動車を手配し、一同は大急ぎで問題のアトリエに向かう。
雷鳴の中、自動車は絶壁の上から海を眺めるアトリエに着いた。
時人は三人娘を残し、アトリエに踏み込んでいく。
アトリエの中でまず目にしたものは、見事に割腹して果てた藤堂弥八郎の遺体だった。
そして、アトリエの2階には、美和の姿があった。
裁判になっても情状酌量の余地は十分にある、自分と一緒に来て自首して欲しい、という時人の説得を美和は拒む。
自分が捕まれば、御神楽探偵事務所はどうなるか。
怪盗がオーナーのビルに事務所を構えていた探偵、女怪盗ととても親しくしていた探偵。
御神楽探偵事務所の評判は、地に堕ちる。
そんなものはどうだっていい、という時人の言葉を、美和は力強く否定する。
あなたは、これからもその力で多くの人々を救っていかなければならないの、と。
そして「時人さん、ごめんなさい。私はあなたをだまし続けてきた、悪い女」と、絶壁に身その身を投げる。
「ま、待って!ぼ、僕は貴方を・・・!」
絶叫もむなしく時人の伸ばした手は宙を掴み、美和の体は漆黒の海へと消えていった。
こうして、御神楽探偵事務所最後の事件は、幕を閉じた。
あれから2週間が経ったが、事務所はいまだ悲しみの空気に包まれていた。
千鶴は、結局今回の事件をモデルに書き進めていた小説続編の原稿を焼却した。
時人は、憧れの人を救えなかった自責の念からか、所長室にこもり外に出てくることは無かった。
しかし、そんな彼も巴たちの支えにより、徐々に明るさを取り戻していくのだった。
御神楽少女探偵団&続・御神楽少女探偵団~完結編~ 完
328:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:54:07 D/TNs02A0
御神楽少女探偵団を書き始めてから結局四ヶ月も経ってしまい、
なおかつ全体が異常に長い分量になってしまったので、
最後に長いテキストは読みたくないけれどもストーリーの粗筋を知りたい、
という人のために最後に簡単なまとめを載せときます。
主要登場人物については、Wikiを参照してください。
329:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 03:55:29 D/TNs02A0
★御神楽少女探偵団まとめ
☆第1話『幽鬼郎』
・依頼者: 逸島子爵(華族、滋乃の知り合い), 逸島雪江(逸島子爵の次女)
・被害者: 逸島静江(逸島子爵の長女), 田島良造(静江のいとこ)
・舞台: 逸島子爵邸
・粗筋: 行方不明となった静江の捜索を頼まれたメンバーは、浅草の見世物小屋で「人魚のミイラ」となっていた静江の遺体を発見する。
ミイラを持ってきた片足が義足の男を追う過程で、逸島家に『幽鬼郎』という幽霊の伝説が伝わっていることを知る。
捜査を続ける中雪江の身代わりとして千鶴が拉致され、田島良造が殺されてしまう。
その後千鶴は無事救出され、メンバーはかつて逸島子爵が交通事故に巻き込まれていたことを突き止める。
・犯人: 大淵嘉平(逸島家使用人)
・動機: 嘉平は、逸島子爵の交通事故で妻子を失っていた。
そして、子爵は事故に巻き込まれたのではなく事故を起こし、その責任を他人に擦り付けていたことを知った嘉平は、
復讐の為子爵の二人の娘を殺す決心をし、義足の男を金で抱きこんで共犯にした。。
田島良造は、完璧なとばっちりで殺されてしまった。
・結末: 真相を暴かれた嘉平は、服毒自殺した。
☆第2話『太白星』
・依頼者: 守山美和
・被害者: 沢アヤコ(オペラスター)
・舞台: オペラ座「日本館」
・粗筋: オペラスターの沢アヤコが楽屋で刺殺され、追っかけの男子学生が逮捕された。
美和に頼まれ学生の無実を晴らそうとするメンバーの前に、メフィストフェレスを名乗る怪人が現れ捜査をかく乱する。
そしてメンバーは、沢が殺される前「太白星」の言葉を残していたことを知る。
・犯人: 風間国彦(オペラ雑誌記者)
・動機: 風間は、様々な女性演劇人に体を要求する見返りとして、彼女たちの提灯記事を書いていた。
そのことをネタに沢アヤコに脅され、彼女の自殺未遂計画に協力させられる。
沢は最近ライバルに人気で水をあけられており、自分に注目を集める為自殺未遂の騒ぎを起こそうと計画していたのだ。
しかし、風間はこの計画に乗じて邪魔になった沢を始末する。
「太白星」とは沢の故郷で造られた花火玉の名前で、玉の中には沢と風間の悪事を示す証拠が隠されていた。
またメフィストフェレスは、逮捕された学生の恋人が、彼を救う為に怪人を演じていたのだった。
・結末: 風間は逮捕され、男子学生は釈放された。
330:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 05:15:03 D/TNs02A0
☆第3話『夢男』
・依頼者: 長田定吉(財部家執事)
・被害者: 財部政之輔(財部家先代当主), 財部千代(政之輔の妻), 財部重光(財部家長男)
・舞台: 財部家(新潟の名家)
・粗筋: 不審者が屋敷にいるようなので警護をお願いしたい、との長田の依頼を受けた蘭丸は、財部家に潜入する。
そして、財部家には「夢男」という幽霊の伝説があることを知る。
やがて政之輔が階段から転落死し、千代がショック死する。
他のメンバーも屋敷に駆けつけるが、こんどは重光が殺されてしまった。
捜査を進めるメンバーは屋敷に滞在している旅芸人一座の座長、倉賀丁三がかつて財部家に妻を奪われていたことを突き止める。
・犯人: 倉賀丁三(旅芸人一座座長)
・動機: 倉賀はかつて財部家に妻を奪われ、家族を崩壊させられた。
そこで彼は復讐の為財部家皆殺し計画を立て、政之輔、千代、重光を殺したのだった。
・結末: 倉賀は囲炉裏に顔を突っ込んだ状態で割腹自殺。それが本当に倉賀本人の遺体なのかはわからなかった。
☆第4話『甦る夢男』
・『夢男』事件の続編
・被害者: 原田安子(財部家長女), 財部芙美子(財部家夫人)
・粗筋: 『夢男』事件は犯人倉賀の自殺で幕を閉じたはずだったが、今度は原田安子が毒殺される。
さらに、財部芙美子が射殺されてしまう。
時人は、色盲は遺伝性が強いと言う事実から、恐ろしい真相にたどり着く。
・犯人: 阿部譲太郎、阿部正夫(財部屋敷管理人阿部家の息子達、二人とも小学生ぐらい)
・動機: 譲太郎・正夫兄弟は実は阿部家の養子で、本当の親は倉賀丁三と財部芙美子だった。
彼らは父倉賀丁三の遺した復讐計画に従い原田安子を毒殺し、自分達を捨て財部家に走った実母を射殺したのだった。
時人は、兄弟と芙美子が共に色盲であるという事実から真相に気がついた。
・結末: 真相を暴かれたことを知った兄弟は、服毒自殺してしまう。
☆第5話『猟奇同盟』&第6話『続・猟奇同盟』
・依頼者: 諸星警部
・被害者: 志田庄太(新聞記者), 旭日斎蓮花(奇術師), 多数の少年少女
・舞台: 東京
・粗筋: 犯罪組織「猟奇同盟」を追っていた新聞記者が殺された。
捜査の結果、旭日斎蓮花という奇術師が猟奇同盟と関わりを持っている可能性があることを突き止めるも、彼女も殺されてしまう。
さらに、巴が猟奇同盟に拉致され催眠術で操られた結果、彼女は時人を銃で撃ってしまう。
巴は無事復帰し、メンバーは時人の友人を名乗る大学教授、常盤省吾の力を借り捜査を進める。
そして多数の少年少女が同盟によって誘拐され、行方不明になっていることを突き止めるも、事務所から蘭丸が誘拐されてしまう。
事務所メンバーは同盟の本拠地を突き止め、突入していく。
・犯人: 常盤省吾率いる猟奇同盟
・動機: 猟奇同盟とは、悪を愉しむために犯罪を犯すという完全な快楽犯罪者の集団だった。
彼らは多数の少年少女を誘拐の後、殺して人間剥製を作っていた。
旭日斎蓮花は同盟の幹部で、捜査の手が彼女に及んだ為に始末された。
・結末: 三人娘は常盤に捕らわれてしまうものの、復活した時人に救出される。
警察も同盟本拠地に突入、常盤以下猟奇同盟は一斉に逮捕される。
331:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 05:15:55 D/TNs02A0
★続・御神楽少女探偵団~完結編~まとめ
☆第7話『蜃気楼の一族』
・依頼者: 久御山子爵(滋乃の父)
・被害者: 日向まき(劇場づとめの踊り子), 片岡芳郎(日向と同じ劇場に所属する脚本家)
・舞台: 小野寺子爵家
・粗筋: 小野寺子爵家に浅草の劇場関係者が集まる中、日向まきが殺害された。
さらに捜査を進める中、今度は片岡芳郎が毒殺されてしまう。
どうやら片岡は、小野寺家をモデルに「蜃気楼の一族」という舞台の脚本を書いていたようだ。
三人娘は、小野寺家夫人喜久子と、小野寺家長男一郎太の存在に、事件をとく鍵があると睨む。
・犯人: 木原シゲ(小野寺家使用人、喜久子の付き人)
・動機: 実は、小野寺家の本当の長男は他ならぬ御神楽時人だった。
彼の本名は小野寺佐次といい、小野寺子爵が若い頃付き合っていた恋人との間に作った子供だった。
一方喜久子は小野寺子爵との間に子供を作ることが出来ず、焦りのあまり片岡との間に子供を作り、
それを子爵と自分の息子、一郎太ということにしてしまう。。
脚本のネタに詰まった片岡は、一郎太出生の秘密をモデルに「蜃気楼の一族」を書く。
そのことを知った日向まきは小野寺喜久子を脅迫するが、喜久子を守ろうとするシゲに殺された。
更にシゲは、もはや喜久子にとって邪魔者でしかない片岡まで殺害したのだった。
・結末: シゲは自首したものの、一郎太出生の秘密は公にはされなかった。
一方一郎太と時人は実の兄弟以上に仲がよく、また滋乃の初恋の人は時人だったという落ちがついてめでたしめでたし。
☆第8話『暗闇の手触り』
・依頼者: 多岐川刑事(新潟県警刑事)
・被害者: 幣原作次(鬼畜親父)
・舞台: 新潟の漁村
・粗筋: 時人は蘭丸、美和と共に新潟を訪れた際事件に遭遇する。
地元でも評判の極道者、幣原作次が射殺されたのだった。
さらに近所では、極めて貴重な仏像が何者かによって盗まれたという。
捜査の結果、作次が殺された時刻には大規模な停電が起こっていたことが判明する。
・犯人: 幣原郁(作次の次女、盲目)
・動機: 事件当夜、作次はばくちに負け荒れ狂い、郁に普段以上に激しい虐待を加えた。
郁は生命の危険を感じ、作次を射殺。
この事実を知った郁の姉と兄、そして姉の恋人が協力して郁をかばっていた。
・結末: 結局時人は真実を明らかにせず、作次殺害は仏像泥棒の仕業、ということにして新潟を去った。
332:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 05:16:48 D/TNs02A0
☆第9話『生き人形』
・依頼者: 葉山大輔(少年)
・被害者: 葉山志保美(大輔の母), 後藤緒羽子(岸部音楽院生徒), 森崎アキ(同生徒), 北田枝里(同生徒), 女性
・舞台: 岸部音楽院、仮面舞踏会会場
・粗筋: 隅田川の川沿いで、三人娘にそっくりのマスクをつけた後藤、森崎、北田の死体が発見される。
事務所メンバーは三人が仮面舞踏会に通っていたことを突き止めるが、こんどは舞踏会会場で美和の仮面を被った女性が死ぬ。
そして、今度は大輔が蘭丸の仮面を着け時人に毒を盛ろうとするも、失敗し仮面に仕込まれた毒で自身が倒れてしまう。
捜査の過程で、本物そっくりの仮面、生き人形仮面を作る職人国井皓の存在が浮上する。
そして、岸部音楽院では理事長の大城暢と、三井と言う女性秘書を中心に大規模な不正が行われていることも判明。
また、大輔の父はかつて時人が殺人未遂の現行犯で逮捕し、現在刑務所に服役中であることがわかる。
・犯人: 大城時江(暢の娘、三井の正体)
・動機: 大輔の父が逮捕された後、妻の志保美は夫の無実を調査する過程で国井皓の存在にたどり着く。
国井は生き人形仮面を犯罪者に供与する、裏社会の人間だった。
そこで、国井の恋人だった時江は、国井の存在を隠す為志保美を始末する。
また時江は、音楽院の不正を隠す為、不正を公言する可能性のあった後藤たちと、女性を殺害する。
その際後藤たちに事務所メンバーの生き人形仮面をかぶせ御神楽探偵事務所をおびき寄せ、志保美と同様国井の存在に迫っていた時人を始末しようとする。
大輔に母が死に父が逮捕されたのだと吹き込み、彼を利用して時人を毒殺しようと試みたのだった。
・結末: 時江は逮捕され大輔と時人は和解したものの、国井皓の行方は結局掴むことが出来なかった。
☆最終話『さ・よ・な・ら』
・依頼者: 志田数馬(帝国陸軍中尉)
・被害者: 久下直人(美術商), 高来龍一(書生), 坂田(帝国陸軍軍曹), 畑中秋之介(帝国陸軍中佐), 浦安蔵人(美術品収集家)
・舞台: 客船黒潮丸、浦安家
・粗筋: 事務所メンバーは、志田から貴重な仏像を輸送するに際しての護衛を依頼される。
しかし輸送船の中で久下が毒殺されてしまう。
さらに、仏像を収納しておいた船倉で高来と坂田が殺害され、仏像が奪われてしまう。
その後、輸送計画の責任者である畑中中佐が責任を取って自殺する。
また、船の乗客であった浦安蔵人が自宅で殺害され、浦安の持っていた貴重な仏像も奪われてしまう。
捜査を進める中事務所メンバーは陸軍内部の思想対立を知り、この事件では複数の犯罪者が、それぞれ別個の意思を持って行動していたことに気づく。
・犯人: 志田数馬(依頼者), 梶田誠(帝国陸軍上等兵), 兵藤茂徳(美術商), 高来龍一(被害者), 守山美和(準レギュラーキャラ)
この事件では志田、梶田、兵藤、高来グループの畑中殺害計画を利用して、美和が久下たちを殺し仏像を奪っていた。
・動機:
志田グループ: 過激派に属する志田と梶田は、穏健派の畑中を軍から排斥しようとしていた。
一方兵藤と高来は貴重な仏像をしぶしぶ軍に供与したものの、何とかして取り返したいと考えていた。
そこで彼らは手を組み、兵藤と高来が仏像を強奪し、志田と梶田が畑中を輸送失敗の責任を取っての自殺に見せかけて殺害する計画を立てた。
しかし、高来が歩哨の坂田を殺し仏像を奪った直後、高来本人が何者か(美和)に殺され仏像を奪われてしまう。
アクシデントはあったものの、志田と梶田は畑中を殺害する。
そして兵藤たちと共に、本来自分達が奪う予定だった仏像の行方を捜索していた。
美和: かつて美和の夫は、久下・兵藤・浦安に騙され貴重な3つの仏像を奪われてしまい、自殺に追い込まれていた。
美和は夫の復讐を決意し、やがて志田達の計画を察知、これを自身の復讐に利用することにする。
彼女はまず久下を毒殺、その後高来が仏像を奪ったところを待ち伏せして彼を殺害、仏像を取り返した。
さらに彼女は浦安を殺害し、もう一つの仏像を取り返す。
3つ目の仏像に関しては、彼女は既に『暗闇の手触り』事件の際に取り返していた。
・結末: まず事務所メンバーは志田グループの犯行を解明。
志田グループは陸軍憲兵隊によって逮捕される。
その後の捜査により、時人は美和が犯人だという絶望的な結末にたどり着く。
時人は美和に自首するよう説得を試みるが、彼女は御神楽探偵事務所の評判を落とすわけには行かない、と自殺してしまう。
333:続・御神楽少女探偵団~完結編~
07/10/07 05:25:08 D/TNs02A0
以上で『御神楽少女探偵団』、『続・御神楽少女探偵団~完結編~』のストーリーは終了です。
書き始めから完結まで時間がかかったうえ、全体の分量が長すぎる、
さらには重複投稿などのミスを犯す、とスレ住人の皆さんにはご迷惑をおかけしました。
334:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/07 07:58:40 MCv7PbtC0
乙、という事で御神楽少女探偵団の要約。
名探偵、御神楽時人と助手の女の子達が
様々な依頼を解決していくのだが
最後の事件で復讐を決意してしまった
時人の想い人(美和)を救う事が出来ず
悲劇的な結末を迎えてしまう。
エロゲーの続編は知らん。
335:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/07 11:43:35 IBvHgKgr0
みさくら少女探偵団なんてタイトルの割に随分とヘビーな内容だな。
みしゃくら少女探偵団にゃんてタイトルのぉおお割に随分とヘビーにゃ内容らにゃあああ!!
336:ラプラスの魔 SFC
07/10/07 14:52:49 Zd2Ryb7x0
ラプラスの魔 SFC
主な登場人物
主人公 名前 性別 職業 選択可
セリフが少なくほとんど草壁に喋られてる。
モーガン・ディラン 女ジャーナリスト
ウェザートップ事件の取材に来た。
アレックス・クイン 男探偵
館の調査に来たが一人では調査が進まないため同行を申し出てくる。
後にモーガンと結婚。
ビンセント・ホフマン 男科学者
心霊機械の実験に来た青年。でも一人では怖いので
同行を申し出てくる。
ディック・オーガスト 男霊能者
小説ではインチキ魔術師で途中退場だが
ゲームではちゃんとした能力持ち
ラモント・ブラックウッド ディレッタント
小説では途中で殺されるがゲームでは最後まで生存。
草壁健一郎 霊能者(特殊) ある意味主人公
日本から来た青年。主人公たちより先に館に入っていったまま
戻ってこない。
ベネディクト・ウェザートップ
館の主で町の人たちから魔法使いやら変人やら言われて敬遠されている人物。
少年殺害の犯人と噂されている。
337:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/07 14:53:36 Zd2Ryb7x0
1924年
アメリカは、ボストン近郊にある、片田舎の街、ニューカム。
この、何の特徴も無い寂れた街で、恐ろしい事件が起こった。
町外れにある幽霊屋敷を探索に行った2人の少年が、
無残な姿で殺され、
一緒にいたエイミーと言う少女が行方不明となったのだ。
アメリカ中の注目が、このセンセーショナルな事件に集まった。
警察は、大々的に捜査を行ない、
新聞も、連日の様に事件の情報を求める記事を載せた。
にもかかわらず、手がかりは何一つ無く、
謎は深まるばかりだった。
しかし、街の人達は、
幽霊屋敷の持主であり、今は行方不明となっている
ベネディクト・ウェザートップが犯人だと、噂しあっていた。
そして君は、不可解な事件に興味を覚え、
調査する為に、ニューカムの街を訪れたのであった。
ニューカム
酒場で同行する仲間を3名まで選ぶことが出来る。
選ばれなかったものはホテルにて待機している。
エイミーの母親から娘を見つけてくれるようにという依頼を受ける。
雑貨屋で装備を整えて館に潜入。
入ったとたん背後で扉が閉まるが 普通に出ることが出来る。
(PC版やPCE版は出れなくなる)
一度入った後に酒場のマスターに話すと主人公の前にも
4人組が入っていったきり戻らないという話を聞く。
もうダメかも知れないが死体だけでも連れて来てくれないかと依頼をされる。
断ると2度と受けれないので気をつけること。