07/07/09 11:21:13 UXHk6ypB
>>466
死出の儀式とは、通称黄泉送りとも呼ばれる裏御三家たる真宮寺家伝統の儀式である。
儀式を行う者は身を清め、霊剣荒鷹を手放す儀を行い、その夜は精一杯のもてなしを受ける
次の日、普段着の下に死装束にを纏ってその者は長き死出の旅に出る。
その儀に使われるのは真宮寺の私有墓地に立つ墓標の中でも一際大きいものだ。その地下には、階段がある。
死することが分かった者はこの地下へと下り、冥府へと旅立つのだ。
そしてあちらとこちらの繋がりは紐で結ばれた鈴の音色だけであり、その音色が途絶えた時、その者は冥府に旅立ったこととなるのだ。
米田の対降魔迎撃部隊隊長としての最後の任務が、この儀式を見届けることであった。
「あやめ君・・いよいよ、だな。」
「・・・ええ」
米田は、貸し与えられた部屋であやめと向き合っていた。あと数刻もすれば鐘が鳴る。
今夜は儀の一環として真宮寺の者達は今宵眠ることを許されてはいない。米田はひとりそれに従うつもりだったが、あやめも同じく従っていた。
「・・あやめ君、寝てて構わないんだぞ?」
「いえ、真宮寺大佐のお見送りですから、・・」
言葉少なく、時を過ごして行く。
ただ、この時米田は奇妙な胸騒ぎを感じていた。異様な胸騒ぎを・・