07/08/21 03:16:30 e91RKZ6M
>>525
「あ…いえ……」
少年の頬に赤々と紅が差した。
『へいっ!お待ちっ!』
オヤジの威勢がいい声が飛んだ、そういえば先ほどから天麩羅の香ばしい薫りがしていた。つゆの香りもあってか食欲を掻き立てられる。
『おう菊、来たぜ…こいつぁうまそうじゃねぇか!…ヒック』
菊の前に運ばれた天丼をのぞき込みながら本日何本目かの酒を煽る米田。
酒の味も好く、可い具合に冷えているのもあってかするすると手が進んでいる。
『そういえば菊君、何故アクセサリィ屋の前に居たのかしら?』
ふと先程まで新香を摘んでいた琴音が口を出した。
『え!……その…』
菊が言葉を詰まらせた、琴音が耳を寄せて囁くように促すと…
『……が…その……で……え…』
どうやら、昔から女性に対する憧れがなんたらかんたら…だという。
それを聞いた琴音が、腕を組み力強く然し優雅に頷いた。
『菊君、今日は…私達とデートしましょう』