07/07/26 00:46:44 WrVTucxK
>>487
定刻通り浅草に集まった米田を除く対降魔部隊の面々は皆、それぞれ帯刀してはいるが思い思いの外行き服に着替えている。
山崎は青を基調としたスーツ姿、淡い色合いの中にスッと筋の通った姿で…
あやめは少し華やかな色合いの着物、それには菖蒲の花が描かれている。
一馬は普段通りの落ち着いた着物で、深緑の打掛に紺の帯を締めたスッキリとした姿である。
しかし肝心の米田がいまだに到着していなかった。
『米田隊長…遅いですね。
壱拾五分も遅刻なんて…』
あやめは懐中時計を見つめてぼんやり呟いた。
山崎に至っては冷ややかな表情の内に少なからず苛立ちが垣間見える。
そんな中、やはり真宮寺一馬のみは穏やかで…。
『お~い、おめェら!
こっちだこっち!』
声のした方を振り向くと、酒屋の暖簾の隙間から赤ら顔を覗かせる米田の姿があった。
鈍色のスーツの中に青いベストを着込み、首を緑色のスカアフで結っていて、片手にしっかりと一升瓶を携えている。
『いやぁ集合場所を指定すンの忘れちまってな、すまねぇ』
高らかに笑い飛ばす米田を、空いた口が塞がらないというような顔であやめと山崎は見つめていた。
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