07/08/03 07:43:43 o8qtkPj0
>>494
『お待たせいたしました』
注文した蕎麦が運ばれてきた。
米田は猪口に酒を注ぎ、蕎麦に慣れた手つきでまぶしていく。
『あら、桜の香‥美味しい…』
『旨い。』
『な?うめぇだろ?』
蕎麦をすすったあやめと山崎の言葉に蕎麦をすすりながら米田は答えた。
その時である。
「じゃまするぞ!」のれんをくぐり、店内に数人の男が入ってきた。
彼らは帝国陸軍の軍服を着ていた。
『…まったく、かたっくるしい奴らが来やがった。』
『あれは…【嶺諷會】ですね。』
『…?…隊長、嶺諷会とは何でしょうか?』
一馬の言葉に疑問を抱いたあやめが米田に聞いた。
それに、あやめの傍らに居た山崎が口を挟む。
『嶺諷会とは、昨年辺りから活動を始めた若い陸軍将校達の結社だ。
彼らは貴族院の三連総胡伯爵を中心に日本の軍備拡大を訴えている。』
それに米田がつけたして…
『見分け方は…服のどこかから青い御守りを下げてンだ。
…まあ、参謀本部からはあまり良い目で見られとらんのよ。』
ちなみに、三連総胡伯爵は後の太正維新軍によるクーデターを支援したとされ、逮捕されている。
米田達の話が聞こえたらしいのか、男達の内のひとりが軍靴の音